田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『アウトロー』(76)『傍役グラフィティ』

2020-05-21 10:49:11 | 映画いろいろ

『アウトロー』(76)

 アメリカ建国200年記念作品として製作されたクリント・イーストウッド監督・主演の西部劇。南北戦争末期、北軍に妻子を殺された農夫(イーストウッド)がすご腕のガンマンとなって敵を討つ姿を描く。

 この映画が公開された頃、ちょうど「現代アメリカ映画傍役事典『傍役グラフィティ』」(川本三郎、真淵哲ほか)という本を手に入れて夢中になって読んだ。

 それで、その本に載っていたビル・マッキニー(北軍の隊長)、ジョン・バーノン(南軍ゲリラ)、ウィリアム・オコンネル(渡し舟屋)、ロイヤル・ダーノ(ギャンブラー)、マット・クラーク(バーテン)、ジョン・デイビス・チャンドラー(賞金稼ぎ)、チャールズ・タイナー(交易所主人)、サム・ボトムズ(フレッチャー団員)、ウィル・サンプソン(シャイアン族の酋長)、チーフ・ダン・ジョージ(老酋長)といった、脇役たちに注目しながらこの映画を見た覚えがある。

 この頃のイーストウッドの映画は“脇役天国”なところがあって楽しい。ただ、今も健在なのは、イーストウッドとマット・クラーク、ウィリアム・オコンネルぐらい、というのはちと寂しいが。


 

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【ほぼ週刊映画コラム】Jリーグの再開を願いつつ、サッカー映画を見よう!『勝利への脱出』『少林サッカー』ほか

2020-05-21 08:53:12 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
Jリーグの再開を願いつつ、サッカー映画を見よう!
『勝利への脱出』『少林サッカー』ほか

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1227443

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『若草物語』(49)

2020-05-21 06:59:25 | 映画いろいろ

『若草物語』(49)(1974.3.28.木曜洋画劇場)

 原作はルイザ・メイ・オルコットの同名小説。南北戦争時代を背景に4姉妹の成長を描き、何度も映画やドラマになっている。最近も『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』として映画化された。

 この映画は、監督マービン・ルロイ、長女メグ(ジャネット・リー)、次女ジョー(ジューン・アリスン)、三女ベス(マーガレット・オブライエン)、四女エイミー(エリザベス・テイラー)という布陣。 

 13歳の誕生日に、映画雑誌『ロードショー』の「豪華女優陣の共演」という紹介に引かれて見たのだが、思春期の男にはあまりピンとこなかった印象がある。

 

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『イップ・マン』

2020-05-20 10:13:47 | 映画いろいろ

『イップ・マン 葉問』(10)(2011.2.5.新宿武蔵野館)

カンフー映画の真骨頂ここにあり

 東京国際映画祭で見逃したブルース・リーの師匠の一代記。まずイップ・マンという名前の響きがいい。漢字では葉問と書く。

 イップ・マンに扮したドニー・イェンは、最初は賢者なのか愚者なのか分からない雰囲気を持って現れるのだが、見ているうちに彼が醸し出す不思議な魅力にはまっていく。とにかくアクションシーンは、驚きを通り越して思わず笑ってしまうほどすごい。特にドニーとサモ・ハン・キンポ―の対決シーンが圧巻だ。

 後半はもろに『ロッキー4/炎の友情』(85)からの頂きになり、対戦するボクサーが強過ぎるのも難点だが、映画を盛り上げるためには仕方ないところか。

 ラストに少年時代のブルース・リーを登場させるところが憎いぜ。久しぶりにアクションシーンに手に汗を握った。カンフー映画の真骨頂ここにあり。見終わった後、ブルース・リーのヌンチャクならぬイップ・マンの木人をまねしたくなる。観客が5千人を超えれば、前作『イップ・マン 序章』(08)も公開されるとのこと。

『イップ・マン 序章』(08)(2014.6.1.)


 先に『イップ・マン 葉問』(10)が公開されたため、見る順番が逆になった。今回の話の中心は侵攻してきた日本軍に対するイップ・マン(ドニー・イェン)の姿。彼の弟子でもあるブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)を思い出させる。

 相手は日本の軍人にこんなやつはおらんだろという感じの将軍(池内博之)だが、まあこれは中国映画だから仕方ないか。迫力に満ちた武闘シーンが圧巻だが、イップマンの恐妻家ぶりが笑えるユーモラスなシーンもある。

『イップ・マン 継承』(15)


https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/75a6ae986bb80d6a3f195350304180e7

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『独裁者』

2020-05-20 06:43:58 | 映画いろいろ

『独裁者』(40)(1974.3.22.荏原オデヲン座 併映『戦争と人間 完結篇』)

 

 編集・解説を担当した『淀川長治の証言 チャップリンのすべて』から。淀川先生が、目の前で、先生流にラストの演説を再現してくださったことは忘れられない。



https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c1b90f2a7d3da72c38d9332f11b50328

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『ワイルドバンチ』

2020-05-19 22:39:30 | 映画いろいろ

『ワイルドバンチ』(69)(2010.7.4.午前十時の映画祭 TOHOシネマズ六本木)(1974.10.5・12.日曜洋画劇場で初見)

 監督サム・ペキンパーの西部開拓時代の終わりや、メキシコへの思いがつまった一作。

 『砂漠の流れ者』(70)同様、ここでも新時代の象徴として自動車を効果的に登場させている。ルシアン・バラードのカメラワークも美しい。公開当時、話題になったバイオレンス描写も、今から見ればおとなしいものに映る。

 ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ベン・ジョンソン、ウォーレン・オーツ、エドモンド・オブライエン、そしてロバート・ライアン。

 人生の黄昏を迎えた男たちが、ふとしたことで笑い合う姿が印象に残る。自分の不器用な生き方を笑うしかない男たちの切なさ、というのは、同じくメキシコ周辺を舞台にしたジョン・ヒューストンの『黄金』(48)にも通じるものがある。

『サム・ペキンパー 情熱と美学』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/96a0cab264ba3d53e14786426865d915

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『映画の森』「新型コロナウィルスの感染拡大の今こそ見たい3本の映画」転載

2020-05-19 14:01:27 | 映画の森

「KyodoWeekly」4月20日号から「新型コロナウィルスの感染拡大の今こそ見たい3本の映画」 共同通信のニュースサイトに転載https://www.kyodo.co.jp/national-culture/2020-05-19_2760936/

『復活の日』「愛は、人類を救えるか」
『アウトブレイク』「絶滅するのは人類か、ウイルスか」
『コンテイジョン』「恐怖は、ウイルスより早く感染する」

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『カンフー・ジャングル』

2020-05-19 07:32:59 | 映画いろいろ

『カンフー・ジャングル』(14)

 警察の武術教官のハーハウ・モウ(ドニー・イェン)は、一門の名を挙げるために私的試合で相手を殺してしまい服役する。ところが、武術界のチャンピオンたちの連続殺人事件が発生し、捜査への協力と引き換えに仮釈放となり犯人を追うことになる。

 ドニー・イェン主演のカンフー・アクション。監督は『孫文の義士団』(09)でもドニーとコンビを組んだテディ・チャン。

 ドニーにも増して、武術界のチャンピオンたちを次々と殺害していく敵役のワン・バオチャンがすさまじいアクションを見せる。何でもありの武術のてんこ盛りで、もはやカオス状態。ストーリーなどどうでもいいという感じだ。

 往年の香港カンフー映画へのオマージュを盛り込んだエンドタイトルはちょっと感動的だった。

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『キリング・フィールド』

2020-05-19 06:35:20 | 映画いろいろ

『キリング・フィールド』(84)(1985.10.15.銀座文化)

 1970年代、クメール・ルージュによる内戦下のカンボジアを舞台に、アメリカ人ジャーナリスト(サム・ウォーターストン)と現地のガイド(ハイン・S・ニョール)との友情を描く反戦映画。

 ピュリツァー賞を受賞したシドニー・シャンバーグの体験に基づく実話を、イギリス人のローランド・ジョフィ監督が映画化。実際に難民で、演技経験のなかったカンボジア出身のニョールがガイド役を好演してアカデミー助演男優賞を受賞したほか、撮影賞(クリス・メンゲス)・編集賞にも輝いた。

 劇中にポール・マッカートニー&ウィングスの「バンド・オン・ザ・ラン」、ラストシーンにはジョン・レノンの「イマジン」が流れる。

 見終わって、前評判の良さに比して素直に感動できなかったのは何故なのだろうと自問してみたのだが、明確な答えは浮かんでこなかった。それは自分がベトナム戦争以上にカンボジア内戦については無知だということもあるが、恐らくアメリカ人の贖罪の念を「イマジン」に集約させたようなラストシーンに安易さを感じて反発を覚えたからだと思う。

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『孫文の義士団』

2020-05-18 20:42:24 | 映画いろいろ

『孫文の義士団』(09)(2011.4.30.ヒューマントラストシネマ有楽町)

 この映画は、辛亥革命の孫文対清朝末期の権力者・西太后という図式を描いた歴史劇にあらず。歴史的事実を巧みに利用した大娯楽作だ。監督はテディ・チャン。

 とは言え、辛亥革命のあらましを知っていればさらに面白く見られるだろう。前半は歴史的背景や登場人物たちの点描が静かに語られていくが、後半は、さまざまな事情から孫文を“守ることになってしまった”者たちが、暗殺団との間ですさまじいアクションを繰り広げる。この静と動の転換がなかなかいい。

 加えて、『イップ・マン 葉問』(10)のドニー・イェンを筆頭に、名もなき者たちが各々の“義”に殉じて死んでいく姿に胸を打たれる。それはまさに“弁慶の立ち往生”のオンパレード。前半のストーリーには『七人の侍』(54)、後半のアクションには西部劇を感じさせるところもある。 

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