『イップ・マン 葉問』(10)(2011.2.5.新宿武蔵野館)
カンフー映画の真骨頂ここにあり
東京国際映画祭で見逃したブルース・リーの師匠の一代記。まずイップ・マンという名前の響きがいい。漢字では葉問と書く。
イップ・マンに扮したドニー・イェンは、最初は賢者なのか愚者なのか分からない雰囲気を持って現れるのだが、見ているうちに彼が醸し出す不思議な魅力にはまっていく。とにかくアクションシーンは、驚きを通り越して思わず笑ってしまうほどすごい。特にドニーとサモ・ハン・キンポ―の対決シーンが圧巻だ。
後半はもろに『ロッキー4/炎の友情』(85)からの頂きになり、対戦するボクサーが強過ぎるのも難点だが、映画を盛り上げるためには仕方ないところか。
ラストに少年時代のブルース・リーを登場させるところが憎いぜ。久しぶりにアクションシーンに手に汗を握った。カンフー映画の真骨頂ここにあり。見終わった後、ブルース・リーのヌンチャクならぬイップ・マンの木人をまねしたくなる。観客が5千人を超えれば、前作『イップ・マン 序章』(08)も公開されるとのこと。
先に『イップ・マン 葉問』(10)が公開されたため、見る順番が逆になった。今回の話の中心は侵攻してきた日本軍に対するイップ・マン(ドニー・イェン)の姿。彼の弟子でもあるブルース・リーの『ドラゴン怒りの鉄拳』(72)を思い出させる。
相手は日本の軍人にこんなやつはおらんだろという感じの将軍(池内博之)だが、まあこれは中国映画だから仕方ないか。迫力に満ちた武闘シーンが圧巻だが、イップマンの恐妻家ぶりが笑えるユーモラスなシーンもある。
『イップ・マン 継承』(15)
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