シネフィルWOWOWで「ジョン・ウェイン誕生祭」をやっている。
『マクリントック』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a360531e0a4d57f9d432084817ad86c5
『エルダー兄弟』(65)(1987.9.16.)
ジョン・ウェイン、ディーン・マーティン、アール・ホリマン、マイケル・アンダーソンJr.扮する四兄弟が、力を合わせて父母の敵を討つという正調西部劇。敵側に雇われたガンマン役でジョージ・ケネディも出ている。
60年代中盤、すでに西部劇が衰退していた頃の一本だが、『リオ・ブラボー』(59)に続くウェイン、マーティンの共演と、ヘンリー・ハサウェイ監督の手慣れた演出もあり、日本の有名な講談を聴くような、分かりきった 面白さを味わうことができた。
また、この映画は、ウェインにとっては肺がん手術後の復帰第一作となっただけに、長兄を演じたウェインが男としての責任の取り方を示すさまが描かれるなど、おおらかな中にも、どこか厳しさを感じさせる作品になっている。
こうした正調西部劇が作られなくなって久しい。たまにはこういう映画を見てみたい気もするが、最近の『シルバラード』(85)を例に出すまでもなく、西部劇が似合う俳優がいなくなってしまったのは否めない。そう考えると、改めてジョン・ウェインの存在の大きさを感じることになるのだ。
【今の一言】『マクリントック』は以前は冗漫だと思ったのだが、今回はマクリントックとキャサリン夫妻を囲む集団劇として面白く見た。逆に『エルダー兄弟』は以前ほどは面白く感じられなかったが、マーサ・ハイヤーが魅力的に映った。映画は見た時の状況や心境によって感じ方が異なるところが、厄介であり、面白いところでもある。