田中雄二の「映画の王様」

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『淀川長治の証言 チャップリンのすべて』

2019-05-16 08:58:28 | 仕事いろいろ

 昨日の「歴史秘話ヒストリア」は「五・一五事件 チャップリン暗殺計画」と題して、チャップリンと日本人秘書の高野虎市との関係を描いていた。



 高野さんについては、20年ほど前に『淀川長治の証言 チャップリンのすべて』(毎日新聞社刊)というムック本を編集した際に、実際に彼と会ったことがある淀川先生からたっぷりと話を聞くことができた。淀川先生はチャップリンと高野さんの関係を「夫婦みたいなもの」とし、高野さんがポーレット・ゴダードの浪費癖に怒って秘書を辞めた裏には「嫉妬があったのかもしれんね」と推理していた。

 『~チャップリンのすべて』は、『20世紀の大スター100撰』『20世紀 世界のアイドルスター100撰』『20世紀映画のすべて 淀川長治の証言』に続く第4弾。淀川先生に思い切りチャップリンのことを語っていただき、それをこちらが原稿としてまとめるという、楽しくもなかなか骨の折れる仕事だったが、これがシリーズ最終作となった。今となってはその経験は貴重な財産になっている。

 チャップリンと高野さんと五・一五事件については、『チャップリンを撃て』(日下圭介)と『五月十五日のチャップリン』(川田武)が、推理小説の形を借りて詳細に描いている。




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