田中雄二の「映画の王様」

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『マクリントック』

2019-05-21 10:58:11 | 映画いろいろ
『マクリントック』(63)



 西部の大地主マクリントック(ジョン・ウェイン)のもとに、2年前に家出した妻のキャサリン(モーリン・オハラ)が戻ってくる。 だが、勝気なキャサリンは夫ばかりでなく、周囲の人々をも振り回していく。

 シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』を基にしたコメディ映画。監督はジョン・フォード一家の名優ビクター・マクラグレンの息子で、『静かなる男』(52)では助監督を務めたアンドリュー・V・マクラグレン。ウェインとの最初のコンビ作となったが、いささか冗漫な描写が目立つ。

ウェインは『ドノバン珊瑚礁』(63)ではエリザベス・アレンの尻をたたいていたが、この映画では最後にオハラの尻をたたいて一件落着。今では考えられないようなのどかな描写だ。ウェインとオハラは映画では夫婦役を演じたが、男と女としては水と油で、私生活では“親友”で通したという。それを知っていたわけではないが、この映画を最初に見た中学時代の自分は、勝気なオハラよりも家政婦役のイボンヌ・デ・カーロの方に好感を持った覚えがある。

 ちなみに妻は、所属する西部劇同好会ウエスタン・ユニオンの記念誌「よみがえる西部魂」の中で、マクリントックの「女は本当に起こっていることとは違うことに目くじらを立てる」という言葉を、名セリフに選んでいた。



アンドリュー・V・マクラグレン逝く
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/dec8eae48def02d380f208157a371d03


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