「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

番組に介入した人が 総理大臣になった

2006-10-01 18:14:13 | Weblog
2001年1月のことは忘れません
内閣官房副長官だった安倍晋三氏と中川昭一氏が NHKの番組に介入したことを・・・・・。

二人とも「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の中心メンバーでした。

介入した番組は 1月末放送予定の「ETV2001」”日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷”です。従軍慰安婦問題がとりあげられました。
当然のことながら 責任は天皇に及ぶことになります。
右翼による抗議行動で NHKの「あたふた」がはじまりました。
番組は 見るも無残に改竄されました。

はじめのうち 改竄は右翼の抗議のせいかと思っていたのですが 実はそうではなかったのです。
安倍 中川両氏が NHKの幹部を呼んで説明を求めていたのです。
朝日新聞がとりあげました。
政治家による番組介入として メディアはいっせいに取り上げるだろうと思っていましたが 朝日新聞は「ぐずぐず」になってしまいました。
NHKは 「独自の判断で番組に手を入れた」といい逃れました。
この問題は いま法廷で争われています。
この間のことを告発した勇気あるプロデューサー二人は つい最近現場をはずされました。不当配転といっていいでしょう。

その安倍晋三氏が総理大臣になってしまったのです。
中川昭一氏は政調会長です。番組介入コンビです。

東京新聞(9月23日)は その辺のことを鋭く指摘しています。
「気になる安倍流のメディア対応」
「安倍政権にメディア戦々恐々?」
「”活用”から”介入”懸念の声も」・・・・・と。

そんな声はどこ吹く風。
総裁選以来 はやくも「ご機嫌とり」「すり寄り」をはじめましたね。
密着好きのワイドショーは 「5年ぶり ファーストレディー誕生」などと持ち上げ役です。

極めつけはテレビ朝日の ニュースや座談会を織り込んだドラマ仕立ての『特報スクープ決定版・安倍晋三宿命の半生』(9月23日)です。
ご覧になった方もいるでしょう。
結果は「よいしょ番組」でしたね。
政治評論家による座談会「安倍政権の期待と不安」のコーナーに期待しましたが 「不安」については語られず仕舞いでしたよ。

初めての所信表明演説を聞きました。
「お坊ちゃん演説」でしたが 中身はすごかった。
憲法改定を打ち出しました。
改憲手続法の早期成立に強い期待を表明しました。
集団的自衛権の行使について研究作業に着手するそうです。
あたらしい教育基本法の早期成立を期待するといいます。
防衛庁の「省」昇格をやるようです。
歴史認識について触れることはありませんでした。
安倍内閣は「戦争ができる国づくり内閣」だということが はやくも明らかになりましたね。

メディアは 「ご機嫌とり」をやっている場合じゃありませんね。
もうそろそろ「政治からの独立」を考えましょうよ。

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