「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

われ疑う 故にわれ有り

2006-10-14 15:25:14 | Weblog
北朝鮮は 「核」実験のまえにロシアと中国に通知していたといいます。
10月9日 北朝鮮は「実験した」という声明を出しました。
北の国営テレビは「実験は成功した」と発表しました。
各国の地震計は 数値はまちまちですが「地震とは異なる揺れを感知した」といいます。

北の核実験のニュースは世界を駆け巡りました。
メディアの多くは「核」実験を事実化した報道となりました。
テレビ各局は街の声を集めていましたが 「あの国は何をするかわからない」というオンパレードでした。

北朝鮮の発表は本当だったのでしょうか。
航空機による大気中のチリ収集では「異常なし」でした。
その後(11日)アメリカの航空機による観測で 「ごく微量の放射性物質を確認した」そうですが 「ごく微量」とはどんな意味をもつのでしょうか。
検査結果はすぐには出ないといいます。
いまだに 実験に関する詳しい情報 実験場所ははっきりしていません。

アメリカは「放射性物質は核実験によるものと思われる」といっていますが
フランスは「核実験であった場合 失敗した可能性がある」「TNT火薬500キロ前後の爆発かもしれない」といっています。

安倍内閣は 船舶の出入り禁止などの制裁強化に踏み切りましたが
その理由は「核実験したと言ったこと自体が挑戦だ」です。

核実験が事実であれば 許されることではありませんが
今回の事態をめぐる報道は 冷静さを欠いているんじゃありませんかね。

あのみのもんた氏も「憲法九条は世界に誇るものじゃないですか」と言いながら
「経済制裁 思い切ってやってくださいよ安倍さん」といいます。
きちんと発言しているのは 爆笑問題の太田 光氏だけかもしれません。

小森陽一東大教授が 著書『心脳コントロール社会』(ちくま新書)の中で イギリス
の貴族出身のアーサー・ポンソビーの「戦争プロパガンダの10項目の法則」を紹介しています。面白いからここでも紹介します。
1 われわれは戦争をしたくない
2 しかし 敵側が一方的に戦争を望んだ
3 敵の指導者は悪魔のような人間だ
4 われわれは領土や覇権のためではなく
  偉大な使命のために戦う
5 われわれも誤って犠牲を出すことがある
  だが 敵はわざと残虐行為におよんでいる
6 敵は卑劣な兵器や戦略を用いている
7 われわれの受けた被害は小さく
  敵に与えた被害は甚大
8 芸術家や知識人も
  正義の戦いを支持している
10 この正義に疑問を投げかける者は
  裏切り者である・・・・と。

小森氏は「われ疑う 故にわれ有り」と自我観を持って生き抜いていく必要を指摘しています。
世界は「核」をめぐってあたらしい岐路にさしかかりましたね。
核に 許される核と 許されない核があるのでしょうかね。
ダブルスタンダードは もういい加減にしてほしいものですよね。

こんなことを書いているとき
菅 義偉という総務大臣が(13日)NHKの短波ラジオ国際放送で 拉致問題を重点的に取り上げるよう命令することを検討する考えを述べましたよ。
安倍首相は「問題ない」といったそうです。
大問題ですよ。
命令放送とは 放送法が国際放送について定めている制度ですが これまでは具体的な放送内容について言及したことはありません。
「国策協力の強要につながる」という批判が出ているといいます。当然です。
「命令放送」が拡大したらどうなると思います?
放送全体が「国策放送」を強要されることにもなりかねませんよ。

北朝鮮問題をめぐっては さらにいろんなことが起きてくるでしょうね。
メディアは 一刻も早く「冷静さ」を取り戻すべきですよ。

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1 コメント

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Unknown (marmalade)
2006-11-10 23:33:46
本当にそう思います。最近映画や特集の内容も迎合だか操作されているような気がします。
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