草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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小4期の指導でその子の将来は決まる!

2010年01月30日 11時05分32秒 | 
●「割合」を理解しないままに中学に進むことの意味
 「割合」が「わかった」というのは, 単に, 「100円の5%が何円か」が, 「わかる」程度のことを言うのではありません。私立の中学受験で出される程度の割合問題が, 「考えて解ける」というほどの意味です。「割合」と言っていますが, 割合に限らず, 比・縮尺・速さその他の諸々の問題は, すべて割合近似の問題です。こうしたエリアを理解しているというのは, 一定の思考力が前提となっているのです。だから, 「割合」を理解しているというのは, 竹の会では, 「独立した思考」がとれるという意味合いとなります。
 このような思考力もなしに, そのままに中学生になるということの意味がお分かりでしょうか。
 まず, 具体的には, 数学でとくに文字式や方程式の文章題で確実に挫折するでしょう。この挫折はその後の学習をほぼ不可能にするほどの挫折となります。以後は, ほとんど「わからない」という状況が推移するのです。
 ところで, それなら計算はできるのかといえば, たいていは簡単な計算をたどたどしく時間をかけてやり, 正解率50%以下という程度でしょう。
 竹の会の小学生は, 早い子なら, 小4でも, 超難関校の複雑な分数と小数の混合した四則演算を短時間でかつ正確に計算できます。これは, 入会時から, 鍛えられる計算力のためです。計算は筋金入りです。
 計算は, 思考訓練の前提です。ですから, 竹の会で「割合」がわかるというのは, 実はかなりの計算の達人であるということが, 前提になっています。
 こうした子たちが, 中学生になって, 計算であたふたする子たちを横目にスイスイとクリアしている姿が目に浮かびます。

 竹の会で, 「割合」をマスターしたというのは, かなりの思考のできる人ということです。
 さて, その思考という武器が, 実は, 英語でも大きな力を持つことになります。英語も理解の積み重ねです。もちろん単語などは「覚える」という苦しみのために怠ける人も出てくるでしょう。私は, 「忘れる」のが, 実は人間の生理的な本質であって, 「覚える」ということは, 人間には生理的に困難なことなのではないかと最近思っています。このところ「忘却」ということに関する文献を読んでいるのもそのためです。旺文社の創立者の赤尾好夫にはベスト・セラーとなった「豆単」というのがありました。コンパクトな英単語集のことです。私はこの豆単を使って, 英単語1万語近くを暗記しました。豆単にはしおりが挟まれていて, 確か「忘れるのを恐れるな! 忘れる以上に覚えればいいのだ!」みたいなことが, 墨筆書きされていました。
 「忘れる」というのは, 実に人間にはいいしかけだと思うのです。忘れるおかげで, 頭の中はすっきりとしているのですから。逆に, 忘れないとは恐ろしいことです。知識で頭の中がいっぱいというのは, つまりは空き容量がないというのは, 思考がはたらかないということなのではないかと思うのです。人間というのは, 知識というか情報が足りない分は, 「知」の力, つまりは推理や思考で「つなぐ」能力がある。そしてこちらの能力を「伸ばす」ほうが, 様々な未知の難局に対するのに, 絶対に有利だと思うのです。知識が満載され, 網羅されたテキストを手にしたときには, 実は, 要注意です。それはすべてがあるということで, まさにバラ色の未来を幻想させますが, 人間の頭はそのような知識のすべてを受け入れるだけの容量がないのです。だからこそ人間は入ってくる知識を選別しその重要度に従って, 「忘れる」という機能を使い, 脳の正常を保つのです。この脳の忘れる装置は, 肉親の死といった人間にとっては耐えがたい「悲しみ」さえも時間の経過という操作を経て「忘れる」いや一時的にも脳から「忘れ」させてしまうのです。
 人間は「忘れる」から, 「考える」のです。私は人間の生理的な本性から言うと, 「忘れる」という自動装置は, その裏返しとして, 人間には「推理のはたらき」が自然本性的に備わっていると思うのです。人間がノートをとるのも, つまりは記録するのも, それで「忘れる」ことができるからですよね。ノートにまとめて後で覚えるというのは, 当面は忘れていて, 後で覚えるときに, 効率よくしたいということでしょうかね。
 いずれにしても私たちは「忘れる」ということを前提に, それだけ推理すなわち思考を使う方法を学ぶべきだと思います。
 単語の暗記ということから, 脱線してしまいましたが, 思考ということをいろいろな角度から検証してみようというのが, 今の私の考えです。
 さて, 私はこの思考を開発する時期について, 今では小4くらいがもっともいいのではないかと思っています。
 子どもの能力との関連でその点を考えてみましょう。
 まず, かなりに知能の高い小4を想定すると, この小4期の指導で, 竹の会のいわゆる長時間指導を施したときの, その理解の過程は, 淀みない川の流れのようです。その算数すなわち思考の進化の過程は驚嘆すべきものがあります。小5になるとその能力の開花は驚き以外の何があるでしょう。公立小でトップクラスの小6を凌駕するのですから, 驚きです。これが3時間指導だとその進歩の度合がガタンと落ちるというのもウソのような実例です。
 次に, 公立小で能力的には普通並みの子ではどうでしょうか。実はほとんどの小学生が, これに属します。そしてこの子たちの能力は, 割合の理解がほとんど困難ということで一致しています。もしこういう子たちが子どもたちの標準だとすると, 小学校の授業で割合を理解するという子はほとんどいないことになるでしょう。ごく一部の能力の高い子のみが理解しているということになります。
 最近の竹の会の指導技術では, こうした子どもたちを約2年をかけて, 割合すなわち思考の人に変身させられるようになりました。期間は長短ありますが, それは子どもの能力に依存することです。こうして, 小5から指導しても同じ期間かかりますから, 小5だと小6の終わりまでかかる。それで小5の終わりくらいまでにマスターさせるには, 小4がいちばんいいということになるのです。そして小4でも小5でも理解にかかる時間はほとんど変わらないという結果が得られています。もちろん能力が並みの子の場合の話しです。

 小学生は思考を訓練しなければ, ほとんど割合を理解しないと思われます。もしそういう子がそのままに中学に進むとなるとその結果は予想に難くありません。公立中の質の低下はそういう小学生たちの存在が大きな比重を占めての結果であるに違いありません。そういう子たちが「わからない」ために勉強に無関心となり, 無為に中学を過ごすことでますます自分の未来への道を限られたものにしているというのが現実なのではないでしょうか。

 竹の会のように「割合」にこだわり, その割合概念を押し広げて, 算数一般に押し及ぼし, 思考・推理に磨きをかけることを指導するような塾は, これまたほとんど「ない」と思います。
 大手は, あげて超難関合格という目標設定のもとにそこからはじき出されたカリキュラムをびっしりと組み上げ, 子どもをそのカリキュラムというコンベアに流し込みます。そうするとこのコンベアにのって終点に辿りつくことのできるのは, ほんの一部の選良のみということになります。大半は落ちこぼれます。それでもよくしたもので, 次善の学校がしっかり用意されていますから, たいていは不満はありながらも, 超難関合格という大喧伝にかき消されてしまうのです。
 中手クラスの塾でも実態は全く同じです。竹の会は小さな個人塾ですが, 東京にはこのような個人塾というものがこれまたたくさんあります。それぞれに特色を謳っています。が, そのほとんどが, 塾専用の画一教材を使ったり, 大手準拠のようなことをしていると思われます。たとえば, 竹の会のように「割合」だけを1年間もかけて仕込むなどというようなところはないと思います。竹の会は「割合」を思考開発の手段として考えています。だから, 割合といいながら, 速さだってやる。速さも結局は時間あたりの量なのですから事の本質は同じです。慶應クラスのグラフ問題だってやる。これだって「割合」です。竹の会のいう割合概念はかなりに広いのです。竹の会が「割合を理解していますか」というときは, 単に「500円の15%は」なんてことを意味しない。ところが, 竹の会を訪れる子どもが割合を理解していないというとき, たいていはそういうベタな問いもあやふやなのですから, 親を含めて状況の危機認識が実に甘いというほかありません。
 
 少なくとも竹の会に通った子どもたちは, 割合をそのほとんどがマスターして中学へ上がることとなるでしょう。
 しかし, とはいっても, 入会時期によっても. その子の能力によっても, 理解の深浅はあります。小5の秋頃の入会ということで, 小6の終わりまでに, 思考完成とまではいかないというケースも出てきます。あるいは, 小4の終わる3月ころの入会でもやはり能力の深浅のため指導期間不足というケースもあります。どうしても思考不足のままに小6を終えるというケースも出てきます。竹の会に来れば100%マスターできるというわけではもちろんありません。しかし, それにしても小4の早期に指導を開始するにこしたことはありません。
 
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