草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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メタボ社会

2008年04月21日 00時45分19秒 | 
実は「過剰社会」というテーマで考えた.「過剰」を「メタボ」に変えた。過剰なのは多岐にわたる。年寄りだけかと思っていたら若い人も「クスリ」過剰だ。医者はやたらにクスリを出す。クスリを出せばもうかるからクスリを出す。その心理は無駄遣いが批判される官僚と変わらない。道路建設も過剰なら, 税金も過剰だ。厚生労働省はハコ物を過剰に作ってきたし, 公務員は自分たちの福利厚生だけは過剰に手厚い。国民年金は後期高齢者と枠を別にして過剰に差っ引く。本屋には本が溢れている。本は売れなくて出版不況らしい。新書はもうかるというのでやたら新書が過剰だ。とりあえず新書で出す。あたればもうかるから出す。情報は溢れ人々は情報に踊らされる。健康情報でもうかるとわかるともう情報操作過多だ。大手塾も知識過剰を率先する。なにもかもがメタボだ。必要もないのに道路を作る。一日に1台しか走らない北海道の原野に最高級の道路が走る。必要もないのに過剰につくる。必要もないのに過剰に食べる。大食いを面白がる。過剰ということは, 不必要ということなのに。過剰に豪華な公共施設「そんなの必要ない」。
 必要もないのに過大な予算を組んでうそぶく大阪府の市長村長たち。
 さて本題にはいります。私は指導の専門家だから, 子どもたちを情報の洪水から護る責任がある。無駄な知識・情報はカットする責任がある。そういうわけで情報は丹念にチェックする。最近は「よくできたムダな知識」というのが多い。何がムダかとういこともある。入試という枠をはめると枠からはみ出る知識はムダといえる。最近は「常識」という枠をよく使う。適正検査の研究を重ねてくるとそこにいきつく。既成の塾しか知らない人には竹の会は異様に映るらしい。「失敗という定型化されたDNA」を持つ人たちは権威主義的であり, お上には文句なしに遵う。そういうわけで大手に走る。とりあえずそれで安心してしまう。
 常識力をつけるということを考え始めて理科・社会の重要性を再認識している。新小問をやらせてみたが, どうも使いにくい。子どもたちが真に理解して進めているという実感がない。もともと公立中高一貫校受検の子どもたちには参考書として与えていた。レベル的には問題ない。問題なのは「なぜそれが問題なのか」という視点からみた掘り下げが手薄なことだ。それでも私立受験の子はまだましか。とにかく結局私のレジュメによる指導を考えている。
 子どもたちに常識を説くといった。いま念頭にあるのは, 「しくみ」を理解させるにはどうすればよいかだ。社会の「しくみ」, 制度の「しくみ」, 割合の「しくみ」。しくみを読み取らせてその上でその「しくみ」に即した判断をみる。今念頭にあるのはこれだ。ある事象から規則性を読み取らせる。あるいは「しくみ」を読み取らせる。「しくみ」から推理させる。そういった指導方法について研究を重ねている。
 たとえば, 割合のしくみ。去年の指導方法をストップしている。今私の脳裏にあるのは, 「分数のしくみ」だ。ここから切り口を見つけようといろいろ思念している。最近ようやくその思念にのっとったレジュメを執筆し始めた。「しくみ」「規則性」「推理」というのが今の私のキーワードだ。
 塾は子どもを想定したところへ導く責務がある。「心が定まらない」シンドロームというのが最近の子どもたちだ。いや実は親かもしれない。「不安定」「不安」が母親たちを走らせる。塾は定まらない子どもの心理をいつも注意深く観察して即応しなければならない。おとなしくテキストを読む子ども。でも理解していない。それは十分わかっている。それで次のことを考える。この子に「しくみ」のひとつひとつを「わかた」という状態にもっていくにはどうすれぱいいのか。天声人語もたぶん真の理解は無理。これはわからなくても音読する価値はある。今身の丈の知識は漢検テキストくらいか。理解できない子にはどんな基本的な知識もやはり過剰だ。過剰はその子を病気にする。だからここのところは気楽に考えてもらう。そのかわり絶対譲れないところは執拗にやらせる。理解とは語彙・常識としてのしくみの増加などに規定されるものだ。いろいろなしくみが少しずつでもわかるようになれば知能は深まる。
 今, 理科を説くのに自然現象の規則性(つまりしくみ)を, 社会を説くのに公民なら制度のしくみを, 歴史ならストーリーを, 地理なら日本の風土の常識をレジュメ化して説きたい。そういう気持ちで文献を読む日々だ。一日とて本を読まない日はない。何かをいつも求めている。
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