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草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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ベータ思考

2014年06月18日 08時31分44秒 | 
 先日、外山滋比古(とやましげひこ)という学者が、「本を読む」技術つということに関して、アルファ読みとベータ読みがあるということを述べていることに触れました。
 そこでは、アルファ読みとは、知っていることを前提として読むこと、ベータ読みとは、思考力を使った読み方をいうというようなことを述べたと思います。
 わたしは、読み方だけではなく、思考についても、このような分類ができると思います。
 アルファ思考とは、知っていることを前提に考える思考のことです。前に「教えたことしかできない」子というのがいるということを書いたことがあると思いますけど、これがこのアルファ思考の子にあたるのかなと思いました。実は、「教えたことしかできない」子というのはまだいいほうで、「教えたことも十分にできない」子というのがいまして、こういう子たちを指導する際の「訓練」とベータ思考をする子どもを指導するときの「訓練」とは自ずから違うということです。
 ベータ思考というのは、思考力を使った読み方をして、想像力をはたらかせ、わからないことがあっても自分の頭を使って「解釈」しながら読む、つまり思考です。
 この子どもたちが、いずれベータ思考をする子どもとして変身するかどうかは、いずれわかることです。入会試験で6問中4、5問以上正解して合格した子は変身する蓋然性が高いとは言えます。しかし、その中でも、逸材(仮にガンマ思考とでも言っておきましょう)はさらに少なくなります。ベータ思考のできる子というのは、学校の成績もいい、模試でも上位をとる、しかし、わたしが感じる「この子は受かる」という閃きというのを感じる子というのは、そういう子ではない。それが現実となったのは今年の結果でした。実は、わたしには閃きではなく、不安要素のほうが頭から離れなかったというのが正直な告白です。
 入会試験で6問中5問とって、かなり知能が高い子が、1年も経たないで退塾したケースがありますが、ベータ思考がとれていた子でも、突然白紙答案を出すようになる、真に小学生というのはわからないものです。
 竹の会の入会試験というのが、ベータ思考のできる子を選抜しようとしていることは明らかですが、入会試験に合格して、結局、アルファ思考から脱却できず退塾を余儀なくされた子たちも少なからずいました。
 正直に告白すれば、わたしは心の中で、「この子はいずれ伸びる」ということを確かな手応えをもって実感することがあります。わたしをして「この問題が解けたの」と驚嘆させる子というのは、必ず合格してきました。それが「光る」子です。
 難し問題は通常通りに「解けない」という普通の子はまず試験にはなかなか受からないと思います。
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