草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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原発という殺人産業、そして国家による不作為殺人のこと

2011年06月02日 10時56分11秒 | 
 今日は、私の意見よりも、とにかく情報をと考えました。今いちばん頼りになるのは、やはり「週刊現代」かもしれません。取材をしっかり現場でしているなという感じです。私は、ほかに「アエラ」と「週刊金曜日」から情報を探します。「アエラ」は、本体の新聞よりも骨があるように思えます。臨時復刊した「朝日ジャーナル」もさすがに反骨の雑誌だっただけあって内容は充実していました。筑紫哲也さんはこの雑誌の編集長だった人です。「週刊金曜日」もいい雑誌です。もちろん反骨雑誌です。広告収入が当てにできないので年間購読でなんとかしのいでいます。年間購読ものとしては、私はほかに「選択」を読んでいます。ほかに「登記研究」という専門誌も購読しています。たまに「Newton」なども読みます。記事がよければほかにいろいろの雑誌から情報を探します。
 まず、「週刊現代」の記事から。
 ・5月23日参議院行政監視委員会で参考人として出席した小出裕章・京大原子炉実験所助教の発言
  ;3月15日、東京ではヨウ素やセシウム、テルルといった放射性物質が、1㎤あたり数百ベクレル検出されていました。これは86年のチェルノブイリ原発の事故時、日本に降った量の数百倍、何千倍という濃度です。しかし、このデータを公表しようとしたところ、上司から「パニックを煽る」と言われました。
  「週刊現代の注釈」  この委員会のようすは、テレビ等では一切、放送されなかった。NHKも衆議院復興特別委員会を中継し、翌日の朝刊では一部の新聞が短い概要を取り上げた程度で、「脱原発」委員会は完全に無視された。
  草枕注釈 マスコミの偏向報道が、国民の世論形成、誘導に重要な役割を果たしているということの断面が見えます。もちろん規制の主体は、国です。福島第一原発事故は最初から最悪の事故だったのです。それなのにマスコミは政府の言うままに震災よりも小さい扱いでした。政府・東電・マスコミが一体となって、「過小評価」というイメージ操作をしてきたのです。「都合の悪いものは決して国民に見せない」、たとえそれで国民の多数が死ぬことになってもです。国民が「パニックを起こすから」というのは、パニックを起こさないためには黙って死んでもらうといっているに等しい。だから、私は、何も知らせない、何もしないという国家による殺人行為ではないかと言っています。
  今、菅内閣がとっている政策とは、「国民には、余計な情報は見せない、聞かせない」政策です。政府・官僚・東電・御用学者・御用マスコミは、この政策に忠実です。それは自分たちのこれまで為してきた原発推進のためのあらゆる所業が白日の下に晒される危険を回避することになるからです。
 東電の殺人的行為の例; 5月15日「1号機がメルトダウンしていた」と公式に認めた。それまでに何度も記者会見でその点が質問されていたが、のらりくらりとかわしていた。24日には、「2号機、3号機もメルトダウンしている」と公表。25日は「1,2号機では原子炉格納容器に7~10㎝の穴が空いている」と発表。
 注釈 神戸大名誉教授後藤政志は、東電がずっと「燃料棒の一部損傷」と言ってきたことを批判し、「最初から明らかだったのに、事故をできるだけ軽く見せたい」ために真実を明かさなかったとの
疑いを隠さない。もし、メルトダウンが起きていたとしたら、大規模な水蒸気爆発の危険性もあったわけで、これほど重大な事実を国民に知らせないで、後出しするなんて殺人産業でなくて何なのだ。東電も学者も「これはチェルノブイリとは違います」と言い続けて国民を騙し続けたのである。政府も「危険はない」と言い続けた。その舌の根も乾かないうちに、今度は、レベル4か5とか言って騙し続けるのが無理とわかると、これも後出しに、レベル7だと修正した。それを受けて御用学者やマスコミは、「チェルノブイリの10分の1であり、心配ない」とまたまた楽観的なウソをばらまいた。
 政府は、国民の被曝許容量についても、「年間1mSv」から「20mSv」に引き上げている。さらに野菜、水道水の基準値についても大幅に引き上げていることは、先日指摘したとおりです。週刊現代によると、「汚染の可能性がある魚の調査では、頭や内臓を抜き取って測定し」ているとのことです。放射能は魚などの内臓に蓄積されることはみなさんももうおわかりのことと思います。
 菅政府や東電は、すべてウソとごまかしで国民を騙すことしか考えていません。それもあまりにもあからさまで開いた口がふさがりません。平気で国民を見殺しにすることが許せません。ただ、自民党の谷垣が「菅さんではだめだ」というのは、例の国民を欺く方便であり、本当のところは腹黒いよからぬことをたくらんでいるのは間違いないでしょう。
 今、東大工学系大学院教授の大橋弘忠が平成17年に佐賀県のプルサーマル公開討論会で話した言葉がネットに流れています。あの「プルトニウムは水と一緒に飲んでも死なない」といったアホ教授です。この男はこのときに「格納容器が壊れるのは1億年に1回あるかないかだ」といっておおぼらを吹いています。そして、今はそのときの言説についてマスコミから意見を求められて、逃げ回っているという記事を読みました。この動画を見てみると、小出裕章氏の意見を嘲笑するようすが映っています。原発推進者たちの傲慢な「絶対安全」教の信者の姿です。まるであのオウム真理教の信者のようでした。
 ともかく、私たちはもう国の言うことをいちいち信じてはいけないということだけは知っています。原子炉が3つもメルトダウンし、しかも、容器に穴が空いているとなると、その汚染レベルはチェルノブイリどころではないと推測できます。ただ幸いなのは、チェルノブイリのように格納容器が瞬時の水蒸気爆発で飛び散ったのではなかったことです。チェルノブイリのときは、原発から半径300㌔の地域で事故5年後から子どもの甲状腺障害が急増しています。枝野は、「甲状腺の被害は、まったく出ていない。子どもに関しては少しくらい被害が出ると思っていたけど、全然出ていないんだ。いずれ政府の判断が正しかったかどうか、結果が出ると思う」と言っています。無知なのかウソつきなのかわかりませんが、放射能の被曝被害は何年か経って出るのが常識なのに、この男の頭には、放射能を浴びた途端に出る被害しか被害の範疇がないように感じられるのですが。しかも、「少しくらい被害が出ると思っていた」とは何事ですか。真実を隠して子どもたちを避難もさせないで、少しは被害がでてもしかたないというのです。ふざけた男です。枝野はあの斑目春樹のことを「斑目さんはいい人。発言はぶれるがウソは言っていない。あの人が委員長でよかった」と語ったとされる。斑目なにがしが、仮にいい人としても、「絶対安全」を標榜して、日本中に原発を林立させてきた自民党に手を貸してきた張本人であること、そして福島の事故が起きてもじつに無責任極まりない輩であることを考えると、あの東電の経営者たちと同じく、江戸時代なら断罪は免れないところだ。
  小出裕章氏は、参考人発言の最後に、ガンジーの「社会的な罪」について述べたそうです。
  「理念なき政治」、「人格なき学識」、「道徳なき商業」、「人間性なき科学」です。
  けだし、権力に弱い・我欲に溺れる人間たちの真実を言い当てた名言である。

 
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