草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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中途半端に終わるな!

2014年10月24日 10時19分17秒 | 
 おはようございます。今日は青空が広がるとまではいかないまでも午後からは晴れるようです。気温はかなり低下してまいりました。わたしも自らの体調を計り用心いたしております。
 今日は、中3や小6のみなさんに、受験・受検で成功するためにふだんのスタンスがどうあるべきかということについて少しお話してみたいと思います。
 受検・受験直前時期の心のありようはすでにして合否を写す鏡である。よくおしゃべりする子は大概落ちることになっています。物静かに考える、内省的な振る舞いにこそ心に秘めたる思いを感じ取るものです。
 24年に受検した子たち、つまり23年に指導した子たち、原発事故のあった年です、あの子たちは落ち着きのない年で気の毒なことをしましたが、あの年の子たちには、内省的な子というのはほとんどいなかったのではないかと思います。受検直前まで周りと好き勝手におしゃべりをしていました。わたしが一番ショックだったのは、例えば算数のレジュメを考えている途中でも平気で中止して一斉に弁当を食べ始めるということでした。あの子たちはわたしが出した課題についてもおしゃべりに夢中でほとんど聞き取ってもいなかった。24年の受検はわたしには喧噪の嵐の吹きすさぶ、決して満足のいく指導のできることのなかった年でした。受験・受検直前期の心のスタンスというのは、内省的な態度、振る舞いにこそあるのではないか。
 能力のある子にときとして見られる勉強というものに対する侮りというものが、決して将来的にいい結果につながらないと言うことも指摘しておかねばならないでしょう。勉強というものをなめてはいけない。常に謙虚に自分のできないことを恥じてひたすら努力する姿勢こそ大切である。勉強の世界はあまりにも巨大である。その巨大さがわかるほどに賢くあってほしい。自分の理解することなどそのほんの少しにすぎない。
 合格する子というのは、ふだんの指導レジュメでほとんど「合格はんこ」をとりながら進めていくということも事実です。あまりにもの時間をかけすぎて結局できないというのはたとえ能力的にはすぐれているとみられるところがあっても、それは不合格の徴表であることはまちがいありません。
 いつも「できません」と持ってくる子というのはやはり受からない。わたしを驚かせるほどに「解ける」子が合格する力を秘めていると思います。
 ふだんのレジュメでほとんど合格はんこをとることがないというのは、わたしの中にそれだけ失望が積み重ねってゆくということです。
 できる子によく見られるのが、自分に不正直ということです。ほんとうはできていないのに何かで答えを知って書いて持ってくるということがよくあります。それで「式を書いてきなさい」というと書けない。あるいは書いてきても帳尻合わせのでたらめな式を書いてくるということがよくあります。
 こういう子はよくいます。そういうことが決してできたことにはならないのだということがわからない分だけ幼いのです。幼いままに不正直が市民権を得ると実力ではなく虚力ばかりがついてしまうことになる。あんなにできていたのにどうして落ちたのか、ということがあるのはこのためです。
 ほんとうにできたのかどうか、それは自分に厳しく問いかけることです。正直はここのところを言っているのです。
 さて、ふだんの勉強の態度です。
 勉強をなめている子は必ず失敗します。根拠もなく侮る子がいますが、利口ではないということです。
 わたしが「この子は受かるな」と直感するのは、内省的なひたむきさを見たときです。勉強を懼れている、しかし、ひたむきに努力している、そういう姿勢です。
 レジュメを解き始めて途中でも平気で中断できるという子はやはり受からないと思います。伸びることというのは、「わからない」ままのことが気になってしょうがないものです。ある問題がなかなか解けなくて、ああでもないこうでもないと考え続ける、気がついたら明け方になっていた、そういうタイプの子が伸びていくということです。課題をもらったら終わらせてしまわないと気が収まらないという子です。やらなくても平気という子はいくらでもためこんで平気なわけです。
 ひとつひとつやりあげていく。終わらせる。これが大切です。その積み重ねが大切です。中途半端なままに積み残していくスタンスをとり続けている限りは落ちていく先は見えています。
 途中で放り出してしまうという精神のありようが自壊へと導くのです。
 「やりあげる」「終わらせる」、その事実の積み重ねが自然と心のスタンスをつくりあげていくものです。
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