草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
※2015年10月より竹の会公式HP内にブログ移転

塾という詐術

2011年10月29日 20時54分05秒 | 
 どこそこの塾に子どもを1年も2年も通わせて結局「成果なし」という経験を夥しい数の親御さんが実際経験されていると思うのです。大手塾などはとにかくもともと知能の高い子も低い子も集まる。それで1年も経てば「できる」子と「できない」子というのが、もともとの知能にほぼ対応する形で二分される。だが、実は大手のシステムでは、本当は知能が高いのにあまりにも進度が速くついていけない子たちまでもが振り落とされる。「ついていけない」子の中に実は知能の高い子がいるということである。
 大手というのを多くの親たちは勘違いしている。大手でトップ私立中に合格しているのは、もともと知能の高いスーパー少年だということである。そういう子たちは大手の授業にも余裕でついていける。そして予定どおりに合格し、大手塾の名を高めるのである。大手間の争いの実態は、どれだけ優秀な子どもを集められるかということである。決してその塾に通ったら、もともと知能のない子でも合格できるということではない。自分の子が普通の知能ならいくら大手の神通力を頼んでも知能に見合ったところにしか合格できない。これは当たり前のことである。大手というのは、世の親たちが都合良く誤解してくれてるから繁盛するのである。どの親も自分の子だけは能力がある、いや今はできないように見えても実は潜在的能力は高いなどとほぼ確信しているものです。そういう親たちこそ大手にはお客様です。成績がどんなに悪くても、下がってもあの手この手で言葉を尽くして離さない。これはもう詐術です。
 大手で講師のアルバイトをしている学生が、自分のはたらいている塾のことを詐欺だと言っているのを私は何度か聞いたことがある。とにかく話を聞いてみるといい加減に過ぎる塾が多いのは確かなようである。これでは高い金を払って通わせている親御さんはたまったものではない。が、その親御さん自身が「選んだ」塾ではあるのだから、ことは複雑である。
 私は他所の塾がどのようなことをやっているのか昔から全く関心はなかったので、何も言うべきことはない。ただ、竹の会を訪れる親御さんの中には、もうそれなりに大手を経験済みの方もたくさんいた。そういう塾を経験されている親御さんほどいったん竹の会の指導を経験するともう竹の会を「すばらしい」塾と言って賞賛してくださるのが定型的なほどに共通しているのです。逆に、竹の会が初めてで塾の経験のない方は、子どもさんの成績がなかなか親御さんの思っている水準(これが人並み以上に高い)に達しないのは、竹の会のせいだということで、止めていかれる。自分の子どもがどの程度の能力か知能かは関係なく、知能の高い子と同様にスーパーな成績でなければ、結局竹の会はダメな塾という烙印を押されるわけです。その子の知能の程度にしてはよくがんばっているとは決して思わないわけです。
 一度竹の会に見学にきた親子が、結局大手に行き、さらに何回か塾を変えて、最後にまた竹の会へやってくるというケースもかなりありました。これなどはやはり塾というものが実際に失敗しながら何か所も体験しなければわからない親が多いということを示しています。
 私のところには、よくもう散々塾で成績を落としたという子が来ることも多いのです。その際に、それまでにいた塾でどういう勉強をしてきたのかということをよく訊くのですが、話を聞いているともうとにかくひどい。これは詐欺ではないかと憤然とする。
 いや過去竹の会には大手の河合塾やサピックスなどを絶対的に信頼している親子がいまして、ついて行けないのでという理由で竹の会に大手の補習を頼んでくる親子もそれなりにいました。河合塾などで使われているテキストは難関校の入試問題がびっしりと編集されていてそれなりに分厚い。こういうものを解ける生徒は放っておいてもどこでも受かるでしょう。だがほとんどの知能は優秀ではあるがスーパーではない子たちは積み残しの問題を大量に残したままにそのカリキュラムを終わったことにされるのだと思います。まして知能普通の子たちには歯が立つまいと思うのです。そして都立トップ校というのは、この普通の子たちがほとんどだと思うのです。慶應や早稲田をねらう知能優秀者たちのための大手にいく理由はないと思うのですが。それにしてもあのサピックスに中1のとき首都圏3番をとった子でさえも中3の秋には落ちこぼれてしまいましたから、大手恐るべしです。いやあのときTさんというのですが、彼女は11月にはサピックスを止めて竹の会で私がかかりきりで指導しましたが、サピックスから渡されたという大量の難関校の過去問のコピーと解説コピーをどうしていいのかわからないと悩んでいました。あの大手にして難関校の過去問も解説もされずに市販の解説コピーを渡して「丸投げ」をするのだということを私は初めて知りました。私は「そんな滅茶苦茶な」と思いました。正直私は声の教育社の過去問は利用することもありますが、解説は読まないし、使わない。いいものもあるが、とんでもない解説もある。それよりも自分で解いて自分の納得のゆく解説を少なくとも批判能力のない子どもたちには提供する義務があるとずっと思ってきましたから。それで最近は解説のない解答だけの過去問集を使っています。最近も神奈川県の受験生から現在通っているという大手塾から渡されたという問題集のコピーをどっさりと手渡されて、見たら首都圏だと新中学問題集みたいなもののコピーでしたが、「難関校を受験したい」と言ったら手渡されたそうです。これって「丸投げ」ですよね。
 大手塾の中には、学生に前日にテキストを渡して解答を読ませておいて、翌日授業をさせるということが普通に行われているようです。算数を解いたこともない文系の学生に臨時に講師をさせるということもするようです。もちろん知能スーパーな子たちにはこれは通用しませんから、そちらは優秀な講師陣をそろえているのだと思いますが。
 私は、塾をやっている以上、知能の壁の問題からは逃れられないと思っています。大手ならスーパ知能の持ち主以外はだめなのではないでしょうか。教えてもらうというより、もう教える前からわかってしまう子たちなのです。先ほども言いましたが、知能は相当高いにもかかわらず、大手にはついていけないという子もいます。そして知能は普通並みでもちろんついていけるはずもないというグルーブもいます。そして知能が低いためにその他大勢、大手では、お客様と言われる一群も大量にいるわけです。
 竹の会は大手ではありませんから、まずスーパー知能の持ち主というのはほとんどきません。知能はスーパーに高いのに大手になじめないという子はたまに来ます。知能優秀でも大手についていくのは難しいという子も竹の会の守備範囲です。そして竹の会でもっとも多いのは、知能が普通の子たちだと思います。だから、私はそういう子のための指導研究を長年やってきたわけです。しかし、その私にも知能の壁のゆえに指導が難しいという場合はもちろんあります。いや知能だけではない。子どもの特殊な性格のゆえに指導困難という事例も多々あります。自堕落な性格とか、利己的な性格とか、攻撃的な性格とか、あるいは異常に強い自尊心が指導の邪魔をするというケースも意外と多いものです。竹の会は指導できない場合は、このブログなどでそれとなく示唆することで親御さんに伝えることもあります。最近は、そういう形の退塾というのが多いかもしれません。退塾する側は自由なのですが、塾の方から退塾というのは過去相当に禍根を残した例も多々あり避けたいところです。
 私はよく良心ということを言いますが、それは世の中に蔓延る塾という詐術だけは決してあってはならないという気持ちからです。
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