草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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諸事雑感'11.7.26

2011年07月26日 09時45分38秒 | 
 お早うございます。明日からまた夏期第2クールが始まります。今夏は、基本4日指導2日休みのリズムで予定を組みました。これまでの5日指導2日休みのリズムを変更したのは、私の体力では5連続は限界を超えていると判断したこと、及びその方が子どもたちの集中力と体力の維持にも資することと考えたからでした。第1クールを終わってみて小6の算数の状況が非常によろしくないと判断しております。算数を独立走行で解き進めていると判断できる小6は、3名足らずです。特に、女子は、体力的にも精神的にも弱い傾向があり、夏を終えてプレッシャーの強まる9月以降を乗り切れるのか、不安要素を抱えているとみています。
 2日の休みは、私には思考整理のために必須の時間です。4日間の指導で生起した様々な問題点を持ち帰り、整理するのに2日は必要です。昨日は、算数のほとんどの問題に思考停止する子たちの対策を考えて一日が過ぎました。結局割合というものが、本質的理解に至っていない、原理がイメージできていない、ということなのだと思います。食塩水の問題には、滅法強いのですが、他の様々な割合がらみの問題には、為す術もない状態です。正直これには私も少しばかりショックを受けています。見ていると算数を楽しそうには解いていない。伸びる子というのは、実に楽しそうに解いているものです。難問やわからない問題に出くわすと稚拙ながらもいろいろ工夫する。それでもだめということはよくあることですが、そういうときは私も丁寧に説明をしてやることにしています。ところが、思考停止している子の取り組んでいる問題は、決して難問ではない。いやむしろ簡単な問題である。あるいは基本問題である。あるいは基本に少しだけひねりが入っている程度の問題である。正直こういう類いの問題を説明してやるというのは、私には不本意な事態です。それで、考えを逆にすることにしました。基本のイメージができていないのなら、できない問題を説明することによって、なんとか基本の、本質の理解イメージの再構築ができないかと。実は、できないといってもかなりのハバがあります。基本そのものの理解が、明確に不十分な子から、もう少しで「ある」域に達するのではないかという子まで、とても一様な状態ではありません。そういう子たちをできる限り私の席の近くに置き、手をかけなければと考えています。
 私の中には、合格のイメージが、すでに完成されたものとしてあるわけです。それに照らすとどうもよくないということです。算数を楽しそうに解いていない。わかってきた子は、算数を解くのが楽しいのです。そしてその乗りで過去問を解くからいい循環になる。
 算数は、思考の証しです。私にはもっとも信頼に足る能力判定装置です。私はこれで合否を判断してきました。そして過去に合格した子たちは例外なく算数のできた子たちでした。期待されていたのに不合格になったとか、それはもう夢中で頑張ったのにダメだったという子は、結局突き詰めれば、算数がダメだったということに尽きると思います。
 私をして「君はこの問題を解いたのか」と驚嘆させられるほどの子が合格するということです。それが算数の「小目録」であり、「中目録」であり、「大目録皆伝」であるということです。「これだけの思考力があるならば」もはやどんな問題にも騙されずに、出題者のしかけた騙しを見抜き、切り抜けてこれるなと私をして思わせる域です。それは幼い精神が、様々な知的な刺激を経験して大きくタフな精神力、判断力を獲得していく過程です。あの魔の1月に負けない強靱な精神を作り上げてきた子たちのみが、2月9日に掲示板に自分の番号を見つけることができるのです。
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