ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

東洋太平洋ヘビー級TM オケロ・ピーターvs高橋良輔

2005年03月23日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
この日の夜、東京・後楽園ホールで「歴史」に名を刻んだ
男がいる。高橋良輔。日本人として初めて、東洋太平洋の
ヘビー級王座に挑戦したのだ。

ボクシングの世界では、日本国内の重量級の層は非常に薄い。
アクティブに活動しているヘビー級選手なんて、恐らく10人にも
満たないだろう。そんな中、高橋は一昨年にフィジーの東洋ランカーを
判定で下し、東洋太平洋ヘビー級ランクを手に入れた。そして今回、
ついにタイトル挑戦となったわけだ。

高橋を迎え撃つチャンピオンは、名古屋の緑ジムに所属する
ウガンダ人、オケロ・ピーター。ここまで7度の防衛戦を
全てKOで終わらせている、東洋レベルでは無敵の王者だ。

結果は・・・惨敗と言っていいだろう。わずか3ラウンドでKO負け。
体格も、ボクサーとしての完成度もまるで違っていた。

しかし試合後に高橋本人も語ったように、初めから何もかもそううまく
行くものではない。はっきり言って、少しボクシングに詳しい人なら、
この結果は予想できたことだ。大事なのは、一つの「壁」を破ったこと。
ある意味で挑戦すること自体に意義があったと言える。

散々高橋の肩を持つようなことを書いてきたが、どちらかと言えば僕は
ピーターの方に思い入れがある。何と言っても、地元名古屋のジムに所属する
選手だからだ。東洋タイトルを獲った試合もテレビで見たし、防衛戦を生で
観戦したこともある。強いだけでなく、とても愛嬌のあるいいキャラクターを
している。ビッグマネーが絡む世界のヘビー級戦線に参入することは非常に
難しいのが現実だが、ピーターの今後にも期待したいと思う。