1120話)南天門自然植物園の変遷(8)

プロジェクトをはじめるにあたって、近くの村と協定し、伐採をしない、放牧をしないことを約束してもらいました。でも、約束だけで問題が解決するとは思っていませんでした。物理的に守る必要があると思ったのです。

有刺鉄線を張ろうと私がいったら、そんなものはすぐに盗まれる、というのです。彼らの考えは土塀で囲うというもの。60~70cmのあいだをあけて板を2枚おき、そのあいだに黄土を詰め、上から突き固める。版築ですね。でも、周囲は4kmもあり、それも平地ではなく、400mの高低差のある急斜面ですから、容易なことじゃない。

それを気軽に口にし、実際にやりかねないようすに、さすがは万里の長城をつくった人たちの子孫だと思いました。けっきょくは、敷地の周囲に沿ってヤナギハグミ(沙棘=写真)、野生のナツメ、ニセアカシヤなど、トゲのある植物を植えることにしたのです。

それから管理棟を建て、スタッフが常駐するようにしました。最初は泊り込んでいたんですけど、一定期間それをつづけるとそれなりのルールができてきて、泊まり込みまではしなくてすむようになりました
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