1121話)南天門自然植物園の変遷(9)

植物園のさしあたっての目標は、碣寺山でみた自然林を、公道の近くに再現することです。そのために、ナラなどの種子を集めてもらいました。最初の年はとくに苦労します。いつ熟するか、それがわからない。未熟なものでは発芽能力に欠けるでしょうし、落ちて時間がたつと動物に食べられる恐れがあります。それに、いったん乾燥させると、発芽しなくなる種もあるのです。

碣寺山の山頂までは、私たちの足では片道4時間もかかるんですけど、李向東さんたちは何度も通って、200kgものドングリを集めてくれました。蒔くのは翌春ですが、それまでどうやって貯蔵するか。

乾燥させないように、二重のポリ袋に入れ、南郊区平旺村の環境林センターに運びました。あそこには地下室があるので、そこに置くことにしたのです。

12月にいって、念のために袋をあけてみると、プ~ンといい香りがしました。アルコール発酵です。その年の秋はいつまでも気温が下がらなかったんですね。それでも、けっこう発芽するものがあって、苗づくりがスタートしました。
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