1119話)南天門自然植物園の変遷(7)

起工式のあと、さっそく苗を植えました。ところが、ごらんのような荒れ山です。ここに「植物園」と名付けるのは、いくらなんでも恥ずかしくて、私はあいだに「自然」の2文字をすべりこませました。気休め以上ではないんですけど。地元スタッフの要望もあって、やがて南天門自然植物園の名を定着させました。

動物園だったら、パンダのような珍しい動物をつれてくれば、すぐに人を呼べるけど、植物園はそうはいかない、多くの木や草は種子から育てなければならないのだ、と立花先生はよく話していました。このとき植えた苗もアブラマツ(油松)だけでした。すぐに手にはいる苗はそれしかなかったのです。

1999年7月のある日、私は首相官邸に呼び集められました。小渕恵三首相の中国訪問にあわせて、中国の植林を応援する日中民間緑化協力委員会基金(通称・小渕基金)の発足にあたって、それまで中国の緑化にかかわっていた人たちが意見を求められたのです。

別れぎわ、小渕首相は私に「テレビをみました。たいへんなご活躍で」といわれました。前回に触れたNHKの番組のことでしょうけど、75分もの番組を忙しい総理がみているはずはないと私はそのとき思ったのです。あとできいたところでは、小渕首相はビデオマニアで、たくさんの番組をビデオにとって、夜中にみていたのだそうです。
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