1184話)南天門自然植物園の現在

山西省大同市での緑化協力事業は1992年1月にスタートしました。1994年から2010年まで、ずっと現地で教えをうけてきた遠田宏先生を仙台に訪ねて、最近の写真をみていただいたら、その変化に驚いておられました。「育つのは当然のことだけど、これほどまでになるとは思っていなかった」とのことです。大同の事業をしばらく振り返ってみることにします。

霊丘県の南天門自然植物園は1999年4月にスタートしました。その2017年8月の姿をみていただきましょう。この写真は北向きの日陰斜面(陰坡)のもので、乾燥地では陰坡のほうが植物の生育する条件は良好なのです。

それに比して南向きの日向斜面(陽坡)は乾燥がひどくて、植物が育ちにくいのです。植物が少ないと、雨による侵食を受けて土壌が失われ、おうおうにして岩盤がむきだしになってしまいます。そうなるとますます植物は育たなくなる。悪循環です。

この北斜面に多いのは、ナラ、シナノキ、カバノキなどの落葉広葉樹で、それに針葉樹のアブラマツ(油松)がまじっています。油松は1本だけ、樹齢70年ほどのものがありますが、残りは1960年代に飛行機で種を蒔いたもの、そして1999年以降に私たちが植えてきたものです。
遠目にはりっぱな森林のようにみえますが、ナラなどは最大のものでも樹高13m、胸高直径30cm弱の若いものです。
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