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098)菌根菌

 NO.98 菌根菌
 キンコンキンときいても、おわかりではないでしょう。植物の根と共生する微生物のことで、キノコやカビのなかまです。根の細胞や細胞のすきまに菌糸を入れ、他方で土のなかに広く菌糸を張ります。それによって根と土との結合が強まり、植物が水やミネラルを吸収しやすくなります。
 日本の専門家の指導で、マツの育苗実験をしました。苗床の土に少量の松林の表土をいれます。なかにキノコ(大同ではアミタケ)の胞子が含まれています。木炭のクズをいれるのは、触媒のような働きで効果を高めるため。方法はきわめて簡単です。
 4か月後の9月末、効果に驚きました。処理した苗は一般のものに比べ、乾燥重量で2倍に育っています。とくに根の育ちがよく、その後さらに伸びる新しい白い根がついています。
 翌春から大同県国営苗圃の一角を借りて実用化に乗り出し、2百万本の育苗をはじめました。この身軽さがNGOの持ち味です。
 苗の買いつけにきた人に、従来の苗をみせると、「いい苗だ。1本0・2元で買おう」。つづいて菌根菌の苗に案内すると、「1・5倍でもこちらの苗がほしい」ということに。お金の力は偉大で、この育苗技術はしっかり定着することとなりました。
 菌根菌の苗を使うことで活着率も初期生育もずっと改善されました。大干ばつでも私たちのプロジェクトが元気なのは、このような技術の裏打ちのおかげ。
  (2006年3月5日号)
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自然はすごい (カニナ)
2006-03-12 19:18:42
共生なのでしょうか、お互いの生物が良い状態で成長するのは。先日行った金華山(岐阜市)でツクバネとスギの関係を聞いて思いました。

それともさびしがりや?一人では生きられないのでしょうか?

どちらにしても不思議なことがいっぱいの自然に目覚めました。自然観察員になって、この驚きを皆さんにお伝えしたいです。今年の目標です。
 
 
 
厳しい環境のなかでこそ (高見邦雄)
2006-03-25 18:42:38
コメントありがとうございます。

日本のように豊かな環境では、このような共生の意味をあまり感じないのですが、黄土高原のように極限的な環境のもとでは、このような関係があるかないかが、ときには死活を分けます。これまでは枯れていた苗が菌根菌のおかげで生きるようになるのですから、とても重要な意味をもちます。
 
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