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062)足もとの歴史

 中国ですから歴史の長いのはあたりまえ。雲崗石窟をはじめ大同に文化財が多いのもあたりまえ。そう思っていました。
 そしたら、私たちの協力拠点の環境林センター。南西のすみっこ、ポプラの苗畑のあたりで、たくさんの土器が出るんですよ。掘るまでもなく、地表に転がっていて、それこそ入れ食い状態。1時間もかければクーラーいっぱい、じゃなかった、段ボール箱いっぱいになります。
 多いのは瓦のかけらで、表面に布目がついています。古い時代は麻布をあてて成型し、それから焼いたそう。大小さまざまな壺や瓶の破片もでます。丸い薄板に直径1センチたらずの穴がたくさんあるのは蒸し器の中底。穴を抜けて蒸気が上にあがります。
 さすが考古学専攻の谷口義介さん。小さな破片でもその微妙なカーブの特徴から、即座にもとの姿を推測し説明してくれます。その分野の専門家によると、前漢中期の特徴を備えているそうで、本当なら2千年以上前のもの。瓦がたくさんでるのは、大きな役所の跡ということでしょう。瓦屋根を支えるには、太い柱と礎石があったはずで、発掘すればすぐわかるとのこと。
 こんなのが少しでもでたら、日本ならすぐに発掘調査で、苗畑なんてやってられないでしょうね。中国で同じようにしたら現代の人間が生きる場所がなくなります。足もとの歴史の長さに、ほんとに驚かされます。
  (2004年12月15日号)
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