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275話)大泉山村

 大寨に学ぶ運動が展開されていたころ、山西省にはもうひとつのモデル農村がありました。それが大同市陽高県の大泉山村。この村の緑化のレポートを毛沢東が読んで、こういうすばらしい経験を各地で掘り起こして、水土流失の解決をはかろう、と呼びかけたんですね。大寨も水土流失が課題でしたが、あそこは段々畑に改良することで、問題解決を考えました。大泉山村は緑化・植林によって解決しようとしたのです。

 この村の人だけでなく、都会の労働者や学生が住み着いて、植林に励んだそうです。そして村の周囲にかなりの面積の松林が残されました。

 何年かまえ、郷政府から、年若い当支部書記が派遣されてきて、村おこしに努力しました。まずは観光です。村の周囲の松林は、この地方ではほかでみられないものです。そして毛沢東の故事。谷底の湧き水をつかって、ミネラルウオーターをつくる小さな施設までできました。

 ところが、この春にいってみると、事情は大きく変わっていました。村の移転が決まったのだそうです。生態移民ですね。そのまえから、若い人は村を離れ、小学校も盆地の村の学校に吸収され、なくなりました。残ったのは、大部分が老人です。しかたがないのかもしれませんが、私としてはザンネンです。「私は移りませんよ」といった人もいたんですけど、どこまでがんばれるのでしょう。
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