498話)オキナグサ

 4月27日も寒かったのです。西北のほうが暗くなったと思うと、強い風が吹き、雪がやってきます。ブルブル! しばらくすると、こんどは太陽がみえ、晴れてきます。でも、気温はそんなに上がりません。その繰り返しが一日に何回あったか知れません。

 4月26日、満開に近かったあの野生のモモ(山桃)は、26日、27日の雪と寒さですっかり痛めつけられ、惨めな状態になっていました。

 オキナグサ(白頭翁)はこの地方でまっ先に咲く花の1つで、例年なら4月の初めから開花し、4月後半にはたくさん咲いています。なかには1株で10もの花を咲かせるものもあります。今西錦司編『大興安嶺探検』に、地面が紫色にみえるという表現があり、その正体がオキナグサだと書かれています。日本のものより、ずっと大きく、色も鮮やかです。

 ことしはまだ、日向の窪地に少数がみられるだけです。花も小さく、花茎も短く、色もまだ浅い。私は最初、ことしは咲かないのじゃないかと思ったくらいですが、暖かくなるのを土のなかで待っているようです。
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