はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

修羅場な俺と乙女禁漁区2

2012-04-04 03:23:18 | 小説
修羅場な俺と乙女禁猟区2 (ファミ通文庫)
クリエーター情報なし
エンターブレイン


「修羅場な俺と乙女禁漁区2」田代裕彦

 遠々原家のクソ義父からの無茶ぶりで、「この中に、本当にあなたのことを愛してくれている女性が1人だけいます。他の女性は殺したいほどあなたを憎んでいるうえに、もしあなたが間違ってそれらの女性を選んでしまった場合には、我々一族もろともの生殺与奪の権利をあげちゃいます。さあ、自分の婚約者となるべき女性を選びなさい」というハーレム型デスゲームに強制参加させられた主人公・節は、持ち前の疑り深さと人の悪さでもって、見事第一の偽者を見破った。
しかしその慎重さがたたってか、なかなか他の偽者が炙り出せない。業を煮やしたクソ義父によって、一ヶ月以内に決めろという制限時間を決められた節は、時々折しも夏真っ盛りの林間学校で、海水浴場で、温泉場で、温泉宿で、ぽろり上等の婚約者探しに乗り出すのだが…。

 うん面白い。一番好きだった天海崎さんが脱落と思いきや、まさかの「本当に好きになっちゃった」コールで戦線に踏みとどまってる出だしが最高だった。話の性質上、どうしても先に犯人が割れてしまうという弱点を逆手にとった手法が見事。この路線なら、いくらでも敗者復活できるもんね。
 どうせ表紙見た瞬間にばれるのでいってしまうと、今回の犯人は奥有楽乙音なのだが、彼女の出自や動機や「本物でないことの理由づけ」にはかなり意表をつかれた。良くも悪くも強引だった一巻と比べて格段に練られたネタだったし、和風引っ込み思案キャラという、個人的に全然ひかれないキャラ筆頭であるところの彼女に知恵としたたかさを与えるいじりかたも良かった。
 まあ、それでも天海崎さんにはかなわないと思うのだけど、今後に期待がもてた。普通に睦月を選ぶという選択肢だけはやめてほしいかな。

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