双子と幼なじみの四人殺し (GA文庫) | |
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「双子と幼なじみの四人殺し」森田陽一
第三回GA文庫奨励賞の問題作。
や、本当に問題作でした。完全に地雷でした。
高校生の菱川迷悟は、幼なじみの双子の少女・新山一縷と朽縷と同居していた。ある事件がもとで両親を一気に亡くした者同士で遺産を共同管理して。
一縷は迷悟を愛している。朽縷も迷悟を愛している。迷悟も2人を愛している。双子は程度の差こそあるが似たようにエキセントリックな性格で、すぐ暴力を奮う。奮い様が半端じゃない。金属バットで人の頭を殴るのも朝飯前。迷悟も性格に問題ありで、自分の中の正義感に反する者を徹底的に人格を破壊するまで糾弾する。相手が誰だろうと関係ない。女でも容赦ない。
頭のネジの外れた彼らが、ある生徒の死に端を発する事件前に巻き込まれた結果、紙面にはいたたまれない惨劇が広がった……。
登場人物の誰ひとりとしてまともな倫理観を持ってない。それが怖かった。敵意と悪意と破壊衝動の海に、時折混じる迷悟たちのラブコメ的茶番も、食い合わせが悪くて何も誤魔化せていなかった。
オチも後味悪いし、つーか語られるべきところが抜けてるし、続きを想定してるにしても最悪の部類だと思う。非常に気持ちの悪い一冊。おすすめできません。
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