はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

レトロゲーマスター渋沢(2)

2012-05-07 20:42:23 | 小説
「レトロゲーマスター渋沢(2)」周防ツカサ
 
 不良の渋沢君と、彼の素行を改めさせようと同じ土俵に上がった結果、ミイラ取りがミイラになった委員長。2人は今日も今日とて隠れ家でレトロゲー三昧。どM系少女秋葉や、クールなお嬢様の西園寺の参加により、彼らの関係は次第に複雑さを増していく。委員長の無自覚なエロ声やエロポーズを収集したりするだけで十分満足していた渋沢君が、それだけでは満足いかないのと同様、委員長のほうからも、渋沢君との関係性の定義づけに関して疑問を抱く、内からの声が騒ぎ始めて……?

 というのが一番のポイントなのだけれども、さすがにストーリーの根幹部分だけあって、そうやすやすとは出て来ない(それ書いたらすぐ終わっちゃうしな)。「将来の進路」や「男と女」などという普遍的かつ身近な問題をベースに、今回も2人は遠くから関係性を深めていってた。委員長が意外に乗り気だったのがびっくり。嬉しい驚きともいう。
 秋葉は今回もいらない子だった。本当に誰得なんだろうこの子。西園寺がいればそれでいいじゃん。
 で、その西園寺。ようやく隠れ家一味に加わった。素直じゃないので認めはしないけど、委員長のことを心の中で「ちひろ」と呼び捨てにしてるほどにラブな彼女の参入は、渋沢も含めた三角関係をスリリングなものに変えてくれた。
 うん、今回も面白かった。
 変化したいと思う感情。現状維持を望む声。大好きなものを大好きだと思っていられた、それだけで満足だったあの頃。懐かしきあのひと時を思い出させてくれた。

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