はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

鋼殻のレギオス(1)

2009-07-19 12:23:19 | 小説
鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫)
雨木 シュウスケ,深遊
富士見書房

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「鋼殻のレギオス(1)」雨木シュウスケ

 大地の実りから見放され、人の住めぬよう汚染された大地を自立型移動都市<レギオス>が疾駆する……。
 どことなくフィリップ・リーブの「移動都市」を想起させるような設定だが、こっちはいかにも日本ラノベ風の仕上がり。穢れた大地でも生きていける巨大生物・汚染獣から都市の平和を守るために戦う戦士の卵の学生達のストーリーだ。
 武芸の本場グレンダンでも選ばれし数人の手練にしか与えられぬ<天剣授受者>の栄誉を、10代半ばにして受けた天才・レイフォン。とある事件のせいで糾弾され、栄誉を汚され、逃げるようにグレンダンを離れた彼は、剣を捨てて生きていこうと思った。学園都市ツェルニに一般生徒として入学し、新たな生き方を模索しようとする彼を、しかし周囲が放っておくわけもなく……。

 剄と呼ばれる気功のような特殊能力を操るバトルアクション……のはずなのだが、主人公がいかんせん鬱系でやる気が無いのでかなりダレる。合間合間に挿入される、故郷の幼馴染リーリンへあてた手紙も、正直かなりうざい。おまえ男か? ○○ついてんのか!? と胸倉掴みたくなる。
 一般科から武芸科に編入され、いきなり都市対抗戦のメンバーに選出されたりと、むりやりな処遇に愚痴のひとつも言いたくなる気持ちはわかるのだが、そのやる気のない主人公に感情移入している身としてはかなり辛い。同じ班の人間もリーダーのニーナを除いて自分勝手なのが集まっていて、終始ぎすぎすな状態が後半まで続く。後半になるとようやく主人公の本気が見えてきて、派手な立ち回りもあったりして盛り上がってくるのだが、次回予告ではやっぱりぐだぐだになるみたいだし、うーん……どうすかね……。

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