はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

俺の妹がこんなに可愛いわけがない

2009-08-18 17:19:45 | 小説
俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
伏見 つかさ
アスキーメディアワークス

このアイテムの詳細を見る


「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」伏見つかさ

「私の兄貴がこんなに頼りになるわけがない」と読み変えていただいても結構。平凡な兄貴・京介とツン妹・桐乃の交流を描いたオタク系ラノベだ。
 勉強させれば県内指折り、陸上部では何度も表彰台に登り、ティーンズモデルとして中学生(14歳)にあるまじき大金を稼ぎ、社交性もあって周囲の評判も良い、という完璧超人・桐乃は、しかし京介に対しては悪魔のように振る舞う。名前ではなく「キモ」と呼び、時に親の敵のように睨みつける。京介だってそんなことされたら面白くはないから、自然と交流しなくなった。そんな2人の関係に変化が生じたのは、ある日京介が桐乃の落としたDVDを拾ってから。そこには「星くず☆うぃっちメルル」や「妹と恋しよっ♪」という、桐乃のキャラにあるまじき変態的なタイトルが刻まれていて……。
 優等生な外面とは裏腹の濃ゆ~い趣味のある桐乃は、それゆえに腹を割って話せる友達がいない。唯一の秘密の共有者・京介に自分の趣味を理解し、共に楽しむように要求してくるのだが……いやいや、実の妹の目の前で妹を口説くエロゲーとかできないでしょ、と常識人間京介は苦しむ。オフ会に参加するなどして桐乃に自分の代わりに同好の士をあてがおうとするのだが、なかなかうまくいかない。それでもなんとか2人ばかり趣味の友達が出来て、桐乃も楽しそうにしていて、これで俺もお役御免だな、などと軽く考えていたら、いきなり人生最大のイベントが待ち受けていて……。

 冒頭で述べたように、京介かっこいい。常識的な頼れる兄貴で、理不尽女王・桐乃のわがままにつき合ってあげられる大人ぶりが大変よろしい。麻奈美という恋人未満のメガネっ娘幼なじみもいるせいか、妹に虐げられても悲愴感がないし、最後まで安定して読めた。良作。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿