![]() | BIG‐4 2.ククク……ついに勇者が現れたか。ってぼくの妹じゃねーか!? (富士見ファンタジア文庫) |
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富士見書房 |
「BIG‐4 2.ククク……ついに勇者が現れたか。ってぼくの妹じゃねーか!?」大楽絢太
どこぞのスズメに騙されて無理矢理魔界に送り込まれ、四天王が一人「知」の山田として君臨しつつ、人類抹殺計画を遂行し、魔王を目覚めさせ、ついでにそれを打倒するという回りくどい役割を仰せつかった山田は他の3人ともかなり打ち解け、普通に楽しそうな日常をおくっていた。
がそこに、新たなる刺客が送り込まれる。山田雫。山田の妹にして、アイドルグループモーニング488の一員にして、人気実力ともいまいちなB級アイドルな彼女は、どこぞのスズメに騙されて勇者となり、魔王打倒を売りのアイドルになることを目的に、意気揚々と魔界へ侵攻してきた。
のだが、3人の実力の前に手も足も出ず、出落ちのように敗退。魔界の闇に消えていった……。
という騒ぎから始まる第2巻。個人的に一押しなアディの登場シーンがあまりなく、ユキと山田の「婚約者のフリ」や、イグナレスの「実は○○○だった」などベタな展開に押されまくりなのが残念だった。
まあでも、一番の原因は雫だろうか。B級アイドルらしい世間ズレと、ポジティブシンキングとツンデレ成分まで併せ持つ彼女に完全に食われてしまった。山田にとって、唯一自分の正体を愚痴れる相手だというのもでかいか。これに打ち勝つには、さらなるデレか、ちょっとだけ垣間見えてたMっ娘成分を開花させるしか他あるまい。いや、ほんのちょっとなんだけどね。ほら、ツンデレMっ娘って強いじゃん?
ストーリー的には、山田があっさりと魔族と人間の共存を計り始めたのが意外。このお話のメインテーマだから、もうちょっともったいぶると思ったけど、けっこうあっさりと出してきたなあ。変に長引かせられるよりはいいんだけどね。だれないし。