大会前の注目点は、プラボールへの対応と岩手国体エイジの活躍と成長状況であった。
まず一つ目、プラボールの対応についてだが総体的にはまだまだという感じを否めなかった。
まずはサーブを見てみると、回転力の減少からの脱皮がなかなかうまくいかず、長短を上手く使っている選手が少なかった中で、男子では久保(専北2年)女子では塚本がその辺を意識した飛ばすサーブと止めるサーブに工夫があったように思われる。
男子のレシーブでは、相手のサーブが長くドライブ強打できるボールをチキータにこだわりすぎて逃してしまったり、打ちに行ってもミスするケースが目についた。
女子では、先に攻めたほうの負けというようなケースが多く見られまだまだプラボールに慣れていない感じがしたし、特にネット際のボールに対しての対処が一様に大変なようであった。
また、ラリーになると今までより長く続くことが多いので、基礎体力や脚力が基本的に大事だし、それと同時にコース取りとか長短やフラットボールを交えるなど回転の変化をつけることも効果的であると感じた。
ドライブボールは、台から離れると失速する感じであり、以前カットマンは強ドライブに対して押され気味になり大分苦しんでいたが、今大会ではそのボールを腰の位置で打球出来抑えられていた。大会前のカット有利ではないかと予想していたが案の定、吉田(専北1年)や菅原(一関一3年)の両カットマンが大活躍した大きな要因だと思っている。
さて、二つ目の岩手国体エイジ(高校2年生以下)選手たちの成長や活躍だが、男子の強化指定選手のうち、本大会成績は①吉田俊暢(専北1年)、③本間新(専北2年)、③久保一矩(専北2年)、⑧川合優大(専北2年)、⑧砂子拓海(専北1年)、⑯高橋栄太(専北1年)、32齋藤豪(専北1年)という結果であり、現段階ではこれに中学3年の小野寺翔平が有力な候補となっている。
成長度合いを見ていくと、吉田はツッツキにまだ難点があるがカットは非常に安定しプラボールをしっかり自分のものにしていた。本間と川合はまだまだ力勝負にこだわりすぎていて、戦法に工夫が必要だ。砂子は高校に入り一皮向けたような感じで成長をうかがわせた。高橋はフォアの強化が必要であり、そうすればバック表の変化も生きてくる。久保は先述の通りサーブは良くなっているがラリー中フォアに回されると合わせるだけで、強打も含めた緩急が必要である。齋藤は小さくまとまらず大きな卓球を目指してもらいたい。
いずれ、吉田・小野寺以外は混沌とした代表争いが続いている。今後の大きな大会で大きな飛躍を期待したいと思っている。
一方、女子の強化指定選手のうち、①塚本佳苗(大野2年)、②土田里奈(大野2年)、③柳田桜子(大野2年)、⑧鈴木実桜(専北2年)、⑯熊谷ほのか(専北2年)、⑯菅野葵(大野2年)となり、これに高橋志歩(花巻中2年)が現段階の候補である。
塚本は、昨年長崎国体少年女子第5位のメンバーであり、順調に成長している感はあるが大きな大会での実績や岩手をけん引するだけの圧倒的な力はまだまだかなと感じているが、準々決勝で見せたような連続20数本をミスなくポイントする集中力は並外れた才能であり、今後の活躍は大いに期待できるものと思っている。土田は、接戦のときの勝負強さやラリーでの強さは際立っていた。柳田はツボに入った時のボールの威力は県外レベルだが凡ミスも目立っていた。鈴木と熊谷は大野との差をまた少し付けられたように感じた。今後戦型や戦術に対する一工夫が不可欠である。菅野は粒高対策が必要だ。
女子は総じて、これからかの伸びしろ次第かなと思うし、実戦での県外大会の実績を積み重ねていかなければならないが、高橋や中学生たちの飛躍にも期待したいと思っている。また、大野美恵(大野1年)の大型カットにも今後の頑張りに期待している。