goo blog サービス終了のお知らせ 

広く浅く

今後はhttps://taic02.hatenablog.jp/で更新します

木蓮並木

2020-05-15 00:05:56 | 動物・植物
もう終わってしまった、春の花の話題。
コブシに似た「ハクモクレン(白木蓮)」という木がある。一般に単に「モクレン」と呼ぶ人も多いが、正確な標準和名は「ハクモクレン」。
コブシと比べて木はやや小さく、花は大きく閉じ気味で、開花時期がやや遅いので、識別できるのだが、やっぱり少々まぎらわしい。コブシと違って中国原産で日本に自生せず、もっぱら庭に植えられるのだが、たまに街路樹で並木に植えられることがある。秋田市内では3か所知っていて、2か所をだいぶ前に紹介済み。
泉のハミングロードに続く道路卸町の猿田川沿いの公園

そしてもう1か所が、手形の市立秋田東中学校前。ソメイヨシノが見頃だった4月中旬撮影。
正門~グラウンドの横にかけてハクモクレン並木
狭い道路で片側だけに歩道があって、そこに10本弱植えられている。
若くもないと思われるが、小ぶりな木。泉のハクモクレンに似ていて、大きくならない品種なのだろう。卸町のはもっと大きいはず。
逆光です

たわわに咲く

4月下旬になって、泉のハミングロード。【15日補足・ハミングロードは、地域の人たちが手入れしてくれる草木が、通行人を楽しませてくれる遊歩道。】
枝垂れ桜が咲き乱れる一角
【15日補足】ハミングロードは泉小学校敷地に沿ってL字に曲がり、その直進方向の狭い市道の歩道(学校が近いので設けてあると思われる)が、以前も取り上げたハクモクレン並木。
その向こうがハクモクレン並木
今年もよく咲いていたものの、一部の木もしくは枝が枯れてしまったり、不格好になっていたものもあった。だからあえて撮影しなかった。
5月に入ると、ハクモクレンは散って葉が出てきたのだが…
赤紫色の花が遅れて咲いた
けっこうな本数がある中、2本だけ赤紫色の花を咲かせていた。これは知らなかった!
これはハクモクレンの色違いではなくて、近縁ながら別種。これこそ、標準和名が「モクレン」なのだが、ハクモクレンと明確に区別するために「シモクレン(紫木蓮)」と呼ぶこともある。
これも庭木にされ、ハクモクレンより開花が遅く、木も小さめ(シモクレンの大木って見たことない)の傾向。【15日追記】コブシではこんな色の花はないし、大きさや開花時期の差も大きいため、コブシとシモクレンを混同することはあまりない(若木とか葉は別ですが)。
意図的に2本だけこのような形で植えるとは考えづらい。秋大前の複数品種がある八重桜並木とか、雄株だけを植えたはずのイチョウ並木で銀杏が実る木があるようなもので、ハクモクレンにシモクレンが2本だけ混ざってしまったのだろうか。【15日追記】もしくは、当初のハクモクレンが枯れたので、代わりに手配した苗が、シモクレンだったとか。
この木もやや不格好で、中ほどの枝が枯れている

奥がハミングロードの枝垂れ桜エリア。ほぼ葉桜

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・秋大前の八重桜並木

2020-05-09 23:58:37 | 動物・植物
4月下旬に紹介した、秋田大学手形キャンパス前の県道の八重桜並木の続き。
前回は、咲く時期が異なる複数品種の八重桜が植えられていること、さらに1か所だけ、八重桜と一重咲きのヤマザクラ系らしき桜が、同じ場所から生えて同時に咲いていることを取り上げた。

その直後、秋田魁新報が、その2種同居を記事にし、管理しているという造園会社社長の見解も載ったのだが、その内容が「取材の際に趣旨を取り違え」ていたとして、おわびと訂正が出された。だいぶ違う内容で、どこをどう取り違えたのか…
まあ、そのおかげで、八重桜の台木とされていたオオシマザクラ(野生種で広義のヤマザクラの1つ。桜餅の葉)が伸びて、花を咲かせたのが白い桜であることが分かった。

前回の記事アップのすぐ後、晴天の日。西側の大学の陸上競技場越しに。
フェンス越し
それにしても、この陸上競技場は、6レーンながらトラックは全天候型の舗装がされているし、正門の真向かいだし、国立大学としては恵まれた練習環境だと思う。弘前大学なんて、本部から離れた附属学校の敷地の奥で、今も土のトラックのようなのに。
計画はなくなったようだが、ここを(大学と関係ないプロチームが使う)サッカースタジアムにするなんて、誰が言い出したのだろう。大学の財産は学生のために使うことを最優先にするべき。



並木の桜たちは、道路側よりも陸上競技場側に枝をよく伸ばしている傾向。トラック部分にはかかっておらず、桜の下を疾走するまではいかないけれど。
白い桜はこちら寄りに生えていることもあるが、台木にされるほど生育力ある野生種ということもあるのだろう、特に盛んに枝を広げていた。
白い桜の数本先、照明柱付近にまだ咲かない桜
前回も触れた、この時咲いている桜の中に、まだ花が咲いていない桜が2本(場所は離れている)混ざっている。そして、陸上競技場より南方向、大学正門の真向かいでは、それと同じらしき桜が連続して植えられている。

その4日後、5月初め。
路面に花びらが
最初に咲いた八重桜が散り始めていた。八重桜がこの本数だから、びっしり花びらだらけになるかと思ったが、道路も陸上競技場もそれほどでもない。
そして、遅咲きの桜は、
つぼみが開き始めていた
八重桜で花弁が多いせいか、独特の形のつぼみ。赤みがかった葉も同時に開きかけていて、これこそがなじみのある八重桜、かな?

さらに5日後。
葉桜の中に満開の桜
最初の八重桜はすっかり散り、遅咲きが満開。
路上の花びらは一掃と言っていいほどきれいにされていた。誰かが掃除したのか? でも、秋田県の道路管理でそこまでやるか、また秋田大学もしないと思う(附属学校前のケヤキの落ち葉は知らんぷりです)。雨風で流れたり飛んだりしたのか?

遅咲き桜の花
先に咲いていたのと遅咲きでは、遠目にはほぼ同じ色合いとボリューム感。
よく見れば、花の大きさはあまり違わないが、早咲きはやや色が濃く、遅咲きは花弁の数がより多いみたいだ。それで差し引き、同じように見えるのかも。
それに、遅咲きの花はめしべ(の一部?)が葉のような見た目になっているようだ。桜ではそのような品種があるとのこと(メカニズムは花の器官形成のABCモデルで説明が付きそう)。

上記の通り、大学正門方向は、遅咲き桜の並木。跡切れ跡切れではあるが250メートルほどの区間に20本弱はあった。正門付近のほうが、幹は太くて古い木の感じがするが、全体に小ぶりにも見える。
※先に咲いた陸上競技場横は、200メートル弱に20本ほどか(うち2本の遅咲きと1本のオオシマザクラが混ざっている)。
天気が悪いですが

その中に、
また違う桜が!

白い八重桜
ピンクのよりは若干小ぶりな花がびっしり。これもめしべが葉になっている?
その木は低くて不格好で、一部枯れ枝もある。

さらに、
完全に枯れてしまった桜も2本

多品種が混植され、一部は管理が行き届いていないのは、どういう経緯なのだろう。ソメイヨシノでない4つの桜が楽しめる場所だから、大切にしてほしい。
開花の順番としては、早咲きピンク八重&オオシマザクラ→遅咲きピンク八重&白八重。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハンドウ・バンドウ/スイートコーン

2019-08-31 23:10:13 | 動物・植物
8月28日のNHK秋田放送局のローカルニュースで、投稿サイト「スクープBOX」に視聴者から寄せられた映像を使った話題が放送された(秋田局ニュースサイト、スクープBOXサイトとも未掲載)。
男鹿半島の戸賀湾にイルカの群れが現れたというもの。

それによれば、男鹿水族館でもその状況を直接確認しており、イルカの種類の見当をつけていた。
「ハンドウイルカ」ではないかとのこと。

最初、キャスターが読み上げる音だけ聞いていて、引っかかった。
「“バ”ンドウイルカ」というのは知っているけど、「“ハ”ンドウイルカ」とは?
読み間違いかと画面を見ると、字幕でも「ハンドウイルカ」。

これはまたNHKの間違いではないかと疑ってかかり、Wikipediaを見てみた。
すると、項目名が「ハンドウイルカ」となっていて、「半道海豚」だそう。

その本文中に「バンドウイルカ(坂東海豚)と呼ばれることが多い。」「現在では「バンドウイルカ」という呼称が一般に広く使われており、論文でもこちらが多数派となっている。」「新聞も主に「バンドウイルカ」表記を使用している。」とあった。
もともとはハンドウで、現在はハンドウ、バンドウどちらでもいいのだった。NHKさんの間違いではなかった。自分の無知を棚に上げて疑ってしまって、ごめんなさい。

どうして「バ」が出てきたのかは、学会誌において誤植で「ハ」が「バ」にされてしまった(学術的には生物の和名はカタカナ書きが原則だから)のがきっかけという話もあるものの、その信ぴょう性に疑問を示す意見もあるようで、定かではないようだ。
ちなみに、他の魚の体の掃除をする「ホンソメワケベラ」という魚は、元々は「ホソソメワケベラ」で、ソとンを読み間違えて、それが和名になってしまったというケースもある。

生物の名前は、学術的にはラテン語の学名を使うのが本来だけど、それでも異論があって1つの学名でないものもたまにあるようだ。和名ではなおさらなのだろう。


翌日以降、男鹿水族館が船で近づいて撮影した写真や動画が公開されたらしく、NHK以外のマスコミも報道。
29日の秋田魁新報社会面によれば、戸賀公民館から水族館に連絡があり、スタッフが漁船上から撮影したとのこと。
魁のサイトにも掲載
魁では「はっきりとした種類は不明だがバンドウイルカかミナミハンドウイルカとみられる。」とあった。

近縁種と思われる「ミナミ~」も登場。これもハでもバでも許容されるととらえるべきだろう。
そして、ミナミじゃないほうは「バ」で、ミナミのほうは「ハ」とそろっていない。


30日には、秋田放送(ABS)と秋田朝日放送(AAB)も報道。AKTは未確認
AABサイトより抜粋
この民放2局はどちらも「バンドウイルカ」「ミナミバンドウイルカ」と「バ」で統一。
AABでは男鹿水族館の人の電話インタビューも流れていたが、種名を話す部分は放送されなかった。


以上、種名の推測を行ったのは男鹿水族館という同じところなのに、報道機関によってバラバラ。
各マスコミの表記のルールに従った結果なのだろうか。
どっちみち、どれでも間違いではないわけですが。




もう1つNHK秋田のニュースから。
28日に北秋田市で、畑を見回っていた人が、クマの親子と鉢合わせ。傘で撃退したものの軽症を負った。
その畑で作ってた作物(植物)名。
NHK秋田ニュースサイトより抜粋
「スイートコーンを植えた畑」「スイートコーンがクマに食べられる」

魁は原稿締め切り時間の都合か、第一報程度の記事で作物までは言及していないが、民放各局は、
ABS「男性は畑でトウモロコシを栽培していて」、AKT「畑で栽培したトウモロコシ」、AAB「トウモロコシ畑を見回っていたところ」。
そう。「トウモロコシ」という立派な日本語があるのに、NHK秋田局はどうして英語にしたの? 欧米か!

ただ、スイートコーンのほうが「トウモロコシ」より、より詳しいとも言える。
トウモロコシは人間が粒のまま食べるだけでなく、デンプンの原料や飼料にも使われ、それぞれの用途に適した品種がある。ポップコーンもそれ用の品種でないとうまくできない。
そうした品種をデントコーン(馬歯種)、ポップコーン(爆裂種)などと、大まかに分類することがある。人が食べる品種がスイートコーン(甘味種)。
だから、今回の現場となった畑では、人が食べるためのトウモロコシを栽培していたことが分かる。

って、秋田で(おそらく北海道以外の国内各地で)栽培されているトウモロコシの大部分が、スイートコーンではないだろうか。そもそも、このニュースでそこまで詳しく報道する必要がない。クマにとっても、甘いスイートコーンは大ごちそうではあったのだろうけど。
最近、ある国で余った飼料用トウモロコシを、別の国に売ることが、某国大統領と某国内閣総理大臣の間で決まったけれど、そのニュースでは「トウモロコシ」としているマスコミが多い。飼料用であることすら、少ししか触れていない。大統領が演説する英語でも「コーン」としか話していないようだ。
飼料用だと「デントコーン」か「フリントコーン」辺りではないかと思うけど。【9月24日追記】緊急輸入されるのは「デントコーン」だそうだ。

NHK秋田は、トウモロコシの種類にはこだわる方針なのか。
だったら、今回ひっかいた動物を「クマ」としているけど、それは「(ニホン)ツキノワグマ」としては? ※北海道にはヒグマ、それ以外の日本各地にはツキノワグマと分布が明確なためか、県外や他のマスコミも含めて「クマ」で済ませることが多い。
田んぼが現場となるニュースや話題を伝える時は、「水田に車が転落しました」じゃなく「食用うるち米(またはもち米とか酒米とか)を作る水田に…」と伝えないといけなくなるのでは?

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミヤコグサ

2019-06-19 23:57:34 | 動物・植物
6月に入る頃、秋田市ではシロツメクサ(クローバー)やその仲間が花を咲かせる。
シロツメクサとムラサキツメクサ
ピンク色の花が咲くムラサキツメクサもそこそこ見かけるが、花の色が違うだけでなく、シロツメクサとは別の種。ただし、ムラサキツメクサだけど白い花が咲く変種もあるそうだ。
上の写真で分かるように、シロツメクサは地面をはうのに対し、ムラサキツメクサのほうは上に伸びて背が高い。

地味だけどコメツブコメクサというものもたまに生えている。
ほかにも、見たことはないけれど、イチゴの果実のような形の真っ赤な花を咲かせる「ベニバナツメクサ」というのもあるそうだ。

いろいろ生えている とある空き地
フキは以前あった家の名残りだろうか。奥のピンクはハマヒルガオ。
手前のシロツメクサの中に、黄色い花も咲いている。これは初めて。地面をはうように広がっているから、やはり○○ツメクサのたぐいか?
近くで観察。後ろの方にも咲いている

花はきれいでかわいらしい
一見、黄色いパンジーの小さいの(=いわゆるビオラ)のようだけど、よく見ると、マメ科の花の典型的な構造だ。(シロツメクサのほうがマメ科にしては変わったつくり)
葉はクローバー類とは少し違うが、やはり3パーツで1セットの複葉。葉の柔らかそうな感じが、どことなく豆苗を連想させられた。

別の空き地でも。両脇はヨモギ(強風にあおられています)

花も実もある
こちらは花が終わったものもあり、豆状の果実が付いている。小さいけれどちゃんとした豆の形で、さすがマメ科。(シロツメクサは短くて小さい豆ができるようだが、見たことはない)
豆に黒いアブラムシが付いていて、それ目当てにアリも来ていた。

この植物は「ミヤコグサ」。
マメ科ミヤコグサ属なので、シャジクソウ属の○○ツメクサとは少し遠い。
名前は「都草」で、奈良または京都の都の近くによくあったからという説があるが、もともとの日本在来種でもなく、とても昔に麦類といっしょに持ちこまれた「史前帰化植物」とも考えられるという。明治以降の帰化植物である○○ツメクサたちとは、歴史が違う。
一方、ヨーロッパ原産のセイヨウミヤコグサというのがあり、現在は日本にも帰化して、在来種(としておきます)の存在をおびやかしている。国立環境研究所ホームページによれば、セイヨウミヤコグサは花が1か所に3~7個咲くのに対し、在来種は1~3個。秋田市の上の2つは、花の数からすれば在来種か。
セイヨウミヤコグサは染色体数が倍(4倍体)だそうなので、もっと大きいのかもしれない。→秋田市内でセイヨウミヤコグサも発見した。この記事中ほど。

Wikipediaには「畑にはびこるものではなく、特に害はない。むしろ、可愛い花を咲かせる野草として親しまれてきた。一部では食用にされたらしい。」とある。マメ科植物はすきこめば肥料になるし、グラウンドカバー代わりにもなって、あまりジャマにされることもないだろうけど。
ミヤコグサも生育環境としては、○○ツメクサと同じような日当たりが良い場所を好みそうだが、海岸近くでも見られるそうで、塩にも強いのか。

ミヤコグサの存在を知ってから、秋田市内の空き地を注意して見ているが、今のところ上の2か所だけ。
これからは花も少なくなるし、管理が行き届いたところでは草刈り作業も進むし、そうでないところは他の草が生い茂る。探すのは難しくなりそう。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一部白カラス

2019-06-06 00:17:27 | 動物・植物
嫌いな方もいらっしゃるであろう、鳥の話。
この鳥
街中にもいる身近な鳥の1つで、うるさくて、ゴミを散らかして、カーと鳴く、カラス。
上記以外のカラスの特徴といえば、羽根が黒いこと。
でも、秋田市中央部で見かけた、この個体は、
ちょっと違う?!
翼の部分の羽根の一部が、ところどころ白い!
反対側も。この面のほうが白い部分が多い?

けっこう以前から、秋田市中央部のいずれも別の場所で、同じような状態のカラスを何度か見かけた。
カラスの行動範囲からすれば、同一個体の可能性もあるようだが、別個体かもしれない。

先日、このカラスが1羽でフェンスに止まって休んでいたところに通りかかり、カメラを向けてみると、興味は示しつつ逃げずに撮らせてくれた。上の写真はカメラ目線。
ある程度撮影したところで、上のほうから「ガーガーガー」と3声。
仲間のカラスからの警告(怪しい人間に対する威嚇なのか、怪しい人間に興味を示す仲間に対しての忠告なのか)ととらえて、去ることにした。
以前目撃した個体では、翼の内側のほうが白い部分が多かった気がしたので、この個体が翼を広げたところも見てみたかったけれど、おくつろぎのところ申し訳ないので…


真っ白いカラスというのが、ごくまれにいるそうだ。昨年、青森県平川市碇ヶ関で、複数個体が目撃されている。それは色素を持たない「アルビノ」または色素が少ない「白変種」で、くちばしも白いようだ。目立って外的に襲われやすいし、体が弱い場合もありそう。

一方、今回の部分的に白いものは「部分白化」で、真っ白なカラスよりはずっと多いらしい。
ただ、普通の真っ黒な個体でも、羽の軸とか内側の羽毛は白いそうで、それによって白く見えてしまう場合もあるようだけど、この個体は、おそらく羽根の羽毛が白いから、たぶん部分白化。
たぶん
お腹の羽毛がなんか幼鳥のそれっぽくも見える。巣立ったばかりの若いカラスかな??


ところで、日本にいるカラスは、「ハシブトガラス」と「ハシボソガラス」の2種がいる。恥ずかしながら、これまで興味はあったものの、その違いをきちんと理解していなかったし、身近なカラスがどちらなのか調べようともしなかった。
今回、このカラスに会ったことで、やっと知る機会ができた。

「ハシ」とはくちばしのことだけど、それよりも頭の盛り上がり方で区別したほうが分かりやすそう。
ここに登場したのは、ハシボソガラス。
仲間の鳴き声が「ガー」と濁っていたのも、ハシボソの特徴。

ハシブトガラスは、濁らず「カー」と鳴く。考えてみれば、子どもの頃から聞き慣れたカラスの声といば、濁った「ガー」のほう。
ハシボソはゴミを漁ることは少なく、クルミを路面に落としたり、さらに車につぶさせたりできるのはハシボソだけらしい。千秋公園・旧県民会館脇の道路などで、クルミを落とすカラスがいる。
そういった点からしても、秋田市中央部にはハシボソガラスが多くいるようだ。※秋田市内にはハシブトガラスもいて、巣も作っていた。この記事後半。

数年前に、道路を歩いていたら、後ろからカラスが下りてきて頭をひっかかれたことがある【6日補足・ハシブトかハシボソかは不明】けど、カラスは嫌いじゃありません。

【10月10日追記】その後、注意していると、撮影時のようにハシボソガラスが「ガーガーガー」と鳴くことは少なくなかった。いずれもガーをゆっくりと3回繰り返す。さらに飛んでいる個体が、地上(木の上や電線など含む)にいる個体の上空付近を通過するタイミングで鳴いているようにも見受けられた。地上の個体は特に反応しない。
警告などでなく、「おくつろぎのところ、上を失礼します」的なあいさつの意味合いの鳴きかたなのかも。
【10月18日追記】↑そうでもないかも。電線の上など高い所に止まっているカラスが、遠くに向かってそのように鳴いているのかも。塀など低い場所にいるカラスがそう鳴いているのは遭遇したことがない。「ある程度離れたところにいる仲間に対してのあいさつ」で、されたほうは鳴き返す必要がないということかな?
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合流点の楽園

2019-05-12 22:30:57 | 動物・植物
秋田市中央部・川尻地区と西部(南西部)・新屋勝平地区の間、秋田運河(旧雄物川)に架かる秋田市道「新川橋」。
今回は橋そのものの話題ではないですが、最初に少々触れておきます。
勝平側から。右が上流
初代は1892(明治25)年に架けられ、勝平得之の版画(「秋田十二景 新川ばし」1936年)にも描かれた木橋。現在の橋は1963(昭和38)年に架けられたトラス橋。
初代は秋田運河になる前、まだ雄物川本流だった頃なので、秋田市内で雄物川に最初に架けられた橋ということになりそう。
現在、すぐ下流側に新しい橋(3代目?)の建設が進められ、橋脚はもうできている。


ここから本題。新川橋から上流側を見ると、
川尻側の岸から
奥に見える水色の2連アーチは水道橋。
対岸奥の木が茂っているところは、水道橋の接続部でもある「秋田市 勝平市民グラウンド」。

分かりづらいが、アーチの中間付近で川が左右に分かれて、というか左右から合流している。
右方向が、雄物川本体から新屋水門で分岐してきた秋田運河。左が旭川。※最近、不正確さで定評のあるGoogleマップでは誤って記載されている。
上の写真では、川の左右で水の色が違い、右側が濁り気味。雄物川上流の雪融け水か。

航空写真などで合流点より上流側を比較すると、秋田運河よりむしろ旭川のほうが幅が広い。深さはどっちもけっこうありそう。
雄物川本体の水のうち、秋田運河へ入るのはごくごく一部であるはず。一方、旭川は猿田川や太平川なども含めた全量が来ていることになるが、まとまるとこんなにたくさんになるものなのか。川反付近の浅い旭川を見慣れた者としては、別の川のよう。
【13日追記】雄物川本体のほうは堤防の歩道があって、その下の水辺までの間の河川敷が公園的に使われている場所も多く、雄大な流れを身近に感じられる。秋田運河は、岸辺は工場が多く堤防もなく、いきなり護岸で川は深そうで、人を寄せ付けない雰囲気。「雄大」というにはせせこましい感じもする。「川に親しむ」のは少々難しそうな河川。

橋の中央付近から
合流点直下には中州がある。木も茂っていて、よほど増水しない限り、いつもあると思っていた。記憶にある1980年代中頃以降では。
国土地理院サイトの航空写真でさかのぼってみると、現在の橋ができる直前1962年には、川尻側の岸まで張り出すようにもっと大きい中州だった。まだ護岸も固められていなかったようだ。その後、1976年、1979年には、反対に中州がほとんどなくなっていた。
ちなみに、1970年代頃まで合流直前の秋田運河側はもっと川幅が広く、一部埋め立てられて、そこに水道橋ができたようだ。

中州が安定したのは、ここ30~40年弱の間ということになりそう。
さて、この中州はいつの間にか、「楽園」になっていた。30年ほど前はそうではなかったはずだけど。
白い鳥がたくさん
秋田では一般的なカモメであるウミネコが、中州を“占拠”している。
ほとんど動かないので根気があればカウントできそうだけど、とりあえず100羽はいるでしょう。
中州では黄色い菜の花系の花が咲く。右奥の流木には鵜(カワウかウミウかは断定不能)

ウミネコは、天候によっては旭川をさかのぼって市街地の川反や千秋公園まで飛来することもあるし、水の張った田んぼに来るものもあった。ここの中州にいても不思議ではないが、何をしている?
ほとんどが中州に上陸して、付かず離れず思い思いに(?)座ったり立ったりしてたたずんでいる。たまに、気まぐれで1~数羽が飛び回って独特の鳴き声が上がるが、数のわりには静か。
【13日追記】終日ずっと中州にいるわけでもないだろうから、出入りする時には飛び交ってうるさくなりそう。


中州→島、そしてウミネコといえば、八戸の蕪島を連想する。蕪島はウミネコの繁殖地であり、こんな雰囲気だったような… この中州では、
地べたに直接、ただいるだけ
「巣」を作っていないから、繁殖地ではない。
蕪島では、今が繁殖期で卵がかえる頃らしい。ここにいるみなさんは繁殖しなくていいの? と余計な心配をしてしまう。

この中州は単なる“休憩所”なんだろうか。
そういえば、秋田市中心部では、以前ほどウミネコを見なくなった気がしなくもない。(まったく見ないわけではない)
海が荒れても、この中州まで影響することはあまりないだろう。ウミネコは人をさほど恐れないけれど、海辺と環境がだいぶ違う市街地までさかのぼるよりも、中州にみんなでいたほうが、より安心なのかもね。

ところで、最初のほうの橋の中央から中州を見た写真。手前側に小さな浮島のようなものが写っている。流木が止まったものに【2021年2月15日追記・かつての橋の橋脚の痕跡に】、枯れ草が引っかかっているようだ。
そこでは、仲間と距離を保ちたいのか、
離れて休むウミネコ2羽

浮島で優雅なひととき?

今回、中州のウミネコの撮影には、新川橋の上だけでなく、岸からの撮影も試みた。
この辺は、工場地帯で、岸には容易に近づけないと思っていたが、そうでもなかった。ただ、中州は川のほぼ中央なので、どうしても距離は近いとは言えない。
勝平側では、市民グラウンド隣のパチンコ店や漫画喫茶の契約駐車場(本来は私有地ですが)から。
駐車場から中州と新川橋
市民グラウンドは、中州から離れるのと草木があって見づらそう。
川尻側では、意外にも岸辺まで住宅地で、それぞれのお宅からはよく見えそう。その中のカーブした道路が、行き止まりに近い形になって川を見渡せる場所が数か所あった。
※いずれも柵などを越えて河川敷内へ入ると、非常に危険。勝平側は車の出入りがやや多いので、注意。

奇しくも5月10日から愛鳥週間でした。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カラタチ観察日記

2018-11-04 23:24:05 | 動物・植物
秋田では珍しいカンキツ類であるカラタチの木が秋田大学手形キャンパスにある。その続き。

まず、前回、秋田市内でほかに2か所の民家の庭にカラタチがあるのを知っているが、うち1軒は建物が解体中としていた。その後、解体されていたお宅で、カラタチの木もなくなってしまった。
だから、知る限りでは秋大と民家1軒だけになってしまった(ほかにもなくはないでしょうけど)。

8月上旬
昨年、初めて気がついたのがこの状態。
緑の葉とともに、まんまるなピンポン玉大の果実が着いている。果実の数は、咲いていた花の数よりは少ない。果実の表面は、白っぽく見えベルベットのよう。細かい毛が密に生えているようだ。
葉はそんなに多くなくまばらで、枝とトゲがむき出しの部分も。木の具合が悪いわけでなく、こういうものらしい。

それから2か月。
10月上旬
遠くからでも黄色くなった果実が分かる。

この段階では葉はまだ着いていて、黄色くなりかけた感じ。

さらに1か月。
11月初め
かなり葉が落ち、ほぼ果実だけがぶら下がる状態。
 
果実はピンポン玉大のまま。一見、完全な球だけど、枝と反対側(果頂部)が円形に少し盛り上がっている。
表面の毛は残っている。毛のせいなのか、レモンやグレープフルーツほど鮮やかではない、優しい黄色。
地面に落ちた果実もいくつか
落ちたものを手に取ってみると、毛の柔らかな感触がある。ユズとかカボスなど香酸カンキツ類のような、いい香りがした。
カラタチの実は、とても酸っぱい上に苦く、食用にはならないとのこと。薬用や果実酒にはできる。
秋の西日を受ける

10月上旬
北原白秋は「からたちの花」の4番で果実を「まろいまろい金のたまだよ」と表現した。
まんまるな黄色い玉が空中に浮かんでいるようで、ちょっと不思議な光景。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

象とネーミングライツ

2018-10-17 20:50:02 | 動物・植物
公共施設の名称に、カネをもらって企業名を付ける「ネーミングライツ(命名権売却)」。
国内ではだいぶ広まってきていて、自治体の収入源にもなっているけど、住民・利用者にしてみれば、なじみのある施設がよく知らない企業の奇妙な名前に変わってしまったり、民間施設かと勘違いしたり、コロコロ名前が変わったり、あまりいい気分でないこともある。

秋田市では、八橋運動公園の施設市立図書館などで実施されている。
秋田市大森山動物園も、2016年度から2018年度(来春)まで、秋田銀行が命名権を購入して「大森山動物園~あきぎんオモリンの森~」という名前になっている。
「大森山動物園」の名を残したのは好感が持てるが、その後にニョロニョロが続くのは長ったらしい。「オモリン」というのは、2013年に制定された動物園のイメージキャラクター。
大森山動物園には2006年に「ミルヴェ」という愛称が付けられて、市・動物園側はよく使っていた(一般の知名度はそこそこ)。ネーミングライツ後も廃止されてはいないようだが、実際のところあってないような状態。
※アルヴェは、秋田駅東口「アルヴェ」の“セルフパクり”のようだけど、アルヴェも意識した命名であることが公式に説明されている。


さて、大森山動物園では、平成初期にアミメキリンとアフリカゾウが新たに導入されていた。
市政100周年記念事業だったはずだけど、「念願」と言われたり、「ゾウとキリンがやって来た」とかいう市民ミュージカルまで上演されたかと記憶する。
県立男鹿水族館のテラタ知事(当時)による「白熊(標準和名はホッキョクグマだが、知事がそう呼んだために、一時マスコミや水族館自身もそう呼称してしまっていた)」導入に対する執念はすごかったけど、思い返せばゾウ・キリンも同じかも。

キリンは今も飼育されているが、個体は入れ替わっている。
ゾウは、生後間もなく南アフリカからやって来た雌雄1頭ずつが、この30年弱の間ずっと飼育されていた。公募で決まった名前は、その名も「だいすけ」と「花子」。誰もおおっぴらには言わないけれど、宮川大助・花子が由来であろう、なかなかセンスのある命名。
2008年撮影。後ろ姿の花子(左)とだいすけ
幼少期からずっといっしょだったせいか、だいすけ・花子の間には子ができない。国内の他の動物園でも同様で、アフリカゾウの少子化が問題になっている。
東北地方には大森山、盛岡、仙台の八木山と3つの市立動物園があるが、いずれもそうで、連携して繁殖を目指すことになった。

まずは、大森山と八木山でメスを交換する(とりあえず2年程度との報道も)ことになり、この秋、花子が八木山へ行き、リリーという同い年のメスが大森山へ来た。
2008年撮影の花子
輸送は無事終わって、今は新しい環境に慣れさせ、オスとの相性を見ている段階。


ところで、以前(2008年頃らしい)、河北新報でリリーについてのとある「疑惑」を報じていたのが記憶に残っていた。
ゾウはアジアゾウとアフリカゾウの2種が現存する。
アジアゾウのほうは、生息地によって差異があり、それを亜種として区分するかどうかは議論が分かれるらしい。
アフリカゾウのほうには、亜種とするか別種とするか定まっていない一群があり、「マルミミゾウ」またはシンリンゾウと呼ばれる。
※「インドゾウ」というのは、種名としての現・アジアゾウの旧称であるとともに、アジアゾウの中の亜種の1つとして、今もインドゾウの呼称を使うことがある。

河北新報の報道では、リリーは(狭義の)アフリカゾウではなく、マルミミゾウの可能性があるとのことだった。国内に他にマルミミゾウはいない。
現在の動物園は種の保存に厳密で、異なる種はもちろん亜種であっても間に雑種ができてしまうようなことはしないから、アフリカゾウとマルミミゾウの雌雄をいっしょに飼育するのはまずい。当時の報道では、専門機関にDNAを鑑定してもらうとのことだった。

鑑定結果など続報を見た記憶はなく、ネット上にもない。今回の交換を報道する河北新報にも出ていない。
その後、10年も雌雄いっしょに飼育され、今回のプロジェクトの対象になって秋田へ来たということだから、結局はリリーはマルミミゾウではなくアフリカゾウだったということなんでしょう。
そういえば、リリー受け入れ時のインタビューで、大森山の園長補佐がリリーについて「顔が小さくて」と話していたから、マルミミゾウっぽい顔立ちの個体だったということかな。


最後に今回の花子とリリーの移動(異動?)の報道について。ここでネーミングライツの話になる。
仙台の動物園は、正式名称は「仙台市八木山動物公園」。動物園でなく動物公園。なお、八木山ベニーランドは民営だが、動物園は市営。
こちらもネーミングライツを実施していて、2017~2019年度は「セルコホーム ズーパラダイス八木山」。

ネーミングライツが実施された施設では、企業名などが入ってもNHKでもそう伝えているから、どこのマスコミでもそのまま伝えるのだと思っていた。ところが、今回はそうでもなかった。
まず、大森山動物園の公式ホームページでは、「仙台市八木山動物公園からアフリカゾウのリリーが大森山動物園に無事到着しました。」と、意外にも正式名称のみ。セルコホームはともかく、秋田銀行にしてみれば、秋田市にカネを払ったのに使われないのは不本意かも。

マスコミでは、
河北新報、秋田テレビ(フジ系)、東北放送(仙台のTBS系)は、正式名称だけで、ネーミングライツは一切触れなかった。たしか秋田朝日放送も。
仙台放送(フジ系)は、原稿(音声)では正式名称のみ。字幕は、「大森山動物園」と「セルコホーム ズーパラダイス八木山」とちぐはぐ。
なお、別件のレッサーパンダの話題を伝えた東日本放送(仙台のテレ朝系)は「ズーパラダイス八木山」と、企業名部分を抜いた中途半端な呼び方。

NHKは、仙台放送局、秋田放送局とも、音声で1度ずつネーミングライツの名称で伝えた。原稿の他の部分や字幕では、正式名や「仙台の動物園」など。
 NHK秋田とNHK仙台
NHKのガイドラインでは「ニュースや番組の中では繰り返しを避けて、抑制的に名称を用いる」としているそうだ。今回もそれに従ってはいる。
しかし、民間報道各社でも企業名を一切使わない伝え方をするところもあることを踏まえると、公共放送のNHKでネーミングライツ名を伝える必要があるのだろうか疑問。
NHK秋田
あと、両局とも、大森山のオスを「ダイスケ」とカタカナ表記してしまっているけど、ひらがなの「だいすけ」ですよ。


そして秋田魁新報。いちばんちぐはぐかも。
16日付秋田市地域面
リード文では「秋田市浜田のあきぎんオモリンの森(大森山動物園、小松守園長)に15日、繁殖のため八木山動物公園(仙台市)から」
大森山はネーミングライツにカッコで正式名称併記かつ園長名入りなのに、八木山は正式名称のみ。
さらに本文のインタビュー部分で改めて「大森山動物園の小松園長(66)は」と年齢入りで紹介されてしまっている。※66歳なのは、定年退職後も雇用されているから。

企業・組織・団体などの名称の後、カッコでその長の氏名が掲載されるかどうか、その基準はなさそう。※過去の記事
でも、今回のように、後で園長のインタビューが出る時は、リード文には園長名は出さず、インタビュー部で初めて名前(フルネーム)が出ることが多いはず。なんで今回は大森山だけ園長名を2度も載せたのか。

ネーミングライツは「あきぎん~」だけ載せたのは、魁にもよく広告を出す秋田銀行への配慮・忖度だったりしてね?!
要は、秋田のマスコミは仙台のネーミングライツを知らず、仙台のマスコミはその逆、ということだろうけど、ネットで公式ホームページを見れば分かることだ。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サボテンの花

2018-06-06 00:25:45 | 動物・植物
5年くらい前だろうか、持て余したというサボテンの鉢植えを、押し付けら…、いや譲り受けた。
丸っこくてトゲが生えたのではなく、平べったくて細長い葉が伸びる「クジャクサボテン」。※サボテンではないアロエなどに似ていなくもないが、クジャクサボテンはれっきとしたサボテン科の植物。

秋田でも、光に当て、寒さと雪をある程度防ぎ、適切な水やりをすれば、サボテンを枯らさずに育てることは難しくはない。それに加えて栄養や環境をもう少し配慮すれば、花を咲かせることもできなくはない。
もらったクジャクサボテンも、元気に育ち、2年前くらいには春先につぼみが着いた。ところが、すべて枯れて落ちてしまった。外に置いたため、アブラムシが付いたのと、温度変化が激しかったのが原因か。

そして昨年。落ちずに大きくなったつぼみがあった。
デカイ! ※比較は一般的な長さの蛍光ペン。左上には小さいつぼみがある
そして、ついに、
咲いた!!
すごくゴージャスな花。
クジャクサボテンがそういう名前なのは、花をクジャクの羽に見立てたからだそうだけど、納得。
ペンより大きい

つぼみと花
昨年は、つぼみが10個ほどついたが、うち2つが大きくなって咲いた。残りは赤く色づいたものの小さく、咲かずに落ちてしまった。

花は、どうも夜に開いて、丸1日とちょっと程度の短期間でしぼむ。
月下美人という白い花が咲くサボテンがあるが、それもクジャクサボテンの仲間だから、似ている。
クジャクサボテンの花のアップ
めしべは先端が分かれていて、おしべはたくさん。
花弁は内側と外側が別の形状で、色も微妙に違う。外側の花弁はがくが変化したもののようだ。ユリなどと同じく、花の器官形成のABCモデルで説明がつくヤツか。
【6日追記】見た目のイメージからすれば、良い香りを漂わせそうな花。月下美人はたしか香りがいいはず。でも、このクジャクサボテンは、鼻を近づけると、青臭い、いかにも植物らしいニオイ(良い香りでもないが、悪臭とも言えない)がする程度。

我が家には別のサボテンもあって、クジャクサボテンに先立って花を咲かせていた。イースターカクタス。
下がイースターカクタス
よく見れば、葉の構造は少し違うけれど、花の造りは両者でそっくり。大きさはぜんぜん違うけれど。

クジャクサボテンの花を初めて見て感動したけれど、さほど珍しくもないようだ。秋田市内で、たくさん花がついた大きな鉢を庭に出していたお宅もあった。
今年は、なぜか小さいつぼみはあまりつかなかったが、大きなつぼみは3つ着いて1つ落ち、昨年と同じく、5月下旬に2つが開花した。

【2019年5月26日追記】2019年は毎日1つずつ、連続して3つ咲いた! 改めて匂いをかぐと、おしべは花らしい甘いいい香りがするようだ。めしべが青臭い?



ところで、財津和夫作詞作曲の「サボテンの花」という歌がある。元は1975年にチューリップ(音楽グループ)が歌ったもので、1993年に財津和夫がソロで歌ったものが、ドラマ「ひとつ屋根の下」の主題歌になって、我々世代でもわりと知られている。
財津さんがイメージしたサボテンの花は、雰囲気からしてクジャクサボテンではないでしょうね(「小さな花」と歌われているし)。

NHK「みんなのうた」で1988年6・7月には、山田邦子が作詞して歌った「サボテンがにくい」という歌もあった。作詞【7日訂正】作曲・山崎直也、編曲・塩塚博。塩塚氏は、JR東日本などの駅で流れる発車メロディーを多く作っていて、この歌もなんかそれっぽい。
当時流行りつつあった(1990年の「おどるポンポコリン」が代表)、コミックソング(ナンセンスソング)系の歌。
この歌では、トゲを恐れる描写があり、「かわいい花咲く」と歌われ、アニメーションでは大きな「弁慶柱」らしきサボテンが出てくる。弁慶柱は実際に「かわいい花咲く」ようだ。クジャクサボテンは「かわいい花」とはちょっと違うね。
(再掲)名古屋市東山動植物園の弁慶柱
ちなみに、現在=2018年6・7月のみんなのうたの再放送曲の1つとして、「サボテンがにくい」が放送中。ラジオのみでテレビでの放送はないようだが、久々のオンエア。初回放送からちょうど20年だから、そういうことも考えて再放送しているんだろうか。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新世代白鷺?(とババヘラ)

2018-04-04 00:31:40 | 動物・植物
秋田駅近く、広小路に面した千秋公園「大手門の堀」。最近の秋田市では「大手門堀」と「の」を抜いて表記することが多いようだ。
まだ木々も芽吹かず、寒い日も多い4月初めの光景
夏に咲き乱れるハスは、まだ葉っぱも出ていない。上の写真で道路寄り水面にぽつぽつと突き出ているのは、ハスより先に葉が出て開花するスイレン。お間違いなく。

さて、上の写真でお堀の中に白くて首が長い鳥がいる。サギだ。
「白鷺(しらさぎ)」と言うけれど、それは白いサギ複数種を指す総称。

以前から何度か取り上げているように、秋田市の勝平山にはサギの集団営巣地がある。そこにいるサギたちは、千秋公園や旭川など市街地の水辺に魚を捕りに来ることがある。
勝平山には、アオサギ、ダイサギ、ゴイサギの3種が住んでおり、いちばんよく見かけ、かつ警戒心が薄いのがアオサギ。人が近づいても、意識はするが平然としている。個体差もあるようだけど。(この記事など)

3種のうち白いのはダイサギ(大鷺=ただしアオサギよりは1回りほど小さい)。さらに細かく分けた亜種では、秋田で繁殖するのは「チュウダイサギ」のようだ。
ダイサギは田んぼで見ることはあるが、市街地にはほとんど来ない(アオサギが“来すぎて”いる?)ようで、アオサギより警戒心が強そう。
以前から大手門堀には、アオサギやダイサギはたまに来ていたが、いずれも広小路から離れた、人の手がとどかない場所に降りていた。そのほうが魚捕りに集中できるのは分かる。

ところが、大手門堀のこのダイサギは、かなり度胸が据わっている。
写真の通り、広小路歩道のすぐそばにいる。車や通り過ぎる歩行者は別として、立ち止まってカメラを構える人間に対しても、意識はして少し歩くものの、大きく離れたり飛び立ったりはしない。
アオサギでさえ、この距離なら飛んでしまうと思う。
水中を歩いているけど、またすぐ立ち止まる
冬の結氷していた時にも、開いた穴近くの氷上にたたずむダイサギがいたし、融けた後もわりとよく来ている。同じ個体なのだろう。ツキノワグマでは、人を恐れない「新世代」が現れているそうだけど…
あえて広小路近くにいるのは、スイレンの葉の下に隠れている魚を狙っているのかもしれない。
サギは夜目が効くそうで、アオサギはネオンまたたく(ほどでもないか)川反近くの夜の旭川で魚を狙っていることがある。ダイサギはどうだろうか。

ダイサギは今はくちばしや脚が黄色いが、間もなく繁殖期になると、婚姻色といって黒くなる(上記田んぼの記事参照)。目の周りの色も青くなる(チュウダイサギの場合)し、羽も換わるそうだ。

中土橋通りには、早くもババヘラアイスが出ていた。
ババヘラとダイサギ。どちらも獲物を待つ?!
ババヘラは、春分の日には既に出ていた(土日祝日のみ?)。魁の高校剣道の全国大会に来た選手たちや、暖かい日にはそれ以外にも買い求める人がいたが、まだ寒い日が多く、手持ちぶさたなことが多そう。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フウとエノキの落葉

2017-12-15 00:33:03 | 動物・植物
秋田市は雪がそれなりに積もってはほぼ消えるのを何度か繰り返し、内陸部などでは数十センチの積雪になり、すっかり冬本番。
遅ればせながら、以前の紅葉に続く落葉を2題。

今年、秋田大学医学部附属病院前の街路樹の紅葉が美しいことを初めて知った。
モミジバフウという(モミジやカエデではなく、近縁種でもない)木で、10月末が盛りだった。

その後、11月初め。
落葉が進む
木に付いている葉は、最盛期よりは減ってスカスカ。
道路の一角には、落ちた葉のほかに、
イガイガ
ピンポン玉よりも小さい、トゲというか突起がある球形のもの。モミジバフウの果実である。
プロペラ状の種子が落とされる本当のモミジ・カエデとはまったく違い、このことからも縁遠いことが分かる。

果実が落ちているのは、並木のごく一部だけ。おそらく果実ができる木とできない木があって、できない木が圧倒的に多いと思われる。
モミジバフウは雌雄異株ではない(雄花雌花が別に咲く雌雄異花ではあるようだ)。
憶測だけど、プラタナスの仲間のように交雑種では果実ができない場合があるから、これも交雑種が多いということなんだろうか。

それからさらに1か月後。
12月初め
すっかり落葉した木が多い中、しぶとく葉が残る木がちらほら。個体差なのか、環境の差によるものか、おもしろいものだ。
すっかり落葉したこの木は、
上のほうに何かある
拡大すると、
果実が付いていた
その後の果実が付いた様子など。


もう1つは、土崎の「寺小山」というところにある、大きなエノキ。
昨秋はなかなか落葉しなかった。八橋一里塚のエノキは、ケヤキより先にとっとと落葉してしまうのに、こちらはケヤキよりも遅かった。今年は?
6月。今年も青々と茂る
雪が積もった11月25日。
雪の中、葉を付けている!
青々とした葉ではなく、枯れかけている葉が多いけれど、いちおう葉が茂っている。樹冠の下は雪が積もっていないことから、相当の葉が残っているのがうかがえる。異様な姿にも見えてしまう。
風下側の雪の上には、
落葉
葉には小枝も少し付いていて、落葉と言うよりも枝ごとちぎれて落ちたようにも見える。

雪が消えて、12月初め。
まだ残ってる
ただ、確実に葉は減っていて、枝が見えるようになってきた。その後、12月10日頃には、一部を除いてほとんど落葉していた。

ちなみに、11月末の雪が消えた段階で、仁井田大野にある、こちらも大きな(姿はだいぶ違うけど)エノキは、
すっかり落葉

ということで、八橋一里塚、大野と比べると、寺小山のエノキは落葉が遅いのは確実。他にエノキの木を知らないので推測だけど、黄葉して落葉するのではなく、葉に付いたまま枯れて落ちるというのは、寒さや雪に負けて強引に落葉させられているようにも感じられる。エノキは葉がややテカテカして、どちらかと言えば暖地の木っぽいところもあり、秋田の気候に合っていないようにも見えるけれど、寺小山で何年も育って大きくなったのだから、これはこれでいいのでしょう。
一里塚・大野と寺小山では、完全に同一の「エノキ」ではなくて、実は少し違う(変種)のかもしれない。DNAを調べたら分かる。

線路の向かい側から
男鹿線EV-E801系とポートタワーセリオンとほぼ落葉した寺小山のエノキ。今年から見られるようになった組み合わせ。写真のアングルとしては強引ですが。
エノキは、セリオンどころか奥羽本線が開通する前から、ここにあるのだろう。今年も冬の間しばしお休み(だけど海風が当たって寒そう)。

【2018年11月12日追記】翌2018年は、10月初めまでに台風や低気圧による海からの強風が何度か吹き付け、「塩害」によって紅葉前に落葉してしまう木が多く見られた。海側だけが落ち、反対側だけ黄葉するイチョウなども。大学病院前のモミジバフウも同じような状態。
寺小山のエノキも、立地上風をまともに受けたようで、11月初めの時点で既に多くが落葉し、10日にはほとんど残っていなかった。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

税務署の夏水仙

2017-09-15 00:25:44 | 動物・植物
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の植物には、夏から秋にかけて、葉がない状態で花を地面から突き出して咲かせるものがある。
これまで当ブログでは、ヒガンバナキツネノカミソリを紹介した。

もう1つ、「ナツズイセン」という植物も同じ咲き方をする。
春に咲くスイセンのような葉で夏に花が咲くのが和名の由来。なお、スイセンもヒガンバナ科だが、スイセン属。
ナツズイセンはヒガンバナと同じく、基本的に種はできず、中国から渡来した帰化植物だと考えられている。

秋田市内では、民家の庭でお盆の頃にひっそりと咲いているのを、意識しているとけっこう見かける。ギリギリ北限であるヒガンバナよりも多い。
ナツズイセンの花
上の写真は10日ほど前・9月初め撮影。花が終わりかけてきているが、日当たりのいい場所で9月に入ってこの状態とは、遅め。多くの民家では散っている頃。

写真のナツズイセンは、今まで見たナツズイセンの中では、いちばん背が低くひざ丈程度。さらに花茎が赤みがかっている。よく見るのは1メートル弱くらいの高さで緑色の花茎。
背が低く、花茎が赤いというのは、上記リンク先の今はなき市役所花時計周辺のヒガンバナや、千秋公園の茶室周辺のキツネノカミソリなどで見られた特徴。ヒガンバナ属の植物では、品種もしくは何らかの環境条件によって、花茎に花弁の色素が現れるのだろうか。

はじかみ(芽生姜)みたいに見えるけど、たぶん有毒


このナツズイセンが咲く場所は、

後方に看板が見えているとおり、仙台国税局秋田北税務署の植えこみ。
道路沿いにまばらに針葉樹が植えられている中で、この一群だけ唐突に咲いていた。

ちなみに秋田北税務署は土崎駅の近く。
秋田市には中通の秋田南税務署と北税務署と2つの税務署が存在する。北税務署は秋田市北部と市外の男鹿南秋地域、残りの秋田市(旧河辺郡を含む)が南税務署と管轄を分けている。

※2019年にも同じ場所に同じくらいの数咲いた。2020年8月17日でも同じ咲き方。2021年8月25日は同じ場所だが3本に減った。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウバユリ/キツネノカミソリ

2017-08-26 23:46:17 | 動物・植物
秋田市中央部の城址公園である千秋公園には、あまり人が訪れない林のようなエリアもある。
市街地とは思えない豊かな自然の中で、いろいろな動植物が棲息し、これも千秋公園の魅力であることを、以前から紹介してきた。
今回は、そこで咲く2つの夏の花について。

まず、現在は花が終わってしまったもの。梅雨明け頃・7月下旬に咲いていた。
千秋トンネル・手形側。左上に咲いている
千秋トンネル手形側の道路は掘割(切り通し)で、上空はうっそうと木々が茂る。アブラゼミに加えて、秋田市街地では珍しいヒグラシの声も聞くことができる。彌高神社の裏手の斜面に当たり、人は立ち入れないほぼ手付かず(管理はされているようだけど)の林。その中。



つんと飛び出た茎に、細長いラッパ状の地味な色の花が四方に咲いている。防災行政無線のスピーカーを連想させる咲き方。
薄暗い林で、地味だけど存在感を放つ花が唐突に咲いているのは、どこか薄気味悪い雰囲気がしなくもない。

以前、千秋公園の別の場所(西側斜面)で咲いているのも見たことがあった。
「ウバユリ」というユリだと思っていたが、改めて調べると、ウバユリは関東以西の分布。北には変種の「オオウバユリ」が分布するそうなので、これもオオウバユリだろうか。(でも写真などで比べると、ただのウバユリっぽい雰囲気もしなくはない)

ユリ科ウバユリ属に分類される。
鮮やかで豪華な一般的な「百合の花」はユリ科ユリ属なので、若干遠い親戚といったところ。
花の咲き方も独特だけど、葉もユリらしくない(というか単子葉植物らしくもない)、大きくて広いもの。この葉が、花が咲く頃には枯れていることが多いので、「葉がない」→「歯がない」→婆さん→姥の連想で「ウバユリ」になったそうだ。姥にも、植物にも、失礼でかわいそうな命名。
属は違っても、鱗茎を食用にする「百合根」はあり、アイヌの人たちには重要な食料とされ「トゥレプ」と呼ばれたそう。

千秋公園のウバユリは、花が咲いても葉は青々としていた。
オオウバユリは1本につき花が10輪以上も付くこともあるようだが、ここでは4~5輪程度(このことからすれば、やはりただのウバユリ??)。

お盆前には花がすべて終わり、後には果実ができている。まだ葉はしっかりとある。
横向きだった花と違い、果実は上向き
種もけっこう実るようだ。


もう1つは、現在咲いている花。
西側の本丸から二の丸裏にかけての道
斜面にオレンジ色のユリのような花がぴょんぴょんと出て咲いている。
葉はない
ヒガンバナ科(分類法によってはユリ科)の「キツネノカミソリ」という植物。
ヒガンバナと同じように葉がない状態で花だけを咲かせるが、葉を出す時期はヒガンバナが花後なのに対し、キツネノカミソリは早春から夏前。どちらも有毒。
「キツネノカミソリ」の名は、葉がかみそりのような形なのにちなむそうで、今の季節では分からない。「キツネ」は花の色からの連想あるいは、変わったライフサイクルを狐につままれたのに例えたのだとか。
秋田市ではヒガンバナはギリギリ生育できる北限のせいか、あまり見かけないけれど、キツネノカミソリはより耐寒性が強いようだ。

千秋公園のキツネノカミソリは、茶室の日当たりのいい斜面に咲くのは、ほぼ毎年NHKが「季節の風景」で紹介するなど、それなりに知られている。
上の写真は、茶室からつながる斜面であり、若干陰にはなるが、そこそこ日が当たる。そういう環境を好むのかと思っていた。

さらに歩いていると、
分かりにくいけど、全面に点々と
より木が茂り、笹やミズヒキなど草木が生い茂る斜面にも、キツネノカミソリが咲いていた。これは知らなかった。
なるほど。他の草が芽吹く前に葉を出すキツネノカミソリだから、夏場の日当たりはあまり重要じゃないのかも。
日陰のキツネノカミソリ
日当たりのよりも、日陰のほうが、やや大型に見えた。
それに花茎の色は、日当たり(たしか茶室のも)のは花と同様に赤みがかっているのに対し、日陰のものは緑色。図鑑などでは緑色が一般的のようだ。
秋田市内のお寺の庭(日当たり良好)に植えられているキツネノカミソリは、小柄で赤い花茎だった。
環境によるのかもしれないし、遺伝的に違う群落なのかもしれない。
そういえば、ヒガンバナも花茎の色は赤と緑がある。ヒガンバナは種ができないので、遺伝的な差は小さいと思うが、キツネノカミソリは種ができる個体とできない個体があるそうだ。 
【28日追記】写真撮影から1週間経たない28日には、日向・日陰ともキツネノカミソリはほとんど散ってしまって花茎だけになっていた。意識しないと花が咲いていたとは分からない。キツネノカミソリの花期は短いようだ。


千秋公園表側では、今年もハスが見事。その反対側では、ひっそりと咲くほかの花もたくさんあるのです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

29羽のカワアイサ+1

2017-08-18 00:22:11 | 動物・植物
秋田市中央部を流れる旭川、保戸野と千秋地区。
手前右
護岸の水際の乾いたところに、鳥がいる。
ずらり
左端にアオサギが1羽。あとはカモのような鳥が29羽。
29羽は、ずっと前に紹介したことがあった、カモの一種「カワアイサ」。
以前は冬だったので雌雄で色(柄)が違ったが、夏は雌雄とも同じ。冬の雌と同じ色。

本州においてカワアイサは、図鑑上では冬鳥であり、「川アイサ」というわりには海にいることもあるようだけど、この通り夏に川にいるのはまぎれもない事実。
少なくとも10年以上前から、夏場はこのように、朝にどこかから集団で泳いできて、この辺りに上陸して過ごし、夕方に揃ってどこかへ泳いで帰る日々を送っている。
立つ者、座る者、目をつぶる者、口を開ける者さまざま
カラスがよくやっているけれど、鳥類も犬と同じように暑い時に口を開いて体温調節するようだ。この時のカワアイサは、数羽が口を開けていた。

カワアイサのメンバーは毎年(あるいは日々)増減を繰り返していて、昔はせいぜい十数羽だったと思う。毎年数えているわけではないけれど、29羽もいるのは初めて見た。


そして、カワアイサから微妙に距離を置いて、1羽のアオサギ。
カメラ目線。ちょっと警戒させてしまった
よく見かけるアオサギよりは体が小さいし、色もちょっと違う。今年生まれた幼鳥だろうか?
アオサギはこんな格好で川の中の魚を狙うけれど、この立ち位置では、水面まで距離があって無理がありそう。休憩中かな。

アオサギとカワアイサ、大きさは違うし、ここでは数ではカワアイサが優勢。だからケンカにならないのか。
互いに食うか食われるかの関係ではないけれど、カワアイサも魚を好むから、食べ物では競合する(餌の捕り方は違う)。
これほど近くにじっとしているということは、さほど意識していないのか、相性は悪くないようだ。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

清水のカモメ

2017-04-23 23:18:17 | 動物・植物
静岡旅行記。※前回の記事
清水港の「エスパルスドリームプラザ」へ。
かつての貨物駅跡を観光施設的な商業施設にしたもの。JR清水駅から1.5キロほどで、無料送迎バスが出ているし、三保の松原方面行きの路線バスの運賃100円区間内。
※清水駅方面からの路線バスでは、たしか「港橋」停留所でドリームプラザの最寄りとの放送が入るが、次の「波止場フェルケール博物館」で降りたほうが、少し近い気がするし、場所が分かりやすいのは、よそ者の気のせいでしょうか…

秋田港のセリオン~ベイパラダイス周辺に若干雰囲気が似ているが、全体の規模も客の数も比べ物にならないほど、清水のほうが大きい。秋田港は、街からやや遠く、冬は波風や吹雪で危険な状態になるから、仕方ないけれど。

観覧車もある。現地にしては寒い日のせいか、屋内は人が多いのに、外はほとんどいない
上の写真右奥の黒い物体は、かつて使われていた「テルハ」と呼ばれるクレーンをオブジェとして残しているもの。
建物外側のウッドデッキからは、海が見える。春まだ浅い時期だったせいか、いわゆる潮の香りはしない。
港らしい光景
ここは三保の松原のある三保半島の内側である折戸湾の奥に位置し、さらに防波堤で守られていて、水面は風で揺れる程度で穏やか。向かいはJ-オイルミルズの工場(?)。

さて、上の写真、ヨットとの間に、境界の目印なのか、網でも張ってあるのか、黄色い浮きがずらりと並んでいる。その浮きには、
海鳥がずらりと乗っかる
たいていの人が一見して「(総称としての)カモメだ」と認識できるであろう姿形の鳥。
では、具体的な種(しゅ)は?
びっしりと同じ方向を向いて整列
秋田の人はあまり見たことがないカモメかもしれない。これは「ユリカモメ」。
東北地方日本海側にも冬鳥として飛来するらしいが、僕は秋田ではユリカモメを見たことがない。
15年ほど前の正月、初めて清水を訪れた時、巴川の橋の欄干にびっしりと並んでいるのを見たのが初めてだった。

秋田でカモメといえば、ウミネコ。秋田市街地にもやって来る
ウミネコと比べると、ユリカモメは小さくて、白くて、かわいらしい。

実は、清水にもウミネコがいた。
この浮きは、「く」の字に配置されていて、その折り返し部分は浮きが大きい。
そこ(右端)に座っているのがウミネコ
ユリカモメさんたちは立っているのに、ウミネコは1羽だけ、大きいところを陣取って座りこんでいた。
比べてみると、ウミネコはユリカモメより2回りほど大きい。

ユリカモメたちが声も出さずに静かに過ごしている中、折り返し部分で一部“席替え“が行われ、若干もめ事に。
新メンバー参入
ウミネコが2羽に増えているけれど、どちらも幼鳥の名残りがある若い鳥。さっきまで座っていた大人のウミネコは、子どものために明け渡したのかいなくなった。

さらに、海面には黒い鳥が泳いで来た。
初めて見る鳥で、鵜とは形が違い、どちらかと言えばカモっぽい。クイナの仲間の「オオバン」か。淡水のほうにいることが多いようだけど。

数分後、再度席替え。
ユリカモメがセンターをゲット!
若いウミネコは2羽とも、脇へ。不服そうな顔に見えなくもないし、周りのユリカモメたちから冷たい視線を送られているように見えなくもない。

思い思いに過ごすユリカモメ
ユリカモメたちの整列の仕方は、折り返しの「く」の字寄りの浮きにはすき間なく並んでいるのに対し、折り返しから遠いほうの浮きには、1羽もいない。
秋田のウミネコも、まとまって行動してはいるけれど、ユリカモメほどくっついたりきれいに並んだりはしないと思う。八戸の蕪島で子育てするウミネコたちも、これほど整然としてはいない。
ユリカモメはくっついてまとまって過ごすのが好きなのかもしれない。
まあ、ユリカモメもウミネコもいっしょになって、全員同じ方向を向いているのだから、ウミネコもそれが嫌いではないのでしょうけどね。


ところで、童謡「かもめの水兵さん(作詞 武内俊子、作曲 河村光陽)」。
子どもの頃にこの歌を聞いても、歌っている内容は理解できるものの、現実味に欠けるというか、情景は想像できなかった。
だけど、清水港(あるいは以前の巴川)のユリカモメの姿を見れば、「ならんだ水兵さん」「白い帽子 白いシャツ 白い服」という歌詞が、とてもすんなり理解できる。
歌いこまれた「かもめ」の種名は分からないようだが、作詞者が横浜港で見た光景に着想を得たとの話。横浜ならそれがユリカモメだった可能性はある。

旅行記の続き

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする