秋田から博多まで来て、次は熊本・鹿児島へ向けてさらに南下する。
※分かりやすくご紹介する都合上、実際の行程とは順番・方向を入れ替えた画像を使用している箇所があります。
来年3月、九州新幹線の博多-新八代間が開業すれば、青森から鹿児島までが新幹線でつながることになるが、今はまだ同区間は在来線(鹿児島本線)での移動。
その博多と熊本・八代方面の間では、多数の特急列車が運転されている。
博多駅在来線発車標
上の写真では、9時52分の次が10時10分といったように、「有明」と「リレーつばめ」が合わせて1時間に3本も運転されている。
9時52分の有明は「武蔵塚(熊本)」という聞きなれない行き先。リレーつばめは、新幹線区間であるはずの「鹿児島中央」行き。
これは有明・リレーつばめ両者の性格の違いが現れている。
「有明」は多くが博多より東に位置する小倉始発で、熊本駅から豊肥本線に入って武蔵塚・光の森といった、熊本市郊外まで行く。つまり、九州内各地間の移動をターゲットにしている。
一方、「リレーつばめ」は、山陽新幹線の博多と九州新幹線の新八代間で運転されていて、新幹線利用者がメインターゲット。新八代駅では、新幹線と同じホームに入り、乗り換えをスムーズにしている。(下の方に画像があります)そのため、「リレーつばめ」と九州新幹線「つばめ」を1本の同じ列車とみなし、行き先が「鹿児島中央」になっている。(同様に上り「つばめ」は、「新八代」でなく「博多」行きとしている)
もちろん、リレーつばめも熊本駅などにも停車するし、福岡県内ではこまめに停車するので、短距離の乗客もたくさんいた。
なお、リレーつばめは車内販売がある(一部を除く)が、有明は全列車でない。
有明
いかつい顔つきの「787系」電車。
JR九州は、ユニークで凝ったデザインの車両を導入していて、これもその1つ。「リレーつばめ」も同型車だが、車体のグレーの色合いが微妙に異なるようだ。
普通車車内
車内はモノトーンで、とても落ち着いている。シートの柄は何種類かあり、ヒョウ柄みたいなおもしろいもの。
車両中央部に荷物置場があり、車内が半分ずつに分割されているのもユニークだが、小ぢんまりとした感じで悪くない。
座席自体は普通の在来線特急並みで、座り心地はまあまあ。
荷棚は、飛行機のようなフタ付きの「ハットラック」。あまり収容力がないし、開閉が面倒だし、忘れ物しそう。見栄えはいいかもしれないが、この点はやり過ぎだと思う。
博多から熊本までは1時間強、さらに20分ほどで新八代。新幹線ができれば、博多-熊本間はわずか35分だという。
新八代駅ホーム
上記のとおり、リレーつばめは九州新幹線と同じホームに入る(同一ホーム対面乗り換え)。柵で分かりにくいが、上の写真、右の白いのが九州新幹線。
通しで指定席を予約した場合は、原則、両列車で同じ号車・席番になるそうで、乗り換えをスムーズにしている。
800系電車「つばめ」
往年の国鉄の名列車の名前を受け継いだ九州新幹線は、2004年に開業した。
毎時2本運行され、新八代-鹿児島中央間126.8キロ(実キロ。営業キロは137.6キロ)を最速35分で結ぶ。(同区間は新幹線開業前は2時間以上かかっていた)
「つばめ」もJR九州らしく、随所にユニークな趣向が散りばめられている。

写真左:かつて機関車の前についていたヘッドマークのような円形のロゴ。
写真右:ドア横には大きく毛筆で「つばめ」。これは我らが「こまち」の方が先にやってるか。
来年3月の博多開業後は、この車両が「さくら」としても使われるため、今後は「つばめ」表記を削除する計画らしい。
誤乗防止のためにはやむを得ないが、JR東日本では「こまち」と表示した車両が「やまびこ」や「なすの」(と一部の盛岡止まり「はやて」)で走ってますけどね…
車内へ。
デッキ部分
フラッシュをたいたので、色が正確でないが、ドアの内側は「古代漆」、壁は白いドット入りの「柿渋色」、さらに電話室にはつばめ模様ののれんが下がるという、和風テイスト。
客室
九州新幹線はフル規格。そして上の写真は普通車(というかグリーン車がなく普通車のみ)。
秋田・山形のようなミニ新幹線は車体幅が狭いので、通路を挟んで2人がけ座席が並ぶ(1列4人)が、フル規格では2人掛けと3人掛けが並んで、1列に5人が座るのが普通。
それなのに、九州新幹線では、1列4人のゆったりとした座席配置。

座席は西陣織。窓の日除けはサクラ材を使ったすだれ風。肘掛けやテーブルなどはサクラやクスノキの木製。(車両によって布や木材の色・柄が異なる)
この座席には、軽量化の目的もあるようだが、デラックスに見える。
座席の幅が広く、背もたれが高いので、ゆったりと掛けられるが、座り心地自体は、そんなにいいわけじゃなかった。また、前方にテーブルがなく、肘掛けの中にやや小さな扇形のものがあるだけ。
現状では乗車時間が短いのでいいのかもしれないが、この辺は考慮して設計してくれてもよかった気もする。(後から追加製造された車両は、若干仕様が変更された部分もある)
ちなみに洗面所の仕切りは縄のれん!
八代産イグサののれんとのこと。
「つばめ」は6両編成で、指定席と自由席が半々。よほどのことがない限り、自由席でも混雑することはなさそうだ。
在来線時代の鹿児島本線(現在は第三セクター化)は、海沿いの美しい車窓が楽しめたそうだが、九州新幹線は最近開業した各新幹線と同じく、区間のほとんどがトンネル。
だが、以前乗った際(僕は今回2度目の乗車)、一瞬だけ海が見える区間があったので、今回も身構えていると。
海が見えた!
新水俣駅前後だろうか。トンネルとトンネルの間で3~4度、十秒間ほど、海(八代海?)を見下ろすことができた。
海に浮かぶのは天草諸島だろうか、手前には在来線の線路やミカン畑が見える。
この辺りもいつか、じっくりと回ってみたいのだが…
以前乗った時は、車内販売がなかった(それなのになぜか客室乗務員は乗っていて、案内などをしていた)が、現在は飲み物やグッズを売っていた。
あっという間に鹿児島中央駅。
鹿児島中央駅の1つ手前が「センダイ」駅
漢字だと「川内」なのだけど、音やかな文字で見聞きすると、東北人は「仙台」を連想して、ドキッとしてしまう。
「鹿児島」駅もあるが、その隣の「鹿児島中央」駅の方が鹿児島市の中心駅で、新幹線開業前は「西鹿児島」という名だった。
新幹線ホーム南端の車止め
日本の新幹線網の南の果てがここということになる。
左に目を向けると、
正面に桜島!(みなさん「つばめ」を撮影されてますな)
いかにも鹿児島へ来たという風景。
旅行記は続きますが、その中で九州新幹線全線開業関連の話題を改めてアップするつもりです。
※分かりやすくご紹介する都合上、実際の行程とは順番・方向を入れ替えた画像を使用している箇所があります。
来年3月、九州新幹線の博多-新八代間が開業すれば、青森から鹿児島までが新幹線でつながることになるが、今はまだ同区間は在来線(鹿児島本線)での移動。
その博多と熊本・八代方面の間では、多数の特急列車が運転されている。

上の写真では、9時52分の次が10時10分といったように、「有明」と「リレーつばめ」が合わせて1時間に3本も運転されている。
9時52分の有明は「武蔵塚(熊本)」という聞きなれない行き先。リレーつばめは、新幹線区間であるはずの「鹿児島中央」行き。
これは有明・リレーつばめ両者の性格の違いが現れている。
「有明」は多くが博多より東に位置する小倉始発で、熊本駅から豊肥本線に入って武蔵塚・光の森といった、熊本市郊外まで行く。つまり、九州内各地間の移動をターゲットにしている。
一方、「リレーつばめ」は、山陽新幹線の博多と九州新幹線の新八代間で運転されていて、新幹線利用者がメインターゲット。新八代駅では、新幹線と同じホームに入り、乗り換えをスムーズにしている。(下の方に画像があります)そのため、「リレーつばめ」と九州新幹線「つばめ」を1本の同じ列車とみなし、行き先が「鹿児島中央」になっている。(同様に上り「つばめ」は、「新八代」でなく「博多」行きとしている)
もちろん、リレーつばめも熊本駅などにも停車するし、福岡県内ではこまめに停車するので、短距離の乗客もたくさんいた。
なお、リレーつばめは車内販売がある(一部を除く)が、有明は全列車でない。

いかつい顔つきの「787系」電車。
JR九州は、ユニークで凝ったデザインの車両を導入していて、これもその1つ。「リレーつばめ」も同型車だが、車体のグレーの色合いが微妙に異なるようだ。

車内はモノトーンで、とても落ち着いている。シートの柄は何種類かあり、ヒョウ柄みたいなおもしろいもの。
車両中央部に荷物置場があり、車内が半分ずつに分割されているのもユニークだが、小ぢんまりとした感じで悪くない。
座席自体は普通の在来線特急並みで、座り心地はまあまあ。
荷棚は、飛行機のようなフタ付きの「ハットラック」。あまり収容力がないし、開閉が面倒だし、忘れ物しそう。見栄えはいいかもしれないが、この点はやり過ぎだと思う。
博多から熊本までは1時間強、さらに20分ほどで新八代。新幹線ができれば、博多-熊本間はわずか35分だという。

上記のとおり、リレーつばめは九州新幹線と同じホームに入る(同一ホーム対面乗り換え)。柵で分かりにくいが、上の写真、右の白いのが九州新幹線。
通しで指定席を予約した場合は、原則、両列車で同じ号車・席番になるそうで、乗り換えをスムーズにしている。

往年の国鉄の名列車の名前を受け継いだ九州新幹線は、2004年に開業した。
毎時2本運行され、新八代-鹿児島中央間126.8キロ(実キロ。営業キロは137.6キロ)を最速35分で結ぶ。(同区間は新幹線開業前は2時間以上かかっていた)
「つばめ」もJR九州らしく、随所にユニークな趣向が散りばめられている。


写真左:かつて機関車の前についていたヘッドマークのような円形のロゴ。
写真右:ドア横には大きく毛筆で「つばめ」。これは我らが「こまち」の方が先にやってるか。
来年3月の博多開業後は、この車両が「さくら」としても使われるため、今後は「つばめ」表記を削除する計画らしい。
誤乗防止のためにはやむを得ないが、JR東日本では「こまち」と表示した車両が「やまびこ」や「なすの」(と一部の盛岡止まり「はやて」)で走ってますけどね…
車内へ。

フラッシュをたいたので、色が正確でないが、ドアの内側は「古代漆」、壁は白いドット入りの「柿渋色」、さらに電話室にはつばめ模様ののれんが下がるという、和風テイスト。

九州新幹線はフル規格。そして上の写真は普通車(というかグリーン車がなく普通車のみ)。
秋田・山形のようなミニ新幹線は車体幅が狭いので、通路を挟んで2人がけ座席が並ぶ(1列4人)が、フル規格では2人掛けと3人掛けが並んで、1列に5人が座るのが普通。
それなのに、九州新幹線では、1列4人のゆったりとした座席配置。

座席は西陣織。窓の日除けはサクラ材を使ったすだれ風。肘掛けやテーブルなどはサクラやクスノキの木製。(車両によって布や木材の色・柄が異なる)
この座席には、軽量化の目的もあるようだが、デラックスに見える。
座席の幅が広く、背もたれが高いので、ゆったりと掛けられるが、座り心地自体は、そんなにいいわけじゃなかった。また、前方にテーブルがなく、肘掛けの中にやや小さな扇形のものがあるだけ。
現状では乗車時間が短いのでいいのかもしれないが、この辺は考慮して設計してくれてもよかった気もする。(後から追加製造された車両は、若干仕様が変更された部分もある)

八代産イグサののれんとのこと。
「つばめ」は6両編成で、指定席と自由席が半々。よほどのことがない限り、自由席でも混雑することはなさそうだ。
在来線時代の鹿児島本線(現在は第三セクター化)は、海沿いの美しい車窓が楽しめたそうだが、九州新幹線は最近開業した各新幹線と同じく、区間のほとんどがトンネル。
だが、以前乗った際(僕は今回2度目の乗車)、一瞬だけ海が見える区間があったので、今回も身構えていると。

新水俣駅前後だろうか。トンネルとトンネルの間で3~4度、十秒間ほど、海(八代海?)を見下ろすことができた。
海に浮かぶのは天草諸島だろうか、手前には在来線の線路やミカン畑が見える。
この辺りもいつか、じっくりと回ってみたいのだが…
以前乗った時は、車内販売がなかった(それなのになぜか客室乗務員は乗っていて、案内などをしていた)が、現在は飲み物やグッズを売っていた。
あっという間に鹿児島中央駅。

漢字だと「川内」なのだけど、音やかな文字で見聞きすると、東北人は「仙台」を連想して、ドキッとしてしまう。
「鹿児島」駅もあるが、その隣の「鹿児島中央」駅の方が鹿児島市の中心駅で、新幹線開業前は「西鹿児島」という名だった。

日本の新幹線網の南の果てがここということになる。
左に目を向けると、

いかにも鹿児島へ来たという風景。
旅行記は続きますが、その中で九州新幹線全線開業関連の話題を改めてアップするつもりです。