広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

四日市

2010-07-30 23:38:00 | 旅行記
三重旅行記、四日市編です。前回の記事はこちら

津を後にして、三重県北部の四日市へ。
四日市市は津市よりも大きく、人口31万弱で特例市に指定されている。人口が30万人を越えているので中核市の条件を満たしているが、条件を満たして5年経つのに、未だ中核市に移行しようとしていないそうだ。

津(や三重県沿岸部の多くの町)同様、四日市も鉄道はJRと近鉄が競合している。名古屋からなら近鉄かJRで30分、津からも近鉄か伊勢鉄道(JRに乗り入れる3セク鉄道)で30分弱。
ただ、津と異なり、近鉄の四日市駅とJRの四日市駅は別の場所にある。両駅は1キロほど離れており、「近鉄四日市」駅周辺の方がにぎやからしい。それを織り込み済みで、あえて(節約のため)JRで四日市を訪れた。


(JRの)四日市駅は、貨物駅に旅客ホームがあるような感じ。すぐそばが港や工業地帯であり、貨物支線もあることから、貨物列車がいつも駐まっていて入れ替えが頻繁に行われていた。
駅構内はだだっ広くて、がらんとしている。
異様に広い通路。右が改札口。左側線路との間は駐車場
昔は賑わっていたのだろうか。駐車場部分も昔は線路だったのかもしれない。
規模は違うが、秋田市の羽越本線「羽後牛島」駅を思い出した。同駅もかつては貨物列車が発着しており、現在は建物と線路の間に余白がある。
改札前のコンコース
天井が高く、わりと広いが、こちらも無駄に広い印象。
自動改札機があるが、扉がなく、裏返してきっぷを入れられない「簡易型」と呼ばれるタイプ。駅業務はJR東海直営でなく、子会社「東海交通事業」に委託されており、窓口が閉まる時間がある。
この辺も秋田市の羽後牛島や新屋駅に似ている。
旅行会社「JR東海ツアーズ」(東日本でいう「びゅうプラザ」)がある。ほかにはキオスクがあるくらいで、あとは何もない。
ツアーズの向かい側
がらんとしているのがお分かりいただけるかと思うが、奥はシャッターが閉まっており、閉鎖されているが2階への階段がある。
Wikipediaには「駅舎の南半分には、1階部にホールがあり、2階部にはかつてレストランが営業していたが、現在はどちらも使われていない。」とあるので、その部分だろう。昔は賑やかだったのが偲ばれる。
改札内・跨線橋の掲示
左の掲示はトイレが駅の外のあることを言っているが、「玄関を出て」って表現。
言っていることは分かるが、「駅の“玄関”」って言い方するだろうか?
改札口上の表示
「toicaは、エリア内でのみご利用下さい。」とある。
JR東海のIC乗車券、トイカ(Suicaなども相互利用可)のことだが、エリア内で使えと当たり前のことを言っている気がするが…

実は、名古屋側からの関西本線のトイカエリアは、この駅が南端。
つまり、上り桑名・名古屋方面への乗車ではトイカを使えるが、下り津・亀山方面では利用できない。
その旨の注意書きのつもりなのだろうが、「名古屋方面のみご利用になれます」とかもっとはっきり書いてはどうだろうか。
僕もこの後、Suicaで入場したのだが、一瞬、戸惑ってしまった。
駅の“玄関”。上には「名古屋までJRが断然お得!」
JRの名古屋-四日市間は460円、近鉄の近鉄名古屋-近鉄四日市間は610円と、JRが150円も安いのは事実。
ただ、市街地からの距離やアクセス、列車本数を考慮するとねぇ…

やたらと横に長い駅舎。何が入っているんだろう…
そして駅前もがらんとしている。これといった店もない。

バスプールには常時5台程度の路線バスが待機していたが、便数はそれほど多くない。近鉄四日市駅行きのバス(200円)も運行されているが、10分以上待たなければいけなかったので、歩くことにした。
駅正面の「中央通り」をまっすぐ歩けばいい。
車道も歩道も中央分離帯もとにかく広い。沿道には、オフィスビルなどが多く、秋田市役所脇の「けやき通り」みたいな雰囲気。
ただし、中央分離帯に植えられているのはケヤキでなく、照葉樹(クスノキだかタブノキ?)やカナリーヤシ(フェニックス)。広いから公園みたいで分離帯も歩けそうだが、立ち入りはできない模様。
奥が四日市市役所
市役所前がほぼ中間地点。徐々に賑やかになってくる。
近鉄四日市駅到着
11階建ての近鉄百貨店がそびえていた。
近鉄四日市駅は、名古屋と伊勢・近畿方面を結ぶ名古屋線のほか、2つの支線(方面としては3つ)が出ている(後日紹介します)。
デパート2階にある改札口
JRとは違って都会的な駅。天井からぶら下がっているのは、噂の
せんとくん!
初めて見た。近畿圏へつながる近鉄ならではの装飾だ。

「火の用心」
両端に犬がいる。
調べると、四日市市消防本部のキャラクター「ラブ」とのこと。
服装が異なる「きゅうじょたいラブ」「しょうぼうたいラブ」「きゅうきゅうたいラブ」の3種類がいるが、この幕は消防隊と救助隊。
公募で決まった名称だが、由来等は不明。「Love」と見た感じ「ラブラドールレトリバー」が由来だろうか。
アメリカでは、かつて消防馬車の先導をしていたことにちなんで、ダルメシアンを消防のマスコットにすることが多いそうだが。

四日市市のマンホール
水道なのか下水道なのか目的が書いてないが、絵柄もよく分からない。
まん中の船や上のコンビナートと港湾周辺施設は、港湾・工業都市だからいいとしても、なんで下にコアラとパンダがいるの?

四日市はアメリカ・ロングビーチ市と姉妹都市、中国・天津市と友好都市、オーストラリア・シドニー港と姉妹港の提携をそれぞれ結んでいる。
中国のパンダ、オーストラリアのコアラということだろう。じゃあ、ロングビーチの分は?

近鉄駅そばのオブジェ
右側は四日市港の風景。
中は四日市の地場産業で伝統工芸の「萬古焼(ばんこやき)」。国内の土鍋のシェア過半数を占めるほか、急須やあの蚊取り線香のブタ「蚊遣豚」が萬古焼。このオブジェ自体も萬古焼だろうか。
そして左のバケモノは?
「大入道」という。昔、タヌキが入道に化けて悪さをしたのに困った四日市の人たちが、首が伸びる大入道の人形を作って、タヌキを追い払った伝説にちなんでいるようだ。
10月の諏訪神社の「四日市祭」では、1805年から受け継がれているという大入道の山車が練り歩くそうだ。

近鉄の線路を越えた西側はさらに賑やか。
市立博物館・都ホテル・ララスクエアなど
「ララスクエア四日市」というのがあった。
かつては松坂屋などだったようだが、現在は三井不動産系「ららぽーと」運営のショッピングセンター。愛知のユニーが経営する総合スーパー「アピタ」や映画館などが入る。

駅の東側に戻って
近鉄駅付近の、中央通りの裏通りは「四日市一番街」というアーケード商店街。
地元スーパーが入るなど、意外に賑わっていた。
大入道もいます
津市、そして秋田市に比べれば、四日市の中心市街地はまだ活気があると感じた。スーパーだけで2つ“も”あるし。

四日市といえば、イオン(ジャスコ)の創業地だが、そうでない(地元ローカルや名古屋の)スーパーが中心部で健闘しているようだ。
イオンはここでもやっぱり郊外に出店しているから、そっちはもっと賑わっているのだろうけど。なお、四日市市内には、食品売場に地元スーパー、それ以外の売場がジャスコと、共存しているショッピングセンターがあった。


ところで、「四日市」という地名は、「4」のつく日に市(いち)が行われたことにちなむ。
調べると今でも、市内各所で市(朝市とか定期市)が行われており、市のサイト(http://www.city.yokkaichi.mie.jp/nourin_suisan/chisan/ichi.html)に一覧が出ていた。
4にはこだわらず、毎日のようにどこかで開催されている。

訪れた日は、市役所裏で「市役所市場」が開催されているというので、行ってみた。
秋田県五城目町とか、輪島や飛騨高山の朝市あるいは高知の日曜市みたいに、ずらりと出店が並ぶのを想像していたのだが、
これだけ?!
秋田市役所裏みたいな雰囲気の四日市市役所裏の公園前の歩道に、2店だけ。野菜や花を売っていた。
7時から12時開催で、行ったのは10時前だったのだが、他のお店は売り切って店をたたんでしまったのか、それとも最初から2店だけだったのか。
かなり拍子抜けしてしまった。

お盆や正月前、収穫期などは賑やかになるのかもしれない。


四日市といえば、工業都市、そして公害の四日市ぜんそくのイメージが強かった。
実際に訪れてみると、今でも化学工業は盛んだが、萬古焼のほか郊外には田園が広がって伊勢茶産地であるなど他の産業も盛んであるなど、意外な面を知った。
四日市の話がまだあるので、続きます

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2 コメント

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TOICAのICOCAの拡大 (つがる路快速)
2018-01-06 00:34:30
そういえば、この記事で触れられているTOICAのエリアですが、2019年の春に四日市から先の亀山まで使えるようになるそうです。
それに加えて、御殿場線の御殿場から先の下曽我(JR東日本の境界にあたる国府津の手前の駅)と東海道線の関ヶ原から先の醒ヶ井(JR西日本の境界にあたる米原の手前の駅)もそうなるようです。こうなると、現在のSuicaエリアにある福島県から長野県まで一枚で移動できるようになるのと同じように、一枚で神奈川県から滋賀県まで移動できるようになるそうです(笑)。

それからJR西日本のICOCAも、現在の近畿圏・北陸・中四国エリアを接続する形で北陸本線の全駅と山陽本線の相生~和気間と赤穂線の全駅で使えるようになり、3エリアが全てつながるようになるみたいです。
ただ、そうなっても移動できる距離が一部の特例を除いて営業キロ200キロメートルまでに制限されるらしいです。あと、鳥取県を走る境線でも2019年春におそらくJR西日本どころかJRグループとしては初となる、バスや路面電車にあるような車載型のIC改札機サービスが始まるらしいです。境線には沿線に空港があるから導入は当然だと思いますが。
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東日本以外では (taic02)
2018-01-09 00:37:07
東海管内のエリアは拡大しても、東日本との境界は結局つながらないんですね…
いろいろ面倒で難しいのも分かりますが、客としてはそこでこそ拡大してつながってほしいと思う人が少なくないでしょう。

技術的には難しくなさそうな、車載リーダーもついに、そして西日本が実現ですか。
バス用運賃箱をそのまま流用というわけでもないのでしょうかね。

こうして見ると、東日本がいちばんエリア拡大に慎重なようにも思えてしまいます。
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