広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

新幹線の旅

2010-12-11 19:51:40 | 旅行記
今回の旅行は九州へ行きました。
交通手段は新幹線を中心にした鉄道。この記事はその新幹線の旅について。

秋田-大曲、上野-東京間は普通列車で移動し、恒例(?)の630円ほどのささやかな節約。(さらにネット予約で700円割引)
大曲駅は新型車両対応のため、大掛かりなホーム延長・改札口移設工事が行われていた。※前回のようすはこちら
現在は完全に工事が終わり、3本のホーム(3・11・12番線)すべてが7両対応になっていた模様。
既に1度、試験運転で新型「E6系」がやって来ているが、ホームに停止位置を示す看板はなく、前回の記事に示した白い棒の先端を赤く塗って、停止位置を示していたようだ。
現在は、E5系と連結して、フル規格区間での試験走行がメインなので、田沢湖・奥羽本線での試験運転は本格化していないためだろう。

大曲駅2番線にあった、新幹線乗り場を示す表示。
これは!
イラストが正面から見たE6系になっていた。
昔の丸っこい新幹線のイラストと違い、分かりにくいかも。

秋田市内は雪がなかったが、大曲~角館~田沢湖~岩手県境は
うっすらと積雪

東京からは東海道新幹線を自由席で。
混雑する「のぞみ」は乗りたくないし、長距離なのでさすがに「こだま」は勘弁したい。
というわけで「ひかり」に。自由席が5両で、まあまあゆったり。

乗った列車は、ひかり・こだまで一般的な300系でなく、普段は「のぞみ」で走っている700系電車が使われていた。
僕は700系に何度か乗っているが、今回乗った700系は今までのとは少し違った。
 先頭部(乗車したのとは別編成)と車内
どこが違うかというと、先頭部側面に「JR700」というロゴがあり、車内のシートが無地に近いような紺色。(今まで乗ったのはロゴがなく、シートは水色系の柄入り)

実はこれ、JR西日本所有の車両。
他の形式でもそうだが、東海道新幹線の車両はJR東海とJR西日本それぞれが同型車両を所有し、相互に乗り入れしているが、内装などが異なっていることがある。
ほかにも、行き先表示器、車番表示の書体、JRマークの色などが違う。車内放送前に流れる音楽も違い、JR東海車では「AMBITIOUS JAPAN!」、JR西日本車では「いい日旅立ち・西へ」。
のぞみ用700系は、JR東海所有のもの(C編成)が60本、JR西日本所有のもの(B編成)が15本あり、いちおう区別して使用されているようだ。

座席の色合いのため、車内全体が落ち着いた感じがして、いい。“JR西日本らしい”かな。
最近の東日本や東海の新幹線は、ポップというか軽い雰囲気の内装・座席で、明るくていいのだけど、こういう重厚感のあるのも悪くないと思った。

さて、特に冬の時期、東海道新幹線の車窓で楽しみなのが、富士山。
この日もいい天気で、小田原を過ぎた辺りから逆光にシルエットが浮かんでいたが、更に進むと、
三島付近?
雪を抱いた富士山の左側から夕日が差し、凹凸がくっきりと見えた。空の筋雲もきれい。
 新富士付近?
「宝永火口」が正面から山の右側に移動した辺りが車窓の富士山のクライマックスかつ終わり。

そして日が落ちて闇の中を西へ。
岐阜羽島駅停車中(ひかりは名古屋-新大阪間は各駅停車)
多くの新幹線の駅は、上りと下りのホームの間に、「通過線」というホームのない2組の線路が敷かれている。遅い列車がホームに停車している間に、通過線を「のぞみ」などが追い抜いて行くシステム。
岐阜羽島で気づいたのだが、上の写真、真ん中に写っている、上りの通過線にだけ、枕木と敷石(バラスト)の間に、網状のマットのようなものが敷かれていた。
見た限り、上りホームや下り通過線にはそれはない。

岐阜羽島駅の西側には、関ヶ原がある。雪が積もりやすく、東海道新幹線のネックとなっている区間。
関ヶ原を抜けてきた列車が、この上り線を走行することを踏まえると、このマットは雪対策ではないだろうか。
列車の床下に雪や氷が付着し、それが敷石上に落下し、石を跳ね飛ばしてしまうことがある。駅通過中にそれが起これば危険なので、石が飛ばないようにマットを敷いているのだと思う。

なお、山陽新幹線以降に建設された各新幹線は、敷石を用いず、コンクリート上に線路を敷く工法なので、この点は問題ないだろう。
(ただし、雪が落下して直接飛ぶことはあり、以前、乗っていた「こまち」のガラスにひびが入ったことがあった)

岐阜羽島を発車してすぐ、長良川を渡ると、三洋電機の太陽光発電施設「ソーラーアーク」前を通過する。(以前の記事
夜間は、ソーラーパネル上に等間隔にLEDが点灯し、形を浮かび上がらせていた。
それにしても、三洋電機はパナソニック傘下に入り、「サンヨー」ブランドもなくなると聞く。ここはどうなるのだろう。

新大阪で、博多行きの「ひかり」に乗り換え。
これも700系電車だが、のぞみ用でなくJR西日本の山陽新幹線専用の「レールスター」なので、8両編成で自由席が3両。
東海道新幹線のひかりよりも混雑していたが、岡山・福山・広島などと、短区間の利用が多かった。
徳山駅付近の周南コンビナートの夜景がなかなかきれい。四日市にも負けない、大規模なものだった。
博多駅に到着。停まっているのがレールスター
上の写真で、駅名標右隣に「博多南」という駅があることになっているが、これは車両基地への回送線を使って旅客営業を行っているもの。新幹線のフル規格だが、扱い上は「在来線の特急」という、変わった路線。

今回は、秋田から博多まで11時間半かかった!

でも、早い列車を乗り継げば、9時間ほど。乗り換え回数は1回だけ。
北東北から九州まで、鉄道で移動する人は少ないだろうけど、昔(東北新幹線開業前)は秋田から東京までだけで8時間かかっていたのを考えれば、速くなったなと思えるのは、僕だけ?
新幹線の旅も楽しいけど、さすがにちょっと疲れました…

ところで、日本が世界に誇る「シンカンセン」だが、東日本・東海・西日本・九州の各旅客鉄道会社が運行しているので、それぞれ個性・特徴があり、短時間で一気に移動すると、それがよく分かった。
上記の内装や音楽もそうだけど、例えば英語放送の言い回しが違うなど。特におもしろいというか気になったのは次の2点。
・JR西日本区間(山陽新幹線)の「ゴミの回収」
山陽新幹線では、終点や主要駅到着前に、「ご不要な物はございませんか」と車内販売の人がゴミ袋を持って車内を回る。
別に車内販売で買ったものでなくても回収してくれるみたいだが、気が引ける。駅のホームにも車内にもゴミ箱があるんだし。
(東海道新幹線に比べて)乗客が多くなく、運行が長時間におよび、かつ途中駅での乗客の入れ替わりが多いという、山陽新幹線の性格を反映したサービスなのだろう。(「こまち」ではグリーン車だとやっていたはず)

・車掌の入室時の礼
車内を巡回する車掌が、客室内に出入りする時、前方のドアのところで一礼するのは、どの新幹線でも行われている。以前見た海外の日本を紹介するテレビ番組で、「いかにも日本らしい」と紹介されていた。
(新幹線に限ったことではなく、JR東日本では在来線の特急でも、JR西日本では普通列車でさえ行う。)

でも、東海道・山陽新幹線に乗った後にJR東日本の各新幹線に乗ると、JR西日本や東海(や九州)に比べて、東日本の車掌の礼が雑に感じてしまうのだ。
九州・西日本・東海の車掌は、立ち止まって頭を下げる。車両後方から前に歩き、振り返って礼をする際も、180度体の向きを変えてから同様の動作をする。
ところが、東日本の車掌の多くは、ほとんど立ち止まらず歩きながら頭を下げている感じ。後ろから来た際は、体を120度くらいしか回転させず、回転の途中で頭を下げ、そのまま向きを変えながら頭を上げつつ歩いて行くような印象を受けてしまう車掌も少なくない。(秋田新幹線の車掌さんたちはまあまあ丁寧な印象があるが…)

感覚的には、他社の車掌の礼は「ご乗車ありがとうございます。失礼します(しました)」という気持ちが現れているように感じられる(実際には分からないけど)が、東日本のは「(「どうも」じゃなく)ども」程度の気持ちしかこもっていない、「軽い」ものに感じてしまう。
日本の作法としても正しい礼の仕方ではないだろう。こんな中途半端な礼をするくらいなら、いっそ完全にやらない方がいいとさえ思う。
安全で快適で親切な運行や案内をしてくれれば、礼なんてどうでもいいんですけどね。


ちなみに、帰りは博多から名古屋まで、「のぞみ」で一気に移動した。
乗ったのは定期のぞみの10分ほど後を続行する臨時列車ということもあり、3両の自由席も新大阪まではガラガラだった。
その車両は300系電車。初代のぞみとしてデビューしたが、現在はひかり・こだまを中心に運行され、廃車も進んでいる。でも、臨時ののぞみにはまだ使われているんだ。700系と遜色ない乗り心地だった。
300系と700系では、窓下の青いラインの配置(細い線と太い線)が逆になっている

博多駅前で一泊して、さらに南へ

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4 コメント

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すごい道程ですね!! (りお)
2010-12-11 22:24:29
私は新幹線が嫌いなので(耳が痛くなるうえ、景色をあまり楽しめないので)、在来線の移動が多いです。
以前、「北海道・東日本パス」を使って13時間かけて東京に旅行に行ったことがあります。この時は都内の移動、帰りも全てJR東日本の在来線を使ったので、移動費をかなり安く抑えることができました。
今年は網走に電車で行きました。秋田→青森は在来線、青森→札幌は急行、札幌→旭川がまた在来線、旭川→北見は快速、北見→網走が在来線と、25時間かかりました!!
帰りは網走→函館がバス、函館→青森がフェリー、青森→秋田が在来線、なんと28時間もかかりました。帰りは流石に疲れましたが…。
長い移動のある旅行は、その行程を考えるだけでも楽しいですよね。
私は今年ようやく北海道に行くことで本州を脱出したのですが、やはり九州にも憧れますね。もちろん四国や沖縄も。
続編を楽しみにしています。
返信する
在来線も新幹線も (taic02)
2010-12-11 23:14:13
僕は在来線も新幹線もそれぞれ好きです。(要は鉄道好きなだけか…)
東北から東京まで在来線で移動する話はわりと耳にしますが、疲れそうで敬遠してしまっていました。特に最近は歳のせいか、おっくうになってしまって。
新幹線を使えば、日数や宿泊費を削減できる分、効率的だ。などと理由(言い訳)をつけています。

それにしても、りおさんの網走までというのはすごいですね~
道内の長距離バスや青函フェリーを使うというのがおもしろそう。こういう話を聞くだけでも、楽しくなります。
北もいいですが、秋田からはより距離的が遠い南や西へ行くと、新たな発見があると思います。ぜひいつか行ってみてください。

旅行記を書くために、思い出すだけでまた疲れそう(笑)なので、小出しにしますが、どうかお付き合い願います。
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お疲れさま (mugi-shochu)
2010-12-12 17:36:08
秋田から九州まで11時間半の鉄道の旅は、
途中で乗り換えあったとはいえ疲れたでしょう。
東日本と西日本の違い、面白いですね。
特に西日本(と言うか関西?)はお客さんからの注文やプレッシャーが大変なのかな(笑)
今後の九州の記事を楽しみにしています。
返信する
どちらが楽か (taic02)
2010-12-12 19:29:24
乗り換えがない方が楽なのか、気分転換に乗り換えした方がいいのか、どっちがいいのか分かりませんが、ともかく疲れました! 好きでやってることですけどね。

何でも日本全国同じだと思ってはいけないですね。おっしゃる通り、乗客の地域性も関係しているのかもしれません。
車内販売のアイスは、九州よりも東日本(名古屋製ですが)の方が40円安くておいしかった気がします。

続きは、ぼちぼちとアップしていきます。
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