広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

所変われば・高知編2

2010-04-03 21:00:37 | 旅行記
【四国旅行記12-2】
前回に続いて、まとまりに欠けますが、高知市内のいろいろな話題を紹介します。
●秋田では食べ物、高知ではホームセンター?
高知市内にあったホームセンター
近くには行かなかったが、遠目に見る限り、全国どこにでもある店舗形態。
見慣れない看板なので、地元資本の店だろうか。店舗名は…
「ホームセンターブリコ」!!
秋田では、県民魚とさえ言われるハタハタ。その卵をのことを「ブリコ」と呼ぶ(アクセントは語尾)。独特の食感を好む人が多い。
このホームセンターは、高知を地盤とする企業グループの1社による経営で、高知市内で3店舗、楽天とヤフーで通販をしている。
まさかハタハタの卵という意味ではないだろう。看板の「BRICO」から調べると、フランス語で「日曜大工、器用仕事」を意味する「bricolage(ブリコラージュ)」が由来だろう。

●地球33番地と倉庫
秋田県大潟村には、北緯40度線と東経140度線が交わる「経緯度交会点」がある。10度単位で交わるのは、国内でここだけだが、田んぼの中で車でなければ行かれない場所。

高知市には、北緯33度33分33秒、東経133度33分33秒という、3が12個並ぶ場所がある。
地球上で、緯度経度に同じ数字が12個並ぶ場所は陸上で9か所あるが、砂漠などにあるものが多く、容易にアクセスできるのはここだけとのこと。
「地球33番地」と呼ばれ、モニュメントがあるそうなので、話のタネに行ってみた。路面電車ではりまや橋から4つ目「知寄町一丁目」電停で降りて、北へ500メートルほど歩けばよく、本当にアクセスは容易。
「地球33番地通り」という大通りもあるが、1本裏通りを歩くと近い。
川沿いに出た
こちら側(南側)の白いモニュメント(左の矢印)は昭和37年に建てられたもので、本当の“33番地”は、対岸近くの川の中。そこにも新しいモニュメントがある(右の矢印)。
南岸には花に囲まれた説明板
なお、現在は、測量基準が変わり、それによればここから400メートル離れた所がさらに本当の33番地とのことだが、「地球33番地」実行委員会では、元の場所に愛着を持って変更しないそうだ。
川の中が33番地
どこかの店で「到達証明書」を発行してくれるそうだし、対岸へ行こうとも思ったが、面倒なのでやめて戻ることにした。近くにあったのは、
「藁工(わらこう)倉庫」
酒田の山居倉庫、秋田の米倉庫と雰囲気は似ているが、デザインは違う(どれも素敵だ)。今は店舗などに利用されているようだ。

●寛永通宝信号機
地球33番地通りの信号機
まずは、信号機の制御(サイクル)。矢印が3つ(←↑→)付いている。
見ていると、青信号にはならず、すべて矢印で進行を指示するようだ(裏面は通常の青のみ)。
裏面や歩行者用が青の間は、左折と直進のみが点灯(←↑)。その後、裏面と歩行者用が赤になってから右折(→)させるという、方式だった。
時差式信号と思想は同じだが、より右折を明確に区別しているようだ。対向車や横断歩行者との事故を防ぐ狙いだろうか。
矢印信号機が余計に必要になるから、秋田県ではやらなさそう。

もう1つは信号柱のてっぺんにある、何やらのオブジェ。
寛永通宝!
高知の、特にこの場所との寛永通宝のつながりが分からない。なぜ?

●新しい信号機
秋田にもある、薄型のLED式歩行者用信号機
写真で分かりにくいかもしれないが、高知では隣り合った別方向を向いた2台の信号機を、1本のアームにまとめて設置していた。
昔はどうだったのか知らないが、薄くてかさばらない薄型なら無理なく設置できるし、設置費用の節約にもなるだろうから、いいアイディア。「歩行者自転車専用」という看板は律儀に両方に付けていた。【2020年3月27日追記】このような設置方法は「双子」と通称され、徳島以外の四国各県や福島ではよく行われるようだ。これから10年ほど経って、秋田県でもこの設置方法が行われるようになった。
そして車両用、
 
従来のものより、LEDの粒がかなり大きく、丸い粒でなく見える。
メーカーの京三製作所のサイトを見ると、「面拡散型」というもので、正面以外の角度でも見やすく、夜間に正面から見た場合のまぶしさを軽減したものだそうだ。直進しやすいLEDの光を、周囲に広げる(拡散)ようにした、ということかな。
秋田ではまだ見かけないが、将来は設置されるのだろうか。

●クジラとニワトリ
高知城そば、市役所向かいの高知市消防局中消防署の
「火災調査車」
ナンバーが「119」だ(もう1台RV車みたいなのも119だった)。
隣に車がいたので見にくいけど、クジラが描かれていた

ちなみに、秋田市消防本部の高規格救急車には、イルカが描かれている。1995年に「親しみやすく、優しく、時には素早い動きを見せるイルカの様子を、救急車にたとえたもの」で、イラストは消防本部職員がデザインしたそうだ。(1995年9月10日付「広報あきた」1363号より)

忘れていたが、尾羽が長く、時には10メートルに達するニワトリ「オナガドリ」も土佐産。
市内の商店街の道案内や時計にデザインされていた。
 

●未だ現役
地方のバス会社の経営は厳しい。自治体から補助金をもらったり、大都市圏の中古車を購入できるとはいえ、特に一般路線バス用の車両は古いものが多い。
青森の弘南バスは20年前の車両でもまあまあきれいに走っているが、秋田市のバス会社では、10年ほど前の車両でも外側は錆が浮いて継ぎ接ぎ補修、車内もあまりきれいとは言えない。

ところが高知(土佐電鉄や高知県交通)では、20年以上前のバスが現役で走っているというので、見られるのではないかと密かに楽しみにしていた。
路面電車の停留所にいると…
来た!!!
路面電車も運行する土佐電鉄の子会社「土佐電ドリームサービス」所属の車両だ。ネットの情報では、三菱「K-MP518M」という形式で、なんと昭和57(1982)年製。“28年選手”だ。ナンバーは「高知22」でなく「高22」。
この形式の車両は、旧秋田市交通局にも多数在籍していたので、個人的には懐かしい。秋田市営バスが冷房車導入を始めたのと前後した時期だったので、同じ形式なのに冷房付きの車とそうでない車があり、冷房付きの車は2000年頃までは走っていたように思う。

この車両、バスに詳しくない方にはどのように映るだろうか?
現在のバスとは違う構造(モノコックボディ)なので、デザイン的には古く見えるかもしれない。

久しぶりに見た古いバスだが、予想していたよりも違和感がなかった。車体がきれいで錆などほとんどないし、白い部分は泥はね1つなく真っ白。黒煙と爆音をまき散らして走っているかとも思っていたが、そんなこともなく、流れに乗ってちゃんと走っているのには感激した。
また、こんな古いバスに、LED式行き先表示器を設置しているのもとても珍しい。それも古さを感じさせないのかもしれない。(車内にはICカードリーダーもあるはず)
路面電車と同じく、丁寧に手入れされ、大事に運行されているのだろう。
夜になっても走っていた。屋根も真っ白できれい
高知滞在中、この車を3回見た。高知市と阪神タイガースのキャンプ地・安芸市を結ぶ路線をよく走るようだ。片道35キロ、1時間半以上かかる路線だから、ラッシュ時間帯の応援要員的な車両でなく、フル稼働しているようだ。
【5日追記】上の写真を見ると、屋根上に冷房装置がないので、冷房車ではないようだ。夏の間は窓を開けて走るのか、お休みしているのか?(秋田市交通局は、このバスと同い年の1982年度購入分から冷房付き。当時の公営バスはお金持ちだったし、秋田の人は暑がりですから)【2011年8月26日訂正】冷房付きであるとのご指摘をいただきました。コメント欄をご覧ください。

30年近く経ってこの状態を保っているのだから、単なる「古いバス」ではなく、蒸気機関車やボンネットバスのような「保存車両」として扱ってもいいと思う(他県ではそうしている会社もある)。末永く走り続けてほしい。


いろんな発見があった高知や四国だったが、きっぷの有効期限もあるし、そろそろ帰らなければいけない

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久しぶりに (あどれ)
2010-04-04 17:46:31
ようやく自宅のパソコンにゆっくり向かう時間がとれました。忙しい一週間でー。こんなに自分のブログを休んだの初めて!

そして久しぶりに見たら、たくさんアップされてて見るのがおいつかないのね!
なので、ブリコだけ反応します。
秋田ってなんでも「コ」の付くものが多くない?
「ぼたっこ」「がっこ」名詞だけじゃなくても、「コ」を付けることで柔らかいニュアンスに変わるような。。。

ブリコってお店、看板にはハタハタが描かれてると想像しちゃうわ。

そうえいば、秋田のバスで「豪太」が付いてるバスがあったね。お水にどぼ~んと入るポスターと同じもの。あれ、なんだかシロクマに見えなくない??
秋田の人なら男鹿水族館だー、って分かるけど。
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お久しぶり (taic02)
2010-04-04 18:51:20
お待ちしておりましたー カゼ、お大事に。
旅行記が佳境に入っておりまして、いろいろアップしました。おヒマになったらご覧ください。

なんでも「コ」付けますね。うちのばあちゃんは「石油っこ(ストーブのこと)」「電池っこ(懐中電灯のこと)」なんて言ってましたが…
秋田弁は濁音が多かったり、ぶっきらぼうな感じがするけど、「コ」を付けると緩和されるような気がします。
高知のホームセンターは「ぶりっ子」(魚卵でなくて女の子の方ね)も連想されて、かわいらしいイメージがあるけれど、ロゴはカキっとしてました。

豪太バス見ました?
反対側は3月29日にアップした、それこそハタハタのデザインです。
秋田県民には浸透した施設なのに、秋田市周辺のバスに今さら広告を出しても効果があまりないような気がします。何百万円もするでしょうに。県北・県南や周辺各県のバスに出せばいいのにね。
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なんだか (mugi-shochu)
2010-04-05 18:59:05
知らない土地で「ぶりこ」なんていう文字を見つけたらなんだか嬉しくなるでしょうね。
地球33番地・・・12個も並ぶのは凄いですが、秋田の人間としては10度単位で交わる国内唯一の大潟村に軍配を上げたい。(負けず嫌い?(笑))
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ここは秋田? (taic02)
2010-04-05 19:42:42
うれしいですが、ドキっともします。「え? ここは秋田じゃないよな?」って。
「きりたんぽ」?というものもあったので、後日アップします。
大潟村もモニュメントがあるだけでしたよね。話のタネってことで似たり寄ったりで引き分け、かな。どちらも着眼点としてはロマンがあります。
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実は冷房車 (GD)
2011-08-26 22:16:14
実は、このMP518M冷房車です。
観光バス同様、サブエンジン方式の冷房車なので、屋根にエアコンユニットがありません。
観光バスはサブエンジン冷房車が多いです。
最近は走行用エンジン直結冷房車もありますが。
側面の窓の柱が太くなっている所がエアコンのダクトが通っている場所です。
70年代の初期の路線バス冷房車もサブエンジン方式でしたが、座席の下に機器が出っ張るので、70年代末に直結冷房車が開発されました。
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なるほど (taic02)
2011-08-26 23:22:39
冷房が付いていたのですね。真夏も含めて年中活躍しているわけですか。
燃費やメンテナンスでは、大変そうですが、大事に使われているのはすばらしいと思います。
バスの機器・設備類には詳しくないもので、分かりませんでした。ご指摘ありがとうございました。
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