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双子の歩行者用信号

2020-03-27 00:16:42 | 秋田のいろいろ
秋田市の通称・旧国道、高陽幸町、高陽青柳町、山王一丁目、二丁目の境界に信号機付きの交差点がある。北側の秋田市役所方向からの道が、旧国道にぶつかる丁字路(十字路とも取れるが、1方向はややずれていて狭くて信号がない)。
(再掲)右が市役所、奥が新国道・鉄砲町交差点方向

ここを横断する歩行者の視点で見てほしい。
Googleストリートビューより
画像左右方向・旧国道を渡る時は、どちらの横断歩道にも歩行者用信号機が設置されている。道が狭く、柱の位置の制約もあって、信号機の角度にやや無理があるけれど。
一方、右側の前後(旧国道と並行)方向を横断する時。横断歩道は長めだけど、歩行者用信号機がない。

全国的によくあることだと思うが、車両用信号機のある交差点で、横断歩道もあるのに、赤と青の2色の歩行者用信号機が設置されていない場合がある。同じ方向の赤黄青3色の車両用信号機に従って横断することになる(この場合は「車両用」信号機と限定できない)のは常識のような気もするけれど、育った地域差か年代か、どうやって(どのタイミングで)横断すればいいか分からないという人もいるらしい。

たしかに、歩行者の視点では、車両用信号機が見づらい位置に設置されていることはある。
さらにここのように、同じ交差点内で、歩行者用信号機がある側とない側が混在している所では、なおさら戸惑わせるかも。

歩行者用の2灯式の信号機は、1965(昭和40)年の道路交通法違反【28日予測変換による余計な語句を削除】改訂を受け、1966年に仕様が決まり、以降設置されていったそうだ。
おそらく、それ以前でも、歩行者に限定した信号機の概念はあって、低い位置に縦位置の3灯式信号機と「歩行者専用」の表示板を設置して対応していたのではないだろうか。現在の自転車専用と同様で。

2月以降か、この交差点の信号機が新しくなった。※段階的に更新され3月に入って完了。
すべて電球式からLED式に。手前2本は柱も更新

反対側から
旧国道と並行な横断歩道にも、歩行者用信号機が設置された!
秋田県警では、2018年度頃から、このような状況の交差点に歩行者用信号機を新設することを進めているようで、その一環か。

珍しいのが、歩行者用信号機の設置方法。秋田県では初めてかもしれない。


 
違う側の横断用(=向きが90度違う)の2台の信号機を、まとめて同じアームで取り付けている。【31日補足】アームの上部先端寄りと柱の間にワイヤーが張られているのも特徴的。1台だけ設置であっても、アームが長いとワイヤーがある場合が多いと思う。
信号機は4台とも、2018年度から採用されている、信号電材製の低コストタイプ(フードなし、LEDの粒が見える)。【27日補足・上の写真は雨天時に撮影したため、表面に水滴が付いて、中のLEDの粒がにじんで見えています。】

なお、更新された車両用も信号電材の低コスト。
おもしろいのは、従来どおりの設置方法で更新された向かい側の2台。裏面に凹凸がある京三製作所製の短いフードで、よく見なかったけど転用品かもしれない。識別シールが貼っていなかった。※アームや取り付け方が違う少数の信号だけ、中古転用品になる事例は、秋田県警ではたまにあるようだ。

このような取り付け方法を、信号機愛好家は「双子歩灯」「双子設置」と呼ぶそうだ。
【29日補足・双子といっても、後付けなどにより2台の信号機が同時に誕生していない場合、親(メーカー)が違う場合もある。1つのアームを供用していることに着目すればシェアハウスならぬ“シェアアーム”のほうが分かりやすいかも?!】
秋田県では、駅前のスクランブル交差点など、デザイン化された吊り下げるタイプの設置方法で双子設置が見られた。ごくまれにという感じ。
また、2018年度に狭い道で歩行者用信号機がなかった側に増設した交差点では、それまで抱えこみ設置だったのを、吊り下げ式に変更して(+なかった向きに新品を1台足して)双子にした箇所があった。繁華街以外の住宅街などでの双子は、おそらくこの時が初。
秋田市寺内堂ノ沢の交差点。吊り下げの双子
上の写真では、左側の短いフード付きが従来からの信号機(コイト電工製)、右が新設された信号電材フードなし。
吊り下げタイプは、吊り下げ金具にバネが入っていて、車が引っかけても信号機が破損しにくい。また、アーム途中にぶら下げるほうの信号機の、位置の微調整がしやすそうに思われ、なるほど、秋田県警はこのやり方で双子設置を広めていくのかと思っていた。
【5月1日追記】うっかり忘れていた。今回取り上げている旧国道の交差点から南に伸びる道の、1つ隣の市役所裏の交差点でも、これまで歩行者用信号機がなかった側にも新設されて、吊り下げ式双子設置になっていた。

ところが、2019年度は、通常の上下で抱えこむ設置になった。
この抱えこみの双子設置は、全国的には、福島県や四国各県(徳島は除く?)などで、電球式信号機の時代から行われていた設置方法だそう。10年前に高知県で見て感心した

秋田県警では、フードの長さや車両用のアームの形など、ころころと変えたがる傾向があるから、これもそのひとつだろうか?
細かい点はともかく、別々に設置するよりは安く付きそうだし、なんと言っても狭い道路ではすっきりしていいと思う。
例えば、秋田市楢山の狭い道では、
高い位置に設置


電球式時代からこの取り付け方だった。アームを交換すれば、双子にできるだろう(あるいは隣の電力柱に設置するのも良さそう)。
【27日追記】近年の秋田の双子設置で新品の信号機は信号電材のもの。このことから、信号機本体とアームのメーカーの互換性・相性みたいなのもあるような気がしなくもないが、通常品ならメーカー問わず設置できるはず。双子用アームだけを買って、楢山のような既存の信号機を取り付けるということもできると思うのだけど…→2021年度に実現した!

2021年の歩行者用信号機新規設置例(双子ではない)。

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2 コメント

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Unknown (りお)
2020-03-30 21:56:44
この場合の「双子」は、さくらんぼの軸が繋がった状態を「双子」と呼ぶことから来ているのでしょうね。
信号機の形がコロコロ変わるのは、いろいろな形の信号機を試させる代わりに安くなっていたりして…。
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双子のたとえ (taic02)
2020-03-31 00:24:17
卵とか、恒星とか、都市とかでも双子にたとえられることがあります。あくまで愛好家での通称のようなので、警察やメーカーではどう呼んでいるか、気になるところです。
アーム形状は、比較・試験の目的はあるでしょう。同じ交差点や通りの中で、設置時期が違って違うアームになっていることもあるので、景観面からはもうちょっと揃えようという気持ちがほしいです。
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