田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

グランド、体育館の床

2017年05月30日 | 日記
 体育館での運動中に床に滑り込んだ際、はがれた床板でけがをする事故が起きているそうだ。危険、考えただけでもゾッとする。
 
 昔々の学生の頃、体育館は『水っケ厳禁』だった。少々水をこぼした程度では、水など吸い込まないほど入念なワックス磨きがされていた。そもそも体育館は、水の持ち込みは禁止だった。水分と言えば体から出る汗ぐらいで、その汗でさえ、床に落ちたらすぐ、モップで拭くのが常だった。それほど水分に関しては、皆が神経を使っていた。後に運動部に聞いたら、スリップ防止だと教えてくれた。
 
 国体の前々年だったと思うが、コートに傷がついたとかで、体育館床全面補修工事が行われた。朝からガーガー騒音がしている体育館を眺めながら運動場での体育になった。体育館の扉から、火事場のような白い煙がもうもうと出ていた。若い体育教官と共に、へっぴり腰で覗いたら、白い防護服の人達が手押し車のような機械で、床を削っていた。ちいさな傷でもこんな大工事になることを知った。若い体育教官が「今日は見学ッ!!」と言った。キビキビ動く職人さん達が格好良く見えた。
 
 雨降り後、運動場の歩行禁止は周知の事実だった。乾くと固く締まる運動場は、くぼんだ足跡を消すには、次の雨を待たねばならなかった。時々、野良犬の足跡が一本続いていたりして、一年生がトンボを引いていた。
 
 ある時、一台の自動車が運動場を横切り、体育館裏の駐車場へ続いていた。すぐに運転者は、教生に訪れた若い教育学部の学生だと判った。雨が降り続く昼休み、数人の運動部がトンボや木の板で輪ダチを均していた。無知な教生に見せるためだったと思う。深い輪ダチの跡は、夏休み後も薄っすらと残っていた。教生さんの心にも残っただろうか。おしまい。