森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

トキワイカリソウ

2016年05月09日 | 自然観察日記
越冬する緑葉があるのでトキワイカリソウといいますが、これは雪国ならではの適応なのでしょう。厚く積もった雪は保温性に優れ雪解けとともに光合成ができる仕組みは地表に生育する種にとっては非常に有効な方法です。太平洋側に生育するイカリソウは光環境は優れていても冬季乾燥し低温にさらされる林床では緑葉を維持できないため落葉します。同じような理由が働いていると考えられますが、雪国の林床は常緑の低木が非常に多いのです。太平洋側の林床はササ類を除けば極めて常緑の低木は少ないですね。

トキワイカリソウの花

2016年05月09日 | 自然観察日記
トキワイカリソウの花色は白色が一般的ですが、六日町など信濃川の上流部には赤亜紫色の個体に変わります。この色の変化はどうとらえたらいいのか今のところうまい説明ができません。