森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ラショウモンカズラ

2016年05月23日 | 自然観察日記
新潟県内では興味深い分布をしているラショウモンカズラがもう花を咲かせていました。まだつぼみの個体も多いのですが早くも春も中ころから後半に向かっているようです。今年は本当に季節の進み具合が早く感じます。
ところでラショウモンカズラの県内の分布は阿賀野川沿いと角田・弥彦山塊とあとは隣接する4件の県境沿いの深山の狭い範囲で採集記録があります。清津峡は群馬県境に近い場所の生育地となります。僅かに佐渡にも生育しています。阿賀野川沿いと角田・弥彦山塊それに佐渡に分布する種はいくつありますが、県境に沿って北から南まで分布するという特異な面を持っている種は多くないと思います。どう説明したらよいのか今の私にはできませんがきっと興味深い歴史が隠されていることでしょう。


ラショウモンカズラの花 拡大

2016年05月23日 | 自然観察日記
花は大きく開けた口のようでもあります。しかし、この花の命名者はこの花を横から見た時に鬼の腕に見えたのでしょう。渡辺綱が羅生門に棲みつく鬼を退治して切り落とした腕に見立てたとか。その想像力に舌を巻きますね。