森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

シモツケ

2013年01月08日 | 自然観察日記
木本のシモツケです。これも尾根筋の岩場から剥げ落ちてきたものが生き残っている風情でした。すぐには消えそうにないのですが、元気よく生育している様子もありません。もっとも背の高い草が繁茂し始めているせいで、これからは生活が厳しくなりそうな環境ではありました。こうやって調べていくと、この沢には実に多くの「落ちこぼれ」があって見本市と言ったところ。そういう運命になったものが今後どうやって適応していくのかを観察するには絶好のポイントだということがわかりました。

ユキワリソウ

2013年01月08日 | 自然観察日記
珍品と言われるものも次々に出てきます。先に取り上げたマツムシソウもそうですが、こんどはユキワリソウです。雪渓の際に他のスゲなどの草と混じって転がっていました。サクラソウの仲間のユキワリソウでキンポウゲ科のオオミスミソウではありません。尾根筋では見かけなかった種で、ここに来て初めてこのエリアに生育していることが確認されたことになります。見つかった状態ではここで生き延びることはできませんからI氏(旧新大教授)に託しておきました。栄村からも依頼があるようで貴重な植物の育種にも尽力されています。
こんな小さな草の塊りがユキワリソウの株だと見極める目が私にもついているのがある意味不思議です。長いことコツコツと観察し続けると自ずから見えてくるものなのですね。

ヤグルマソウ

2013年01月08日 | 自然観察日記
これも落ちてきたヤグルマソウ。水が流れる際にありました。少し大水になるとさらに下流に押し流されることになります。土砂に埋もれるかそれともうまく生き残れるか・・・。このままの状態では生き延びるには難しそうです。