治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

他に何かないか? と探す親心

2019-04-03 08:15:29 | 日記
さて、先日おからさんのおうちのことを書いた記事におからさんご自身からいただいたコメントが素晴らしいのでここに貼らせていただきます。

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その先にあるもの (おから)
2019-04-02 10:39:25
四月とは思えないほどの雪が降り続いております。「人間脳の根っこを育てる」があのころあったならどんなに楽だったろう・・・そう思わずにいられない程には過酷な日々でした、彼女にとって。
 
初出勤を無事終えてブログを読んだ娘が、いま余裕なくてコメント書けないけど~と言いつつあらためてあの頃をチラリと振り返り「お母さんに手を引かれて学校に行ってた時はガチめに辛かったし学校に通う意味が全く分からなかった。高校受験で初めてまともに勉強して、やったら分かるって事が楽しくなった。高校でようやく自分の行く道を見つけて、大学入ってちょっと迷走したりあったけど、卒論に取り組んでまた勉強が楽しくなった。国家試験の勉強はマジ苦しかったけど自主的に取り組めたからみんなと頑張れたし先生も助けてくれた。そういう全部が辛かったあの9年間につながってたと思ったよ。不登校してたら分からなかったしできなかったと思う。」と言ってくれました。

不登校児の親を敵に回す発言なのですが、親も諦めた方が楽なのです登校させる事を。これは障害児の子育ても同様で、諦めるほど楽なことは無い。だから支援者がこぞって私たちに治りませんと言うのでしょうね。
けれど諦めたその先にあるものを想像せずにはいられない性格ゆえ、そして長男も娘も等しくひたすらに「幸せに」なってほしいので諦めるわけにはいかない。花風社クラスタの皆さんもおそらくこの一点で頑張ってらっしゃると思うのです。
障害のある子を受け入れられない人たち、等とほざいていた輩もおりましたが、むしろ周りの誰より我が子の現状を理解するからこそ、私たちはその問題の根源を取り除いて楽にしてやりたいと思い立ち向かっているし、社長はその親心を分かるからこそ一緒に治せる手立てはないものかと奔走してくださった。そうして現在の私たちがあるのだと思っています。
 余談ですが、めでたく同時に扶養が二人抜けました。特定扶養と障害者の扶養だったので、二人合わせて百数十万円の扶養控除が今年からなくなるわけで、夫と大爆笑しました。とうとうこの日を迎えられたね、来年から頑張って税金いっぱい払おうね、と。二人とも納税者になってくれましたこんなに嬉しいことはありません。

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お二人同時に扶養を抜けた!
素晴らしい春ですね。
お子さんが扶養を抜ける、っていう目標の方も多いと思います。
だからおからさんのおうちに勇気づけられる方は多いと思います。
一方でいくつになっても扶養を抜けないお子さんを抱えている方もいると思います。
そしていつからでもできるのが言葉以前のアプローチです。

あきらめる方がラク、とおからさんはおっしゃいます。
そして発達障害の標準医療()は治せず、標準療育()にたらい回しします。
そこでは頑張らなくていいことを教えられ、犬の曲芸みたいな無駄なことに時間とみんなから集めた公金を費やし、そしてさんざん療育した結果福祉就労に送るのです。
一方でそういうもののなかった時代、あっても選ばなかった人は案外あっさりと扶養を抜けていく。

おからさんは昨日こうつぶやいていらっしゃいました。

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「社会に出られた若者」が福祉に塩漬け。幼児期から長男よりずっと能力の高かった子が、作業所行きのバスに揺られる歪んだ横顔が目に焼き付いている。彼らはみじんも悪くない。
悪いのは福祉枠に囲った医療であり、そして哀しいけれど親です。

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そうですね。
おからさんはギョーカイ活動しながらギョーカイに身を委ねなかった。
だから今があるのです。

おからさんのご長男はかつて虚弱体質だったそうです。
漫画にある藤家さんやニキさんが抱えていた四つの症状はご長男も抱えていたそうです。
まずこれをなんとかしないと働くことは考えられませんでした。
そして虚弱体質の人は、まず医者を頼るでしょう。
でもそこでは治らない人もいる。っていうか最初に私がニキさん藤家さんと働いた私が解決してあげたかったこの四つの問題、医者のとこ行って治りますか?
治らない。
だから「治らないとあきらめよ」というのが(少なくとも発達障害に関する)「標準医療」です。

そして何がご長男の体力を増強したか?
それは身体に関する知識です。
それを持ってたのは箱根の麓で誰にも知られず人の身体を元気にする仕事をしていた栗本啓司さんであり、この一万パーセント無名のおっさんを見つけてきて本を作ったのが私です。
でもえらいのは栗本さんでもなく私でもない。
なぜなら本を読むだけではそれで終わりだからです。
本で学んだことを日々実践したのはおからさんのご家族のみなさんです。

そしてこの春を迎えたのです。
お仕着せの医療や福祉に飽き足らず、ローカルギョーカイ活動を通じてその裏も見てしまい、ここに身を委ねていたら危険だと知った。
そして「他に何かないか?」と探した。
ここを探すのが花風社クラスタ。そしてはじめっから治す気などないばかりか結果が出て治ったーと喜んでいると一般人の言論統制までしようとする盗人猛々しいのが「標準医療」の人たちのようです。

ところが

発達障害に関する「標準医療」の人々は誰一人花風社に文句言ってきません。
それがなぜだか考えた方がいいです。
これだけこっちが悪口言っているのに。
だけど杉山先生は診断室に花風社の本を置いてくださっているようだし、花風社愛読者のシアさんによるとシアさんの主治医の方(国立精神・神経医療センター長)はこういう風に花風社とエビデンスについてシアさんに教えてくださったらしいです。



そして神田橋先生に至っては新刊の中でベタ褒めです。
発想の航跡、発達障害をめぐって
のP6をみてください。
一出版社の名前をわざわざあげて、私たちの情熱をわかってくださっている。

今は治らないとしても、なんとか治す方法はないだろうかと探す医師もいればそうでない医師もいる。
今医師から提供されている方法で治らないけどなんとか治らないだろうかと他の方法を探す家庭もあれば他の家庭もある。
そうやって探して、本を読んで、そして(ココ大事)実践したのがおからさんのご家族です。
そしてお仕着せの「標準」に従いそのまま自然な流れで作業所のバスに揺られているのが「子どものときはおからさんご長男より賢かったお子たちの成人した姿です。

「他に何かないか?」
それを探したい親心をネット上で無責任に踏みにじるような凡医凡科学クラスタは無視してください。
彼らはたぶんリアルでも凡医であり凡科学者です。
凡心理士であり凡言語聴覚士でしょう。
発達障害を巡る状況を知らなければなおのこと。どれだけ発達障害を巡る医療の状況がひどいかわからずに標準医療なるものを押しつけてきても彼らは無責任な人たちです。
その人たちに従って「標準」を選ぶ人もいるでしょう。
そしてその結果8050問題を抱えようと、午後三時に入浴させられる入所施設しか行き場所がないとしても、彼らは責任を取りません。
ツケはそれぞれの家庭が払うのです。命の尽きるその日まで。

それぞれ、自分の道は自分で選びましょう。
そしてこれは、当たり前のことなのです。
医療に関する情報流通だけが、やけに人の主体性を奪っているのです。

「他に何かないか?」と探す気になったとき
花風社はオプションを用意しています。

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3 コメント

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Unknown (nanoka)
2019-04-03 12:35:52
私が花風社さんの本に初めて出会ったのは療育手帳の交付の診断をした子供家庭センターです。
診断後に「気になることはありますか?」と訊かれ何となく気になっていた子供の寝つきの悪さ、熟睡できていない様子を話すと、芋本の金魚体操の1ページをコピーしてくださいました。(これ、本当はダメですよね…。でも今となれば、心理士さんも何とかしてあげたいと思っておられたのだと思いました。)
その時は「こんなの1ページ渡されても…。しかも絵って…。」と思い調べて購入しました。
それから数年が経ち、我が家の花風社さんの本は10冊を超えています。

おからさんのコメントをうんうん頷いて読みました。私は頑張るか諦めるか悩みながら、頑張るのは親のエゴなのかと自問自答しながら7年が過ぎました。諦めず頑張り続けてこれたのは花風社さんの本、浅見社長のブログ、花風社クラスタの皆さんのお声でした。
振り返ってみれば、息子はかなりの成長をしています。そしてきっとこの子は働ける大人になる!と思えるようになりました。
まだまだ修行はいりそうですが、私も子供ももう迷いなく福祉に頼らない道を歩もうと思っています。
Unknown (心は生えてくる)
2019-04-03 16:08:01
Twitterのやり取りを見物していて思うこと。
花風社関連の皆さまを「オカルト」と仰る方々は「偏っている」なぁ、、と。
皮肉に気付くこともなく、言葉狩り。自閉と診断された我が子より「こだわりが強い」。
幸い我が子の自閉の診断は、医師も困るほど治っていますが。

他者にエビデンスだの何だの言う前に、自分の正しさを証明してほしいものです。あ、客観視は出来ないのかもしれないですね。
因みに私の主治医(内科医)は、
「エビデンスは意識するが、だからと言ってエビデンス中心でもない。風邪すら治せない医者だからこそ、間口を広く情報が入りやすくしている。組織に縛られていても出来ることはある。」
とのこと。

そして発達障害の子を家庭で治すことは虐待になるのか、標準医療に繋がなければ虐待なのか、児相職員に聞いてみました。
「当地域では虐待に該当しません。と言うか、暴力も無視も放置もしてないのに虐待になるなら、擦り傷でも病院に行かなければ通報ですね(失笑)」

脅し文句のつもりなんでしょうけど、そんな暇人に付き合ってくれる児相があるとは思えません。
Unknown (ヨヨ子)
2019-04-04 08:15:27
私は高校の頃不登校児でしたが、おからさんの娘さんの言葉には何の敵意も感じません。
本当にその通りだからです。今私は無職です。その発端は医師と上手くコミュニケーションを取れなかった結果発達障害を統合失調症だと思われたところから始まっています。
なんとか大検を経て専門学校に行きましたし二十代の頃はずっとフルタイム勤務をしてきました。でも今はその日によっては外に出られません。

不登校になってもフリースクールや大検を活用すれば専門学校にも大学にも行ける時代になりました。
でも小中高で不登校になると社会性やコミュニケーション能力がどうしても同世代に追いつきません。
しかも不登校になると「不登校や高校中退をカバーする為に専門職につかねば!」と思うケースが多いのでますます勉強だけ出来る人になってしまいます。

それなら自分の意思でしたことなのでまだ仕方がないと思えますが、特別支援効果→就労支援センター→作業所のレールに乗せられた子達は一生「エジソンだった発達障害だったんだよ!って言ってた先生達や発達障害の人は芸術家に向いてるって言ってたカウンセラーさん達はなんだったの?」「どうして自分はいつまでたってもお小遣いと同じ額のお給料しかもらえないの?」「配慮を受けながら障害者枠で働けるって話はどこに行ったの?」と思いながら生きていくのでしょうか。

ギョーカイの人たちはこう言った事実に対してどう思っているのでしょうか?それとも「自分が務めている特別支援校や就労支援センターからいなくなった人達のことなんかしーらないっ」という気でいるのでしょうか?他人の人生を歪めた自覚がないのでしょうか?
もしそうだとしたら鬼畜ですね。だからこそ発達障害が治るギョーカイはあてにならないという意見に噛み付くのでしょう。自分達が鬼畜だということがバレてしまったら職を失うどころじゃ済まないかもしれないのですから。