治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

発達障害とお薬

2010-04-28 07:12:08 | 日記
この前も自閉症のお子さんを持つ親御さんたちと話していて、お薬の話が出た。

発達障害の人に処方する精神科の薬の処方量って、定型発達の人に比べて少なくていいらしい。
っていうか、少なくなければいけないらしい。
これが精神科の世界全体でどれくらい常識になっているか、私にはわからない。

私が出会うのは、発達障害にとくに詳しい方たちなので、まあたいていの先生がこれを知っている。
だから私の耳学問では、「発達障害の人には処方量を少なく」っていうのは普通のことになっている。

たまにあまり詳しくないお医者様に定型発達の人と同じ量を処方をされてしまうこともあって
そうすると調子を崩すらしい。

この話もよく聞く。

私は精神科の薬そのものをのんだことがないので(というか薬自体あまりのんだことない。風邪を引いても百薬の長で治す)
「薬で調子を崩す」ということがどういうことなのか実感ではわからないけど。

まあとにかく

今度の大大大博士の本は、別に「神田橋処方」に強調点が置かれているわけではないんだけど
「なぜ漢方というオプションを排除しないか」については触れている。
先生は西洋医学の精神科のお薬も使うし、漢方も使う。サプリメントも使う。それはなぜか? について触れている。

私もこの本を作る途中で色々調べて、結構発達障害の人に漢方が処方されているのを知った。
エビデンス重視のお医者様たちによっても。

そして、ある人に何が合っているのかは
本人もしくは周囲の人たちが観察して見測らないといけないみたいだということだ。あたりまえだけど。
先日お話した親御さんたちも、処方量とお子さんの変化を、注意深く観察していた。
そしてお医者さんにフィードバックしていた。多すぎると思われる場合は、きちんと報告して減らしてもらっていた。

その子に愛情があり、その子の未来を大切に思い、よく観察する機会のある人がすぐ近くで観察する。
お医者さんに報告して、処方量を調整する。
そうだとすると薬物療法って、身内と場合によっては本人、そして近くの専門家の協同作業なのでしょうね。
ネット上で自閉症理論を展開している誰かの役目じゃなくて。

その結果、漢方はやめたい、西洋医学のお薬のみでいきたいのなら、それはそれでそのおうちの選択の自由。
漢方を使いたいのなら、やはりそのおうちの自由。
だから
自分ところで決めた方針に、よそのお子さんまで巻き込むのなら、ちゃんと自覚してほしいね。

つまりね、うちから出る本で神田橋先生が漢方について触れてあるからというのが主な理由で漢方に対するネガティブ・キャンペーンをする人って出てくる「かも」しれないけど
その意見を受け入れるかどうかは、それぞれのご家族・主治医が決めるべきことです。
大事なのは「状態がよくなる」ことだとしたら、ネット上の誰かの意見を盲目的に聴くことはある人にとっては機会損失になるかも、
って頭の片隅に入れておいてほしいです。これは薬物療法に限らないけれど。

そして、もし「漢方なんてでたらめだ」と言い切ってキャンペーン張る気があるのなら
「もしかしたらよそのお子さんの機会を奪うことになるかも」というだけの覚悟をもってやってほしい。
そういう責任をちっとも感じずに、よそのおうちの療育方針に口を出すのは僭越だと思います。
療育というのは本来、テーラーメイドであるべきなのだから。

たくさんの人が漢方で救われているのも事実なんだからね。

たくさんの人が多すぎる精神科のお薬の処方量で健康を蝕まれているのだって事実なんだからね。

あ、それと最後にご注意。
薬物については、このブログをプリントアウトしていってもお医者様の信用は得られないので
あと一ヶ月弱待って神田橋條治先生のご意見として本を持っていくか
その他、きちんとしたお医者様の意見が書いた本を持っていって、主治医の方とご相談ください。

昨日神田橋先生から校了紙をいただきました。いよいよ印刷に向かっていきます。

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