治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

栗本さんも発達する!

2015-01-12 22:42:33 | 日記
八高線とか青梅線とかは、車両のドアをお客さんが開閉するんです。
うちからだとほんの一時間弱離れただけの場所なのに
大分寒いんだなあ

と思いながら羽村たつの子保育園さんにお邪魔しました。
最初、栗本さんの実践を見学させていただいた保育園です。
早くから障害のあるお子さんを受け入れていて
その人たちが大人になっても体操教室をやっていて
そこで栗本さんが長年指導をしているのです。
あのとき見学を許可してくださったから、それが黄色い本につながったわけで、恩人の施設です。

昨日はそこの法人研修会。
三つの保育園を運営する事業体で、保育士の先生たちが80人!
体操服でばしっと待っておられました。

最初に栗本さんから、寝相の話等が出ます。
そう、黄色い本にも載っている寝相の話。
保育園にはお昼寝の時間があるから、子ども達の様子をつかむのに寝相の観察はうってつけの機会。
皆さん熱心にメモされています。

その後コンディショニングの実技に入っていきましたが
もともとリズム運動を採り入れている保育園だということで
先生たちの身体が賢い。さっと栗本さんの意図を読んで動かれます。
金魚とかもマスターが早い。
ふだんの稽古は裏切らないですね。

稽古は裏切らないといえば、一番驚かされたのは栗本さんです。
あんなに話が下手だった人が、本を二冊作るうちに質問攻撃をされ
ついったーでかわいがられ、棒人間会議でかわいがられ
驚くほど講座運営が上手になっていました。

すごい!
栗本さんも発達する!

専門家を鍛えるものは「素人からの質問」なのだと
つくづくつくづく思い知りましたよ。
栗本さんの進化を見て。

講座の運びがうまいせいで、わけのわからない未知のポーズが多発するにもかかわらず、その意味がきちんと説明されるので
「なにやってるんだろ」感が受講者に皆無。
休憩時間も「面白いね!」と皆さん声をかけあっています。
ふだん預かっているお子様たちにも活かせる知識だし
一人の働く社会人としても、大事なコンディショニング。
話がきちんと伝わると、それが素早く吸収されていきます。
感心しました。

休憩時間に園長先生が「今本を宣伝してください」とおっしゃってくださったので、持って行った栗本さんの本ともりしーさんの本を売ってきました。
栗本さんの本は「今のお話入ってますよ」っていうこと。
そしてもりしーさんの本は「運動が苦手な子と遊ぶヒントがたくさんです」と宣伝。
その他の本も事前から園長先生じきじきご注文の分もあり、完売です。
この三連休は、ニキさんの講演と栗本さんの研修で本がいっぱい売れました。感謝感謝です。
きっと初詣のおかげだ(それはまた後日記事にしますね)。

法人として、健全なんだろうなと思ったのは
保育士の先生たちの年齢層の広さと仲の良さ。
そして栗本さんにする質問内容を見ても
それこそ二か月から親に成り代わり子どもの発達に責任を持つ保育士さんならではの責任感がひしひしと感じられました。
幼稚園と保育園の違いを差別的に語る人も世の中にはいます。
昨日の会を見たあとでは
そういうのって前時代的俗物的なものの見方だよなあ、と思いましたよ。
そういう俗物性と戦ってきた人生でもあります、私の場合。
前世代の「あたりまえ」に疑問を投げ掛け続けるのが私の資質の一つなのですね。

「保育園は幼稚園より質が悪い」という主張は
子どもの発達に責任を感じて休みの日にも熱心に勉強されている先生たちに失礼な話です。
幼稚園が少なくなって、保育園が多くなってきたのは世の趨勢ですからね。

ここの園では、食事にもかなり気を使っているそうです。
早くから障害児を受け入れ、食事にも気を使い、運動プログラムを取り入れ
みたいな健全さが、働く人に出ていると思いました。

実り多い一日でした。
たつの子の皆様、栗本さん
ありがとうございました。