ある雑誌の70代を後悔しない生き方のなかで認知症について
専門家が言及してる内容が気になった、認知症の人は人生の後
悔のない最期を迎えている、さらに認知症は長生きの勲章とポ
ジティブに捉えようというものだった。
高齢期は得るものより失うものの方が多い喪失の時期である、
そのひとつが加齢に伴う認知機能の低下である、誰もが認知症
になる可能性がある、私の両親は二人とも晩年、幻覚、妄想と
いうレビー小体型認知症で苦しんだ。
壊れていく両親を見るのは息子として正直辛かった、自分が自
分でなくなっていく苦しみ、自分が認知症だと知った苦しみ、
明日がどうなるか分からない苦しみ、父の死後残された殴り書
きのメモに書かれた当時の心境に心を痛めた、認知症になって
すべて忘れるわけではない、だから父が亡くなって14年、母
が亡くなって5年、認知症の人は後悔のない最期、長生きの勲
章なんて、とても思えない。