世界保健機関(WHO)が3日に開いた新型コロナウイルスについての記者会見で、WHOの感染症専門家マリア・ファンケルクホーフェ氏は「30代、40代、50代で集中治療室(ICU)に入り、死亡する人もいる」と述べ、比較的若い年齢層にも危険があると強調した。

 ファンケルクホーフェ氏は、重症者の主流は高齢者と基礎疾患がある人だとしながらも、イタリアや欧州各国などからの最近の報告例も踏まえて「若年層でますます多くの人が重症化している」と指摘。比較的若い層の死者の中には、基礎疾患のない人もいると報告した。年齢層別の傾向などは未解明な点が多く、重症化してから軽症に戻る人がなぜそうなるのかもよくわかっていないという。

 一方、各国で大きく違う感染者の致死率については、社会の年齢構成や患者が押し寄せて医療にかかった負荷や、検査の範囲などによって違うとして「比べることは難しい。誤解を招く恐れがある」と述べた。(ジュネーブ=吉武祐)