息苦しい世の中で 自由に語り合える空間を

自由でも民主でもない この日本を もっともっとよりよく変えていくことができるように たくさんの知恵を語りましょう。

関わった人には とことん

2014年10月12日 22時12分02秒 | 教訓
昨日、隣のコンビニの前で、あきらかにホームレスだとわかるおじいさんが、ゴミ箱の前でへたりこんでいるのを、長男が見つけて私に知らせてきた。だれも声をかけてないみたいで、はたして生きているか死んでいるかもわからないくらい、ゴミ箱にもたれかかって動かない様子だという。
かなりの盛況のコンビニで、客も店員も見ているだろうにと思いながら、駆けつけてみた。
たしかに、おじいさんは、身動きひとつしていない。風呂に何日も入ってないようで、タールを焦がしたような異臭も漂ってくる。
隣にしゃがんで、「おじさん、大丈夫?」と声をかけると、細々と返事をする。
病気ではないこと、空腹で動けなくなっていること、新潟の小地谷から歩いて、渋谷の親類に行く途中だということ、金を落としたかとられたかして無一文だということ、八百屋をしていたがつぶれてしまい、そのあともさんざんな目にあったこと、明日にでも金融会社で一万借りようと思っていることを、細々と話してくれた。
体は私の半分くらいの肉付き、かなり痩せていて、無精髭、浅黒い肌、よれよれの上着、スーパーのカートに衣類や傘が無造作に詰め込んでいるのが見える。
急いで家に戻り、買ってあったパン二個とヤクルト、牛乳、リポビタンを袋に詰めて、おじいさんのところに行って渡した。
「私はほどこしなんて、受けたこともないし、受けるのはいやなんだが、今日はそんなことを言ってらんねえよ。」と恥ずかしそうな笑顔で受けとってくれた。
まだ、なにかしなけりゃと思うのだけど、うまく思い付かない。
家に帰ると心配そうに息子が、様子を聞いてきた。ちょっと安心したとの声。
10分くらいして、やはり心配になって、行ってみると、おじいさんはゆっくりではあるけど、パンをかじり、牛乳を飲んでいる。
遠巻きに見て、ひと安心したが、この先彼はどうするのだろう、どうなるのだろう。
そんな懸念から、駅の交番に電話をして、相談に乗ってほしい旨を話す。
20分くらいして外に出ると、二人の巡査が自転車で立ち去るところ。おじいさんの姿は見えないが、たぶん保護されたと思う。
ちょっと後味が悪いんだ。
なんで彼を一日でも招いて、風呂にでも入れてあげられなかったのだろう。ほどこし程度で、自己満足していたのかもしれない。
彼の話は、作り話だったかもしれないし、彼は放浪する土地で、同じことを繰り返していたかもしれない。
でも、それはわからない以上、とことん面倒を見るのが、我が家代々の流儀だったのではないのか。
通報することで、厄介払いしただけの結果になったようで、なんとも気持ち悪い。
へんなこだわりだね。

と、友だちにメール。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 最近雑多 | トップ | あすは次男の結婚式 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

教訓」カテゴリの最新記事