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まじめな教師が陥る罠

2010年05月18日 09時58分26秒 | 教育を考える
古本屋で、「水からの伝言」という写真集を見つけました。
水の結晶の写真を集めた、けっこう美しい写真集です。

しかし、この本がかつて私たち教師を惑わせた「お騒がせ」写真集だったことは、もう昔の話なのかもしれません。

この写真集、美しいだけならいいのですが、なんとも驚くべき話が書かれていたのです。たとえば、水に「ありがとう」という言葉を見せたのち(水をいれたビンに文字を印刷した紙を貼って、文字通り”見せる”)、その水で結晶を作ると水はきれいな結晶を作り、一方、「死ね」などの言葉を見せた水はきれいな結晶を作らないというのです。もちろん「平和」は美しい結晶を作り、「戦争」は作らないなど、言葉と結晶のあいだには一定の(実に
わかりやすい)関係があるというのでした。

ちょっとばかげた話ですが、これを真に受けて、実際に道徳の授業で使用した教師が、かなりの人数でいたのでした。
つまり、「言葉は水の性質を変える。人間の身体は多くの水分を含むのだから、言葉は人
間の身体にも影響する。美しい言葉を使いましょう」
という「教え」となるわけです。

倖田來未が、テレビ番組で肯定的に紹介したことも、大きく影響いたのかもしれません。

この授業は、初め、TOSS(教育技術法則化運動)と呼ばれる運動に参加する小学校の教師のあいだで広まったようで、今はさりげなく(?)このホームページからは削除されています。

「まじめ」ゆえ、いったん信じると猪突猛進。
これは、オウム真理教の信者の暴走など、新興宗教の信者にもあてはまることだと思えるのですが。

教師は、一般的に「まじめ」です。(私はどうかなあ)
今、ますます「自分を豊かにする」時間がなくなって、日々追われていると、「なにかにすがろう」という気持ちにもなるのも当たり前なのかもしれません。

今回の水についての似非科学は、過去のことですが、今後同じような現象は、教育界に次々と現れてくる予感がしています。
似非科学、そしてカリスマかな。
コメント
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