3月7日、アメリカのバイデン大統領が、上下両院合同会議で一般教書演説を行った。
81歳と高齢を危惧されるバイデン氏だが、演説は40年の政治キャリアを存分に思わせる力強いものだったと一定の評価をされているようだ。
特に、今、アメリカの民主主義は内憂外患となっていて、外にはロシアのプーチン大統領、内には、共和党の前任者(トランプ前大統領)だと厳しく指摘した。
殊に11月5日に行われる大統領選で対戦する見通しのトランプ前大統領への対決姿勢を鮮明にし、トランプ氏の北大西洋条約機構(NATO)を巡る言動は容認できないとして、同氏が民主主義を脅かし、ロシアに屈していると非難した。
また、トランプ氏が20年の大統領選での敗北について虚偽の主張を繰り返していることなどを念頭に、民主主義の脅威に焦点を当てた。
さらに、トランプ氏は、議会襲撃事件の事実を葬り去ろうとしているほか、メキシコとの国境警備強化を妨害していると指摘した。
人工妊娠中絶の権利や経済を巡っても、トランプ氏と対照的な立場を鮮明にした。
このほか、企業や1億ドル以上の資産を持つ国民に対する最低課税額の引き上げを含む新たな提案を明らかにした。
共和党議員に対しては、自身の年齢や精神的鋭敏さを巡る懸念を和らげようとしてか、機知に富んだ冗談を交えて辛辣な言葉を浴びせた。
支持率低迷に苦しむバイデン氏にとって、一般教書演説は今後4年のビジョンについて国民に直接語りかける機会となった。演説ではトランプ氏を絶えず前任者と呼び直接名指しすることはなかった。
一方、トランプ氏は演説の前に自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に「ジョー・バイデンは自分の実績に背を向けている。彼と彼の党がつくり出した恐ろしい荒廃に対する説明責任から逃れるために」と投稿した。「関連:3月7日」
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