臨時国会は、昨日今日と衆参両院で安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が行われているが、一昨日は、衆議院でかつての立場が逆転した無所属の野田佳彦氏が質問に立った。
その質問に対し、安倍首相は、また民主党政権時代の事象を持ち出して野田氏をイラつかせた。
その1つは、野田氏が参議院の定数増を批判したのに対し、安倍首相は、自民党政権になって、定数を削減してきたが、民主党政権時代は何もやらなかったではないか。と攻め、
また消費税増税については、民主党は、公約にもない消費税増税をやった。とあたかも民主党だけで増税をやったように攻撃した。
現首相が、前政権の批判をすることが総て悪い分けではないが、安倍首相は、返す言葉が無かったり、痛いところを突かれると、必ず、意趣返しのような形で前政権が取った政策の上げ足を取る。
つまり、「我々はこうしたが、民主党時代はこうだったじゃないか」といった類のものだ。確かに、間違いないことかも知れないが、旧民主党関係者からすると、頭に血が上るだろう。
普通の社会は、余り前任者の失敗を持ち出し、傷口に塩を塗るようなことは避けるのが人情だが、政治の世界は特殊なのだろうか。
とかく、自分のやったことや、やっていることに自信がないと、他の失敗を引き出して、自らを正当化する。
言わば匹夫の振る舞いの一つと言って良い、どうも、安倍首相は、時々、そういった性根が表に出る。
自民党総裁に3選され、このまま続くと憲政史上最長の首相になる安倍首相だが、一向に大物の貫禄が見出せないのは、こんな性根が災いしているのだろう。「関連:10月30日」