東京都中央卸売市場の豊洲市場が、昨日から開場した。初日の取引はご祝儀相場もあり、活発な取引が交わされたようだ。
初日ということもあり、交通渋滞も見られ、地方から乗り入れる一部業者は戸惑ったようだ。また、採光が品物とマッチしないため、見にくかったとの意見もあったが、これらは段々慣れていくしか仕方が無い。
しかし、豊洲市場が近代的な機能を駆使した設備であることは間違いないが、それだけ運用費は嵩み、利益を圧迫するという根本的な問題から逃れることはできないようだ。
築地市場の場合は、年間利益は6億円ほどの黒字だったが、豊洲の場合は、年間98億円の赤字になるとのことだ。
また、約6000億円かけて整備したが、加重な減価償却費は赤字経営の根本的な原因になっている。当初、この埋め合わせを築地市場の売却代によって賄うはずだったが、小池百合子都知事は、築地市場の跡地利用を表明しているものの、それが全く具体化されていない。
一方、今回、豊洲市場に入った業者は、築地より25少ない533業者で、インターネット取引の普及などにより、豊洲の取引量は、今までの半分ほどに減っているのも問題点だ。
さらに、地下水からの汚染物質は、直接、生鮮食品に関係ないというが、地下水を止める当ては今のところ見つかっていない。
このように、豊洲市場は、いろいろな問題点を抱えての船出となったが、今後も、日本の食文化の中心を担うことは間違いなく、何とか困難を乗り越えて繁栄を目指さなければならない。「関連:10月11日」